R6前期筆記試験まで、あと32日☆

赤ちゃんの社会性の発達と、乳幼児期の遊びの関係

この記事は約7分で読めます。

乳幼児期の発達については、「保育の心理学」で毎年2~7問出題されています。ぜひとも押さえておきたいところです。

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大きく分けて、「社会性の発達」と「言葉の発達」に分けられます。
(あとは、ちょこっと「原始反射」についても出題されていますが、出題数は多くありません)

赤ちゃん期は、社会性や言葉の発達がめまぐるしい時期です。

今回は、「社会性の発達」について、解説します。
言葉の発達については、「個人差の大きい乳幼児の言葉の発達」をご覧ください。

よく出題されるポイントをまとめましたので、試験勉強にご活用ください。

乳児期の社会性の発達

ボウルビィのアタッチメントについてや、情動伝染、共同注意といった言葉がよく出題されています。

この分野についてよく勉強されている方は、いきなりクイズを解いてみましょう!自身のない方は、スクロールして、解説を見てから、クイズを解いてみてくださいね。
判らない問題は、スクロールして解説をチラ見してもOKです☆

早速○×クイズで、よく出るポイントを確認してみましょう♪

うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)

解説・用語説明

重要語句の解説です。

クイズをするときに解説を見たくない方は、これより下へのスクロールは気を付けてくださいね。

ママとの信頼関係が、その後の心の安定につながる

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アタッチメント(愛着)
・・乳幼児と、応答的に関わる特定の人(母親や保育社など)との間に形成される。
社会的参照
・・1歳前後の乳幼児が、親しい人の表情や声から、自分の行動を決めること。
安全基地 
・・母親や養育者など、子どもが活動中や探索行動を行うときの心のよりどころ。 

内的ワーキングモデル
・・幼児期になると安全基地としての養育者が目の前にいなくても、養育者のイメージを想起することによって安心感を得ることができるようになる。このように、子どものの中に形成された愛着対象を「内的ワーキングモデル」という。

基本的信頼感・・自分が他者から愛され、大切にされているという感覚。乳幼児期に、他者との関わりの中で、自分を受け止めてくれる経験の積み重ねから形成される。

赤ちゃんの社会性は、出生時から発達が始まっている?

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情動伝染
・・生後数日の乳児には、他の赤ちゃんの泣き声を聞いて、泣き出す「情動伝染」が見られる。
共鳴動作
・・大人の表情を見つめ、その動きを真似すること。新生児期から見られる。

生まれたばかりの新生児が、病院の新生児室で泣きの大合唱を繰り広げているのは、すでに社会性が発達してきているからなのですね。

それを知っていると、「泣いて困る」ではなく、「泣いて偉いね」と余裕が出るかもしれません。

人見知り
・・生後6か月から1歳3か月ごろは人見知りが激しくなるが、一方で養育者など見慣れた大人とは積極的に関わろうとする姿が見られる。人見知りは、乳幼児が、親しい人とそうでない人を見分けられるようになったということであり、乳幼児の社会性の成長のあらわれである。
分離不安
・・「分離不安」とは、親が自分から離れると、パニックを起こしてしまう現象で、生後8か月ごろから始まり、10~18か月ごろ最も強くなる。親との関係が親密なほど、早く始まる。
親が傍にいない時でも親の存在をイメージできるようになると治まってくる。子どもの気をおもちゃでそらして親とは別の部屋で遊ばせるなど、親が目の前にいなくてもきちんと存在していることを体験させていくことが大切。

自閉症の子は、人見知りをしなかったり、親がそばを離れても、反応がなかったりということがあるようです。
だからといって、「人見知りをしない=発達障害」ではないですが、他に、目線が合わなかったり、特定の行動をしつこいまでに繰り返すようであれば、注意が必要かもしれません。

癒される♡赤ちゃんの笑顔の秘密

「天使のほほえみ」のその秘密・・・

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生理的微笑
・・新生児は、人の存在に関係なく、入眠時など生理的に快状態の時に微笑むことがあり、これを「生理的微笑」という。
社会的微笑
・・3か月ごろの乳児は、人の存在を意識し、あやすと微笑み返すことがあり、これを「社会的微笑(3か月微笑)」という。

