保育実習理論問1で必ず出題される伴奏問題。
苦手としている方も多いと思います。

ということで、今回も「感性」ではなく、「理論」で解いていきますので、一緒に頑張りましょう♪
伴奏問題の攻略法!解き方の3つのポイント☆
伴奏問題の解き方のポイントは3つ!
- 音を正しく読む
- 右手で弾いている音に似ているものを選ぶ
- コード進行についての理解
です。

動画で解説!
保育士試験・保育実習理論で出題される「伴奏」問題の基本の解き方について、動画で解説しています!
10分ほどでポイントチェックできますので、ぜひご利用ください☆
解き方解説で挑戦する過去問
解き方のポイントを確認しながら一緒に問題を解いていきましょう。
今回、挑戦するのは「令和7年度前期試験 保育実習理論 問1」のこちらの問題。
(組み合わせ) 0 A B C D
1 ア イ ウ エ
2 イ ア ウ エ
3 ウ ア イ エ
4 ウ エ ア イ
5 エ イ ウ ア
PDFも用意しましたので、書き込みながら一緒に解いていってくださいね!
根底に必要な知識
この問題を解くには、
という知識をもっている必要があります。
※和音は、正確なコードはわからなくても、転回して「根音」が分かる程度まで勉強が進んでいれば、OKです!
「問1」ではありますが、実はその後の「問2」~「問5」よりも、「音楽理論」に対する総合的な理解が問われている問題と言えます。
つまり、しっかり勉強してきた人ほど、やりがいのある問題!!
伴奏問題は、はじめは難しく感じるかと思いますが、やり方が分かると楽しくて、もっと問題を解いてみたい!!となりますよ(*^-^*)
・・・と、ここまで読んで、「私には無理だ・・・」と離脱しないでくださいね( ;∀;)

3つのポイント解説!実際に伴奏問題を解いてみよう♪
それでは、3つのポイントを解説しながら、実際の伴奏問題を解いていきますね!
- 音を正しく読む
- 右手で弾いている音に似ているものを選ぶ
- コード進行についての理解
解き方①音を正しく読む
まずは音を正しく読んで、書きましょう!!!
伴奏問題が苦手だな~って方は、楽譜をずーっと眺めているよりも、階名(ドレミ)を書いていった方が近道!
まずは慎重に音を確認しながら、ドレミを書いていきましょう♪
左手の音に注意!
ここで注意したいのは、左手の音!
とくに、左手の音の読み方を間違えている方が多いです!

今回は、「ヘ音記号」ですね!
ちなみに、「ト音記号」と「ヘ音記号」ですが、書き始めるところが「ト音」または「ヘ音」になっています。
「ト音記号」は、ぐるぐるの真ん中から書き始めるので、この書き始めが「ト音(ソ)」
「ヘ音記号」は、黒丸の部分から書き始めるので、この黒丸のところが「ヘ音(ファ)」です。
「ト音記号」か「ヘ音記号」か、確認したら、音符の横にざ~っと「ドレミ」を書いていきましょう♪

解き方②右手で弾いている音に近いものを選ぶ
左手(伴奏)は、右手で弾いている音に近いものを選んでいきます。 


Aはレがいっぱい
まず、Aは「レレドレ」で「レ」が2つも入っています。
ここは「レ」がしっかり入っている和音を選びたいところですが・・・

残念ながらないですね( ;∀;)
Bはミ・ソ・ラ
Bは、「ミソララ」。
「ミ」と「ソ」と「ラ」が入っているものは「エ(ドミソ・ドファラ)」なので、とりあえず、これを選んでおきましょう。 
Cはラがいっぱい
Cは、「ラ」がいっぱいです。
「ラ」が入っているものと言えば、「ア(ドファラ)」がよさそうですね。
「エ(ドミソ・ドファラ)」も「ラ」が入っていますが、「ドミソ」が余計です。 
Dは?
Dは「ラソミミ」ですね。
「ラ」「ソ」「ミ」が入っているものを探すと
どれも「ラ」か「ソ」か「ミ」が入っているので、選びきれないですね(;’∀’)
選択肢と照らし合わせると
ここで選択肢と照らし合わせてみましょう。
0 A B C D
1 ア イ ウ エ
2 イ ア ウ エ
3 ウ ア イ エ
4 ウ エ ア イ
5 エ イ ウ ア
「Aウ、Bエ、Cア」から、絞っていくと、「4ウエアイ」がよさそうな感じです(*^-^*)
解き方③コード進行についての理解
「②右手の音に近いものを選ぶ」までで解ける問題もありますが、実際は「どちらか迷う」という問題が多いです。
そんな時に、覚えておくと便利なのが「コード進行」です。
ということで、「コード進行」について理解していきましょう。

