
保育士試験・子どもの食と栄養で出題される「糖の代謝」。
似ている言葉が多く出てきて、苦手な人も多いですが、◎語呂合わせ◎でらくらく覚えちゃいましょう♪
糖の種類と、単糖類の構成
糖の種類によって消化酵素が違うのでややこしいですが、コツをつかめば怖くないです!
というのをまずは頭に入れておきましょう。
| 単糖類 | ブドウ糖(グルコース) | |
| 果糖(フルクトース) | ||
| ガラクトース | ||
| 二糖類 | 麦芽糖(マルトース) | ブドウ糖+ブドウ糖 |
| ショ糖(スクロース) | ブドウ糖+果糖 | |
| 乳糖(ラクトース) | ブドウ糖+ガラクトース | |
| 多糖類 | でんぷん(植物) | ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖・・・・・・・ |
| デキストリン(でんぷんを加水分解) | ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖・・・・・・・ | |
| グリコーゲン(動物) | ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖・・・・・・・ |
小腸での消化
二糖類(マルトース、スクロース、ラクトース)は、小腸で分解され、単糖類になります。小腸にて、小腸粘膜上皮細胞に取り込まれ、肝臓へ運ばれます。
- 麦芽糖(マルトース)→マルターゼ→ブドウ糖+ブドウ糖
- ショ糖(スクロース)→スクラーゼ→ブドウ糖+果糖
- 乳糖(ラクトース)→ラクターゼ→ブドウ糖+ガラクトース
この時の消化酵素は「マルターゼ」「スクラーゼ」「ラクターゼ」です。
二糖類の麦芽糖は、マルターゼによって消化される。 →〇 (R1後期)
消化により生成したブドウ糖(グルコース)、果糖、ガラクトースなどは、腸粘膜上の絨毛中の毛細血管に吸収される。 (H26再 子どもの食と栄養)
正答:○
ミニテスト
でんぷんの消化
でんぷんを摂取した場合、小腸にたどり着く前に二糖類である「麦芽糖(マルトース)」に分解しておかなくてはなりません。

口の中では唾液アミラーゼが、十二指腸では膵(すい)アミラーゼが働いています。
口腔内(唾液アミラーゼ)
でんぷん(アミロース・アミロペクチン)は、デキストリンや麦芽糖(マルトース)に分解されます。
※「麦芽糖やイソマルトース」と表現されることもあります。「イソマルトース」は「マルトース(麦芽糖)」とほとんど同じです。アミロペクチンを分解した際に、少量発生するらしいです。
胃
胃は主にたんぱく質の消化を行っています。
胃酸に触れる前(まだ胃の上部に食べ物がある時)は、口腔内で食べ物と混ざった唾液アミラーゼが消化をしています。
※胃でアミラーゼが分泌されているわけではない。
十二指腸(膵アミラーゼ)
「十二指腸」は、胃と腸をつないでいるくにゃっとしているところです(厳密にいえばここも小腸の一部)。膵臓とくっついていて、膵臓から出る消化酵素を混ぜて、小腸へ送っています。
膵アミラーゼの働きは唾液アミラーゼと似ているので、胃酸で中断した消化の続きをやっていると考えればいいと思います。
小腸
麦芽糖(マルトース)は、マルターゼによって、ブドウ糖(グルコース)に分解されます。
小腸で吸収されたブドウ糖は、血液の流れに乗って、体中のあちこちへ運ばれ、細胞でエネルギーとして使われます。肝臓や筋肉では「グリコーゲン」の形で貯蔵されます。
覚え方
◎語呂合わせ◎
口中に(くちじゅうに)アミる、でんぷんでできる丸と丸太はぐーるぐる
何のこっちゃ?!と思いますね。
とりあえずこれからは、「アミラーゼで分解される」ことを「アミる」と言うことにしましょう(`・ω・´)
口(唾液)と十二指腸(膵)でアミられたでんぷんは、デキストリンやマルトースは、小腸でマルターゼによってグルコースになるよ。って意味です。
過去問
唾液には、でんぷんを加水分解するペプシンが含まれている。 (H26再 子どもの食と栄養)
正答:×
ペプシンではなく、アミラーゼ。
唾液中に含まれる唾液アミラーゼは、( でんぷん )を( デキストリン )や( 麦芽糖 )などに分解する酵素である。出生直後は唾液の分泌も少なく、酵素活性も低い。また膵液中の膵アミラーゼの活性も、出生時は低いが、その後次第に上昇するので、( でんぷん )を与えるのは離乳開始頃からが適切である。 (H26本試験 子どもの食と栄養)
消化性多糖類は、胃液及び膵液中のプロテアーゼにより消化されて、少糖類になる。 (H28前 子どもの食と栄養)
正答:×
プロテアーゼではなく、アミラーゼです。
※「二糖類」も、広い定義では「少糖類」に含まれます。
ミニテスト
糖の代謝
糖をエネルギーとして利用する際には、「ビタミンB1」が使われます。
ジュースの飲みすぎ、お菓子の食べすぎで、糖類を多量に摂取すると、ビタミンB1が不足し、疲れやすくなります。
( ビタミンB1 )は、糖質のエネルギー代謝に必要な( 水溶性 )ビタミンである。子どもの食生活において、日常的に、穀類、菓子類や清涼飲料水等を多量に摂取していると、( ビタミンB1 )の消費が高まるので、糖質の過剰摂取にならないよう注意が必要である。( ビタミンB1 )の不足が進むと、倦怠感、しびれ、食欲減退等が現れる。欠乏症は( 脚気 )である。 (H27本 子どもの食と栄養)



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