選択的微笑
・・社会的微笑の後、母親など特定の人にだけ微笑みかける「選択的微笑」をするようになる。

選択的微笑をするようになってきたら、特定の人を見分けられるようになったということですね❀

幼児期の社会性の発達

共感性、向社会的行動、役割取得、心の理論といった言葉がよく出題されています。似ている言葉なので、違いをよく押さえておきましょう。

また、遊びの発達についても問われることがあります。

「社会性の発達」についての問題も解いてみましょう♪

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解説はこの下です。
解説を見ないでクイズを解きたい方は、スクロールに気を付けてくださいね❀

解説・用語説明

社会性の発達は、のんびり、ゆっくり

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共感性・・・相手の気持ちに寄り添うことができること

心の理論・・・他者の内面には自分とは違う考えがあるということが分かるようになることで、4歳ごろに獲得される。
自閉症の子どもは、「心の理論」の獲得が困難である。(ドナ・ウィリアムズ「自閉症だった私へ」という本には、心の理論を獲得できないことで、自閉症の子がどんな苦労をしているのか、リアルに書かれています。図書館にもあるのでぜひ読んでみてください。)

役割取得
・・・相手の立場におかれた自分を想像し、相手の立場や気持ちなどを理解すること。3歳までは獲得が難しく、4歳ごろではしばしば相手の立場と自分の立場を混同してしまう。

向社会的行動
・・・他者を思いやり、役に立つような行動をとることに、喜びを感じる。5歳ごろから見られるようになる。

帰属意識
・・・自分がある集団に属していて、その集団の一員であることを自覚すること

共感性」「心の理論」「役割取得」が混同されやすいのですが、

共感性」は「うれしいね」「痛いね」とお友達や大人の気持ちに寄り添っていることで、割と小さいうちから見られます。
1・2歳の子を持つお母さんで、咳をしたときに、お子さんが「コンコン大丈夫?」と声をかけてくれて、感動した~という話、よく聞きますよ。

心の理論」は、自分の考えていることとお友達の考えていることが違うことに気づくことで、それにより言葉でイメージを伝える必要性を感じるようになっていきます。

役割取得」はおままごとなどのごっこ遊びをするときや劇をするときに必要で、お母さん役はどんなふうにふるまったらいいか、赤ちゃん役はどんなしゃべり方をするのか、といったことを自分で考え、役になりきった行動をとることができるようになります。

この辺がごちゃごちゃになって出題されるので、それぞれの言葉をしっかり理解し、自分でも説明できるようにしておきましょう♪

入学

環境移行・・・保育所や幼稚園に通い始めたり、小学校に入学したりなどの人生のイベントや、転居、災害や事故など予想外のできごとによって生じる、その人を取り巻く変化。変化の幅が大きいほどその人の経験する不安や混乱も大きくなる。

・・・引越しの不安から、小児期崩壊性障害(自閉症のような症状)を発症したという例もあるのだそうです。

乳幼児期の遊びには、社会性の発達が反映されている

ピアジェは、「遊びはその時点での発達の水準を反映している」と考えました。
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パーテンの遊びの分類

一人遊び
・・・他の子と一緒に遊ぼうとはせず、ひとりで遊んでいる。
傍観遊び
・・・友達が遊んでいる様子を見ている。

平行遊び
・・・他の子どもの傍で同じ遊びをしているが、各々が一人で遊んでいる。

連合遊び
・・・友達と一緒に遊んでいるが、共通の目的や役割分担は見られない。

協同遊び
・・・共通の目的を持って、友達と協力したり、役割分担をしたりして遊んでいる。

「連合遊び」から「協同遊び」へ移行するためには、「心の理論」を獲得し、各々が持つイメージを共有しようと話をすることや、「役割取得」能力が発達し、自分の役を演じたりできるようになることが必要です。

