保育園・幼稚園で求められるキャリア教育とは?(中教審答申)

「キャリア教育」とは、なかなか聞き慣れない言葉です(文科省は「すでに定着した用語」と思っているらしい)が、「キャリア教育」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。

子ども忍者

  • エリート育成のための教育?
  • いい会社に入るための教育?
  • 国際化社会に対応した人材育成のための教育?

そういうイメージを持っている方にとっては、「それって、保育士試験と関係あるの(@_@)?」って感じかと思います。

「キャリア=官僚」のイメージで行くと、迷路にはまってしまいますよ!

■スポンサーリンク■

キャリア教育とは?(中教審答申)

「キャリア教育」について出された中央教育審議会答申(平成23年1月31日)によると、「キャリア教育」とは、

一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育

です。で、次に気になるのは、「キャリア」って何ぞや?!ってとこですよね。

そもそもここでいう「キャリア」とは、

人が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見出していく連なりや積み重ね

を言います。

キャリア教育の背景

というのも、日本の進学率はとても高い。

  • 高校進学率約98%
  • 大学(短大含む)進学率約51%

でもその先は?

15~24歳の若者の

  • 完全失業率約9.1%
  • 非正規雇用率約32%

「将来就きたい仕事があって、そのために進学する」という意識を持って進学しているが少ないという現状。

確かに!自分の学生時代を思い出すとわかる気がします。偏差値で行ける高校。偏差値で行ける大学。資格取ったけど、本当はやっぱり別の仕事がしたくて、卒業後に仕事しながら資格とるとか・・。

進学したはいいけど、勉強したことが仕事に結びつかないとか、働くことへの不安を抱えたまま仕事に就き、適応できなくてすぐ転職してしまうとか。高校で普通科に進学した人に特にその傾向が強い。

で、文科省は「学校教育における職業に関する教育に課題があるからだ!」となったわけです。(・・・でも、非正規雇用がこれだけ多いのは、若者の職業観が希薄なせいだけではないというか、社会全体の問題のような気がしますが・・・)

キャリア教育は幼児期から

中教審答申では、

幼児期の教育から高等教育まで体系的にキャリア教育を進めること。

としています。「幼児期の教育から」というのがポイントです。「初等教育から」ではないんです。

※幼児期の教育を行うのは、幼稚園・保育園・家庭です。

※ちなみにここで出てくる「高等教育」は、「高校での教育」ではなくて、大学(短大含む)や専門学校での教育のことですよ❀

ところで、「幼児期の教育」で、「キャリア教育」って何をやるんでしょう?
「ケーキ屋さんになりたい!」「スポーツ選手になりたい!」って夢を持たせることでしょうか?

各学校段階におけるキャリア教育の推進のポイント

  • 幼児期
    • 自発的・主体的な活動を促す
  • 小学校
    • 社会性、自主性・自律性、関心・意欲を養う
  • 中学校
    • 自らの役割や将来の生き方・働き方を考えさせ、目標を立てて計画的に取り組む態度を育成し、進路の選択・決定に導く

     

  • 後期中等教育(高等学校)
    • 生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度を育成し、これを通じて勤労観・職業観等の価値観を自ら形成・確立する
  • 高等教育
    • 後期中等教育終了までを基礎に、学校から社会・職業への移行を見据え、教育課程に内外での学習や活動を通じ、高等教育全般で充実する。

見ていただくと分かるように、「特定の職業に就くための知識・技能を身につけさせる」のではなく、社会の中で自分が役に立つ経験をさせたり、生き方を考えさせたり、そういう経験を段階的に積み重ねて、将来の仕事への意欲を高めていこう!という教育です。

なので、幼児期の活動としては、ざっくり言うと

  • 友達と一緒に遊ぶ中で自分の役割を理解する
  • 進んでお手伝いをする
  • 自分で考えてやってみる

など、日常いろいろな場面で行われている活動が、「キャリア教育」になります。

中教審答申には、以下のように書かれています。

  • 幼児期は、生活の中で自分の興味や欲求に基づいた直接的・間接的な体験を通して、人格形成の基礎となる豊かな心情、物事に自分からかかわろうとする意欲や健全な生活を営むために必要な態度等が培われる時期である。
  • これを踏まえ、幼児期の教育においては、計画的に環境を構成し、遊びを中心とした生活を通して体験を重ねるように、一人一人に応じた総合的な指導を通して、自発的・自主的な活動を促すことが必要である。
  • 例えば、高齢者や働く人等、自分の生活に関係の深い地域の人々とのふれあいや交流を通じて、人とかかわることの楽しさ人の役に立つ喜びを味わうことができるようにすることが重要である。幼児の主体的な活動は、他の幼児とのかかわりの中で深まり、豊かになるものであることから、一人一人を生かした集団を形成しながら、人とかかわる力を育てていくことが大切である。特に、集団の生活の中で、幼児が自己を発揮し、教師や他の幼児に求められる体験をし、自信を持って行動できるようにすることが重要である。

