保育士試験2次試験(実技)「造形」で、実は重要なのが「人物の輪郭の色鉛筆選び」です。
というのも、輪郭に何を使うかによって、人物の顔色が良くも悪くもなるのです!
今回は、実際にケント紙に鉛筆や色鉛筆を使って、絵を描いてみました。「色や色鉛筆のメーカーによって、絵の雰囲気が大きく変わること」を実感し、輪郭の素材選びの参考にしていただければと思います。
せっかく頑張って絵を描くのですから、輪郭にもこだわって、「元気!」「楽しい!」が伝わる絵にしちゃいましょう♪
保育士試験「造形」での色鉛筆選びのポイント
メイン(手前の人物)の輪郭、みなさんは何色を使っていますか?
- 色鉛筆の黒
- 色鉛筆の茶色
- 色塗りに使った色
- 鉛筆!
黒や茶色で一気に輪郭を描いてしまうパターンと、顔や服などそれぞれ色塗りに使った色を使って濃く描くパターン、下書きついでに鉛筆でぐりぐり描くパターンなどあります。
輪郭の色鉛筆の印象で、全体の絵の印象が大きく変わるので、ここは思案のしどころです・・・が、めんどくさい!・・・ということで、いくつか描いてみましたので、参考なれば幸いです。
ちなみに、私の輪郭の色鉛筆選びのポイントは
- 描きやすさ
- 肌色、髪色との相性
- 背景との相性
- 時短
です。
肌色や髪色との相性はもちろんですが、背景に負けない!というのも大事だと思います。
そしてとにかく、試験時間45分って短い!1分1秒が惜しいので、描きやすさや時短は要チェックです。
「下書き」ついでに鉛筆で描く
鉛筆なので、描きやすいし、間違えても消しやすいです。色鉛筆に持ち帰る手間もないので、かなり時短になります。
色を付けると
こんな感じ。三菱Uni2Bは、ステッドラーの黒に近い感じですが、主張しすぎず、髪の色や肌の色、服の色なんかともなじみがいいです。
でも、色鉛筆画なのに、堂々と鉛筆で輪郭を描いてるってどうなんだろう?
鉛筆も使っていいことになっているので、完全に×ではないんだろうけど、微妙なところです。
色塗りに使った色で描く
塗るのに使った(使う)色と同じ色、もしくは少し濃い色で輪郭を描く方法です。
私も、絵の練習を始めたころはこの方法でやっていました。
「顔の輪郭」は肌色だとほとんど見えなくなってしまうので、トンボ・三菱はオレンジで、ステッドラーは黄土色で描いています。
色なじみはいいのですが、背景を描くと、オレンジや黄土色でも顔の輪郭が弱くて、絵全体を見たときに人物がぼや~っとしてしまいます。
しかも、時間がかかります。輪郭を描くタイミングは、
- 塗る前に描く
- 塗りながら描く
- 先に塗って後から描く
どれでやるにしろ、下書きの段階で、ある程度人物の位置や動きを決めておかなくてはなりません。
一番効率的なのは、塗ったついでに輪郭を描くという方法になるのでしょうか?
不器用な私は、描くときは描く!、塗るときは塗る!と頭を切り替えてやりたい派なので、塗りながら描くというのは、ちょっとこんがらがるかな?
とりあえず、この方法でやるなら、顔の輪郭は肌色以外で。色々試して、背景に負けない色を選んでください。
色鉛筆の「茶色」「黒色」で描く
鉛筆でだいたい見当を付けた後に、茶色か黒の色鉛筆でぐりぐり輪郭だけ描いて、塗り絵のように塗っていく方法です。
「黒」か「茶色」か
・・・難しいところです。
黒
- 人物がはっきりする
- 肌色を塗った時に、輪郭がこすれて顔色が悪くなる
茶色
- 明るいが、ぼやけた印象に
- 肌色が綺麗に見える
欲を言えば、いいとこどりで、「焦げ茶」がいいなぁと思うのですが、普通の12本入り色鉛筆にはなかなか入ってないんですよね。ばらのやつを買えばいいか・・・
ご自宅に運よく焦げ茶の色鉛筆がある方は試してみてくださいね❀
色鉛筆の種類(メーカー)による違い
色鉛筆なんて、どれも同じでしょ?って思って、1種類しか買わないのはもったいない!