ちょこっとまとめ

生まれたばかりで、まだ何も分からないように見える赤ちゃんでも、実はすでに社会とのつながりを作ろうとしているんですね❀

赤ちゃんの笑顔は、空気を和ませてくれますが、それ以上に、身近な人に大事にしてもらい、絆を作るという大事な役割を持っています。

赤ちゃんの泣きは、ママをいらいらさせてしまうこともあるのですが、赤ちゃんにとっては、大事なコミュニケーションツールです。

赤ちゃんは心も身体も、生まれつき成長する力を持っていますが、ママや家族、保育士など、「応答的に関わってくれる特定の人」の存在が必要です。

子どもの社会性の発達は、ある程度順番や発達の時期が決まっていますが、どの子も同じではありません。
個人差も大きいので、見守り、関わり、理解し、必要な時には助け、そして見守っていきたいですね。

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コメント

  1. ゆき より:

    こんにちは!いつもお世話になっておりますm(__)m

    テストに出るかわからないのですが、気になった事があったのでご教示頂きたく、質問させて下さい!

    内的ワーキングモデルはエインスワースとネットで言ってる人が居たのですが、私はボールビィだと認識しておりました。

    どちらが正しいのか、ご存知であれば、教えて下さい(;>_<;)

    • うぱみ より:

      ゆきさん、コメントありがとうございます(*^▽^*)

      私もボウルビィだと思います。

      過去の問題で、エインズワースかボウルビィかを問うような問題があったので、混ざってしまったのかもしれませんね(>▲<)

  2. ゆき より:

    うぱみさま

    こんにちは。早速のご返信、本当にありがとうございます涙
    ボウルビィですよね!!ありがとうございました!!

    もう一つ、すみません・・・。
    『日本のフレーベル』は、倉橋さんですか?佐藤(信)さんですか?

    恐らくもし試験にでても、他にもヒントはあるのでわかると思うのですが、気になってしまい、自身で調べてもよくわからなかったのでご教示ください

    • うぱみ より:

      どちらも、「日本のフレーベル」と呼ばれていますね(●^▽^●)

      なので、ご指摘のように他のキーワードで判断していくのがいいかと。

      倉橋惣三
      →日本の恩物教育を批判、誘導保育、さながら保育、「生活を、生活で、生活へ」など

      佐藤信淵
      →垂統秘録、病養館、慈育館、遊児館など

      佐藤信淵の方が漢字でごちゃごちゃしている感じ?
      保育原理で問われたら、倉橋惣三の可能性が高いと思います。

  3. ゆき より:

    うぱみさま

    こんにちは!
    丁寧な解説、どうもありがとうございました!ご返信、遅くなって申し訳ございませんでした。

    いよいよ明日、勉強したすべてが出せるように頑張ります(*^-^*)

  4. 五十の手習い より:

    うぱみさん、こんばんは。
    またまた勉強していて疑問が湧いてきてしまいました。お忙しいところ恐縮ですが、教えて下さい‼

    この単元(回)で、「心の理論」は4歳、向社会的行動は5歳と、がっつり覚えたのですが、今「保育指針第2章2発達課程並べかえのポイント」(2016/4/16)のミニテストをしてたところ、あちらでは「心の理論」は5歳、「向社会的行動」は6歳みたいなのですが、どう解釈、覚えるのが正解ですか?
    もちろん「おおむね」なので現実的には誤差があるのは承知なのですが、テストの答えとして選択肢から選ぶ場合には?

    • うぱみ より:

      五十の手習いさん、コメントありがとうございます♪

      保育所保育指針第2章についての問題は、保育所保育指針第2章に直接「心の理論」「向社会的行動」といった言葉が書いてあるわけではなく、「おおむね○歳」の文章に私が加筆したものなので、解説が悪かったですね(・。・;

      「心の理論だから」「向社会的行動だから」で選ぶのではなく、文章と年齢を結び付けて覚えたほうがいいかもしれませんが、この章丸々現行の新・保育所保育指針では削除されているので、あまり重要視しなくてもよさそうです。

      テキスト見ても、心の理論や向社会的行動の年齢はあいまいですね。一番いいのは、過去問を見てみることだと思います。
      H29前期問16 【事例】4歳児クラス→向社会的行動
      H28後期問5 心の理論→4歳以降に獲得される。(「5歳以降」は×)

      • 五十の手習い より:

        ありがとうございました❗
        スッキリいたしました。
        こうして質問できる先生がいて、助かります。
        あと少しがんばりますね✨

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