左手の音ですが、「コード進行」という決まりがあります。これを意識すると、問題が解きやすくなります。
まず、伴奏で使う和音は
です。
では、Ⅰ・Ⅳ・Ⅴの和音とは何か?
これは、調によって変わるのですが、保育士試験で出題の多い「ハ長調」を例に考えてみましょう。
ハ長調はドからスタート
ト音記号の横に♯や♭がない楽譜は「ハ長調」です。
①と④と⑤を使う
伴奏で使うのは、①主和音トニック(ド)、④下属和音サブドミナント(ファ)、⑤属和音ドミナント(ソ)です。

今回は、アラビア数字の「Ⅰ、Ⅳ、Ⅴ」と表現しています。
これは「一般に使用されているから」「テキストの説明と照らし合わせやすくするため」であり、皆さんが学習するときにやりにくければ「1,4,5」でも「①、④、⑤」でも好きに書いて大丈夫です!
ご自身のやりやすい方法を見つけてくださいね☆
全部ⅠトニックでもOK
伴奏をするとき、一番の基本はⅠのトニック 
ぶっちゃけ、Ⅰトニックの「ド」だけを引き続けてもOKです。
ピアノを習い始めのテキストだと、左手の音は全部「ドー、ドー、ドー、ドー」となっていますね。
もう少し慣れてくると、「ド」を根音とする和音「ドミソ」(C)を使ったりします。


Ⅳサブドミナント(ファ)とⅤドミナント(ソ)で変化をつけよう♪
しかしながら、左手が全部「ド」とか「ドミソ」って、「つまんないな・・・(;’∀’)」って思いますよね。
そんなときに使えるのがⅣサブドミナントの「ファ」とⅤドミナントの「ソ」です。
しかしながら、この「ファ」と「ソ」は好きにくみあわせていいわけではなく、ルールがあります。
それは、「Ⅳファ」の後には「Ⅰド」「Ⅴソ」は来れるけれど、「Ⅴソ」の後には「Ⅰド」しか来れない!というもの。

つまり、「Ⅴソ」の後に「Ⅳファ」が来たら、「アウト!」となります。
選択肢を確認♪
では実際の問題で確認してみましょう。 今回の選択肢はこちら!

- ア「ドファラ」は、和音の転回形なので、基本形に直すと「ファラド」。「ファ」が根音なので「Ⅳサブドミナント」です。
- イ「ドミソ」は、「Ⅰトニック」ですね。
- ウ「シファソ」は転回形。基本形は「ソシレファ」。根音は「ソ」なので「Ⅴドミナント」です。
- エ「ドミソ」は「Ⅰトニック」、「ドファラ」は「Ⅳサブドミナント」ですね。
この辺の「転回形を基本形に戻す」の部分は、コツをつかめば早くできるようになるので、不安な方は「和音の転回」や「セブンスコード」の記事を見て復習しておきましょう♪


伴奏にⅠⅣⅤを当てはめてみよう
いよいよ、伴奏にⅠⅣⅤを当てはめていきます♪ ここが一番楽しいです☆
最初はⅠトニック
楽譜の最初は「Ⅰトニック」でスタートします。
弾き始めが、いきなり「Ⅳサブドミナント」とか「Ⅴドミナント」とかだとびっくりしちゃいますからね(;’∀’)
「Ⅰトニック」からスタートしてあげましょう。

今回は、「ハ長調」なので「Ⅰトニック」は、「ドミソ」です。
Aはレがいっぱい
Aは、「レ」がいっぱいですね。


「レ」が入っている「Ⅴ(ソシレファ)」がよさそうです。
Bはミ・ソ・ラ
Bは、「ミソララ」。
「ラが入ってる!」と「ア(ドファラ)」を選ぶと「Ⅴ→Ⅳ」になってしまうので×です。
「Ⅴ」の後は、「Ⅰ」しか来ないので、「Ⅰ(ドミソ)」にいきます。
しかし、楽譜の後半は「ラ」なので「ラ」も弾きたいですよね!
と考えていくと「Ⅰ(ドミソ)・Ⅳ(ドファラ)」がちょうど良さそうです。 
CとDは繰り返す
さて、下の段を見てみましょう。
下の段は、右手が「ララララドラソ・ラソミミ」の繰り返しになっているので、伴奏も「C→D→C→D」の繰り返しと考えられます。

Cはラがいっぱい
Cは、「ラ」がいっぱいです。
「ラ」が入っているものと言えば、「Ⅳ(ドファラ)」がよさそうですね。 
Dは?
Dは「ラソミミ」ですね。
「ラ」「ソ」「ミ」が入っているものを探すと