(ちょうど5歳ごろになると「向社会的行動」や「役割取得」が見られるようになりますね)

ちなみに、「一定または特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育」は、「職業教育」と呼ばれ、「キャリア教育」とは区別されていますよ❀

キャリア教育のキーワード&ポイント

な~んとなく、概要がつかめとところで、中教審答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(平成23年1月31日)より、大事なところを抜粋します。一部穴埋めにしましたので、ご活用ください(●^▽^●)♡

第1章キャリア教育・職業教育の課題と基本的方向性

「キャリア教育」とは、「一人一人の( A )的・( B )的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」である。

キャリア教育は、特定の活動や指導法に限定されるものではなく、( C )を通して実践されるものであり、一人一人の発達や社会人・職業人としての自立を促す視点から、学校教育を構成するための理念と方向性を示すものである。

A社会 B職業 C様々な教育活動

キャリア教育と職業教育の基本的方向性

①( A )の教育から高等教育まで( B )的にキャリア教育を進めること。

 その中心として、基礎的・( C )的能力を確実に育成するとともに、社会・職業との関連を重視し、( D )的・体験的な活動を充実すること。

A幼児期 B体系 C汎用(はんよう) D実践

キャリア教育は、キャリアが子ども・若者の発達の段階やその( A )と深くかかわりながら段階を追って( B )していくことを踏まえ、幼児期の教育から高等教育に至るまで( C )的に進めることが必要である。

A発達課題の達成 B発達 C体系

基礎的・汎用的能力の具体的内容

  • 人間関係形成・社会形成能力
  • 自己理解・自己管理能力
  • 課題対応能力
  • キャリアプランニング能力
②学校における職業教育は、基礎的な知識・技能やそれらを活用する能力、仕事に向かう( A )等を育成し、専門分野と隣接する分野や関連する分野に応用・( B )可能な広がりを持つものであること。職業教育においては、( C )をより重視すること、また、職業教育の意義を再評価する必要があること。

A意欲や態度 B発展 C実践性

③学校は、( A )にわたり社会人・職業人としての( B )形成を支援していく機能の充実を図ること。

A生涯 Bキャリア

過去問

平成27年度 教育原理問7

 次の文は、中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(平成23 年1月)に示された、キャリア教育と職業教育の3つの基本的方向性である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを選びなさい。

① 幼児期の教育から高等教育まで体系的にキャリア教育を進めること。その中心として、基礎的・( A )能力を確実に育成するとともに、社会・職業との関連を重視し、実践的・体験的な活動を充実すること。

② 学校における職業教育は、基礎的な知識・技能やそれらを活用する能力、仕事に向かう意欲や( B )等を育成し、専門分野と隣接する分野や関連する分野に応用・発展可能な広がりを持つものであること。職業教育においては実践性をより重視すること、また、職業教育の意義を再評価する必要があること。

③ 学校は、生涯にわたり社会人・職業人としての( C )を支援していく機能の充実を図ること。

(選択肢省略)
正答:A汎用的  B態度  Cキャリア形成

平成25年度本試験 教育原理問9

 次の文は、中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(平成23年1月31日)の一部である。( )にあてはまる語句として正しいものを一つ選びなさい。

キャリア教育は、キャリアが子ども・若者の発達の段階やその発達課題の達成と深くかかわりながら段階を追って発達していくことを踏まえ、(   )から高等教育に至るまで体系的に進めることが必要である。その中心として、後述する「基礎的・汎用的能力」を、子どもたちに確実に育成していくことが求められる。また、社会・職業との関連を重視し、実践的・体験的な活動を充実していくことが必要である。

(選択肢省略)
正答:幼児期の教育

ミニテスト

キャリア教育についての穴埋めミニテストです♪

うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)

コメント

  1. あじさい より:

    とても解りやすかったです。
    試験前にこちらに辿り着いていれば、、と後悔しております。
    秋に向けて一から勉強し直したいと思います。

    • うぱみ より:

      あじさいさん、コメントありがとうございます。

      「分かりやすい」と言っていただけて嬉しいです(*^▽^*)

      秋に向けて当サイトでも、試験に役立つ情報を充実させていきたいと考えていますので、試験勉強の合間にまたご利用ください♡