種類によって描き味が全然違うし、同じ種類でも色によって雰囲気が全然違ったりします。
色鉛筆の種類によってもだいぶ印象が変わるんですよ~
三菱 黒or茶色
三菱は、なめらかですがてかります。
茶色は、トンボの茶色に比べると若干落ち着いた感じです。あまり変わりませんが・・・
余談ですが、肌色(うすだいだい)は特にてかります。
お肌とか、てっかてかです☆そして薄い。肌色は、背景に負けちゃいそうですね。
ちなみに・・・
赤や黄色の発色は綺麗です。(赤は写真のより、実際のほうが濃くて、はっきりしています。)
オレンジやピンクは蛍光色に近いです。
青は濃くてびっくりします。
三菱の色鉛筆は、どっちかというと、背景向きですね。
▶三菱 色鉛筆12色
定価は900円ぐらいですが、アマゾンでは600円ぐらいで購入できるようです。
トンボ 黒or茶色
なめらかで描きやすく、発色もきれいです。
肌色もしっかり削って持っていけば、色がはっきり出ます。
でも肌色を塗るとき気を付けないと、輪郭の黒を引きずってしまって、お髭のような跡が・・・
茶色の方が、引きずっても目立たないし、肌色も若干きれいに出ます。
でも、人物の輪郭を全部茶色で描くと、絵が明るくなりすぎて、しまりのない感じがします。
この辺が難しいですね。
全体の輪郭は茶色で、目と眉は黒にしたら、多少良くなるのかな。持ち替えるのが、めんどくさいですけど。
トンボと、三菱の色鉛筆を持っているのなら、トンボは手前の人物用、三菱は背景用と使い分けると良さそうですね。
▶トンボ色鉛筆12色
800円ぐらいのものですが、アマゾンだと500円ほどで購入できるようです。
ステッドラー 黒or茶色
ドイツ製のステッドラーエルゴソフト。
ちょっと高級感があって、好きな色鉛筆です♡(1本160円くらいで、他の色鉛筆よりちょっとお高いです。)
全体に色暗め。落ち着いた印象になりますが、子どもの元気感を出したい人にはちょっと敬遠されるかもしれませんね。
黒は、ぐりぐり描いても薄いです。
茶色は、バラ売りで焦げ茶っぽい色をチョイスしてみたのですが、他の色鉛筆に比べるとちょっと紫がかった色ですね。明るすぎず、暗すぎず、他の色ともよくなじみます。
ステッドラーの色鉛筆はやわらかくて描きやすいのですが、芯が折れにくくなる加工がしてあるため、先が短くなると描きにくくなります。しっかり削っていけば大丈夫です。使い込むほどに、描きやすくなりますよ!
人間工学に基づいた三角形で、小さな子にも描きやすく、お薦めです。
黒髪・・・ちょっとおばあさんっぽいです。黒は、髪の毛を塗るのには向かないかもですね。
茶色は暗めですが、何人も子どもを描いたときに、髪がみんな茶色だと明るすぎるし、みんな黒だとかちっとした印象で可愛くないので、このぐらいの茶色がいいのかな?とも思います。
肌色(43 peach)は、三菱、トンボに比べて発色がいいのですが、芯が堅めなので溝のような線が残ってしまうことも。よく削って持って行ってあげてください。
▶ステッドラー エルゴソフト 12色
定価1780円(税抜)ですが、アマゾンだと1300円ぐらい(税込)で購入できるようです。
▶ステッドラー エルゴソフト 24色
定価3560円(税抜)ですが、アマゾンだと2300円ぐらい(税込)で購入できるようです。
※ピンク(20 magenta)は12色セットには入っていませんが、24色セットには入っています。
▶ステッドラー エルゴソフト ジャンボ12色
シュタイナー学校の中学年ぐらいで使われる色鉛筆。太いので、握力の低いお子さんでも持ちやすいです。定価は3320円(税抜)ですが、アマゾンだと2000円ぐらいで購入できるようです。
輪郭と髪色
これまで輪郭と髪色はおんなじ色で描いてきましたが、同じ色にしなきゃいけない!ってルールは無いですからね。
実際、みんなおんなじ色だと気持ち悪いから、多少変化を付けますよね?
色鉛筆も「同じメーカーので描かなきゃいけない」なんてルールはありません。
ってことで、色々試してみましたよ。
ステッドラー茶色の輪郭に、肌色、髪色はトンボです。
造形では、子ども3人以上・保育士1人以上など、人物の数が指定されます。
「鉛筆で軽く下書き→茶色で輪郭を描く→色を塗る」ってやっていく場合、髪の毛の色がみんな同じだと不自然なので、色を塗るときに三菱の茶色、ステッドラーの茶色、トンボの黒など色鉛筆を使い分けると自然な感じになりますよ。
髪色は一色で塗らなくても、茶色と黒を混ぜてもいいですよね。ただ、時間がかかるので、とりあえず茶色で塗って、背景を描き終わって時間が余ったら、髪の毛に黒を混ぜていく方がいいかな?
髪の毛の色がみんな同じより、背景描いてない方が致命的ですから・・・
黒輪郭に茶髪です。
黒輪郭の方が、青系の服の色と相性がいい気がします。
でも、赤系、黄色系、緑系とは、茶色輪郭の方が相性がいい気も・・・。
黒輪郭は、輪郭がとてもはっきり出るので、濃く描きすぎないように気をつけましょう。
ちょこっとまとめ
造形は試験時間が短く、迷っている時間は無いので、輪郭の色はある程度決めて練習しておきましょう。
筆圧によっても描き味が違うと思うので、実際にケント紙に描く練習をしてみてくださいね。
色鉛筆は12~24本となっていますが、平成26年度再試験の当日配られた資料を見ると、「色鉛筆12~24本程度、本数制限なし」となっています。
24本で絞り切れなければ、ちょっと多めに持っていくという手もありますよ。
ちなみに、平成27年度は、「高齢者」が出題され、灰色や銀色が重宝したようです。
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