どれも「ラ」か「ソ」か「ミ」が入っているので、先ほどは選びきれなかったですよね。
ここで注目したいのが「コード進行」!
「C」が「Ⅳ」なので「C→D→C→D」は、「Ⅳ→□→Ⅳ→□」となります。
□に「Ⅴ(レファソ)」を入れると「Ⅳ→Ⅴ→Ⅳ→Ⅴ」となり、「Ⅴ→Ⅳ」が出現。
これは×ですよね!
□に「Ⅰ(ドミソ)」を入れると「Ⅳ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅰ」となり、すっきりしますね。 
選択肢と照らし合わせると
ここで選択肢と照らし合わせてみましょう。
0 A B C D
1 ア イ ウ エ
2 イ ア ウ エ
3 ウ ア イ エ
4 ウ エ ア イ
5 エ イ ウ ア
「Aウ、Bエ、Cア、Cイ」なので、「4ウエアイ」となります(*^-^*)
伴奏問題を練習するには?
伴奏問題を解くのは、やり方が分かると、楽しい作業です♪ し
かしながら、調、和音の構成、コード進行・・・と考えることが多く、一人で最後まで問題を解ききるのは、慣れるまではとても大変な作業です。

そこでおススメなのは、手元の楽譜のコード進行を確認すること!
例えば保育士試験の課題曲の「ハッピーバースデートゥーユー」。
(楽譜は保養協のHPからダウンロードできます)
「F→C7→F→B♭→F→C7→F」とコードが書いてありますね。
調は、ト音記号の後に♭1つなので、「ファ」からスタートする「ヘ長調」

調の見つけ方は⇓で解説しています!

「ファ→ソ→ラ→シ♭→ド」なので、Ⅰは「ファ(F)」、Ⅳは「シ♭(B♭)」、Ⅴは「ド(C)」とわかります。
「F→C7→F→B♭→F→C7→F」は「Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ」となり、コード進行のルールに沿っていることが分かりますね。
このように、手元の楽譜で練習していくと、だんだんとコツがつかめてきます(*^-^*)
+α 過去問解説☆
今回は、+αで過去問解説をしていきます(*^-^*)
解説を見る前に、まずは上の過去問をダウンロードして解いてみてくださいね!


コメント
先週の保育士試験筆記に合格しました!
私も独学で1ヶ月の勉強だったのですが、特に音楽はテキストを読んでも意味が分からず半ば諦めていた時にこのサイトに出会いました。
はじめはファとシが半音ってことも知らなかったので驚きの連続で、1ヶ月で世界観が変わり、諦めずにこのサイトで勉強して本当によかったです。
これからはギターを買って、実技の勉強を頑張ります!
メロさん、コメントありがとうございます(*^_^*)
合格おめでとうございます\(^o^)/
お役にたててうれしいです♡
ギターかっこいいですね!2次も頑張ってください☆
はじめまして。4月に初の試験を控えている者です。伴奏が苦手です。
3泊目で見る、というのは、3泊目を一番優先して選択肢を考えるということでしょうか?
裏ワザ的なものがあれば、また教えてください(>_<)
ミニーさん、コメントありがとうございます☆
4拍子の場合、1番重要なのは1拍目ですが、次に重要なのは「2拍目よりも3拍目」なんです。なので、1拍目を見てもよくわからない場合、「1拍目+2拍目」ではなく、「1拍目+3拍目」で見たほうがいいですよ、という意味です。
私も伴奏苦手なので、これ以上は・・・すみません。
コード(CとかDとか)には連続してはいけない組み合わせというのもあるらしいですが、そこまで考えなくても解ける問題の方が多いので、割愛していますm(__)m
うぱみさん、こんばんは。
ピアノの知識か全くなく絶望的です。
平成28年後期の問1ですが、回答の解説を見てもいまいち分かりません。
うぱみが書いて頂いたように解いていたのですが、回答には伴奏和音の音と隣あう音が含まれるメロディーは不協和音となるため…と書いてあります。
どのようなことをポイントに解いたら良いでしょうか?
あゆままさん、コメントありがとうございます♪
私も、不協和音とかはちょっとよくわからないです(+_+)
不協和音まで考えなくても解ける問題の時の方が多いので、それに掛けるしか・・・
解答になって無くてごめんなさい!
うぱみさん、どうもありがとうございます。
それに掛けます!!!
はじめまして。
音楽は全くわからず、苦戦しています。
上記の解き方で、ウにもエにもソとミが入っていますが、どう見分けるのですか?
いなばさん、コメントありがとうございます!
迷うところではありますね。Aの場合、選択肢はアイウのどれかなので、はじめからエは除外して考えます。
あとは、絶対これだと思う→○、これかもしれない→△、絶対これは違う→×をつけていって、最後に選択肢を見て決めるとか。
時間はあると思うので、焦らず「左手はヘ音記号」というのをしっかり頭に入れて解いていただければいいかと思います。
頑張ってください~☆