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保育士の身分と資質向上(保育所保育指針第5章・児童福祉法第18条・全国保育士会倫理綱領)

この記事は約7分で読めます。

保育士の身分と資質向上については、保育所保育指針第5章、児童福祉法第18条、全国保育士会倫理綱領から出題されることが多いです。

それぞれの出題傾向としては、

  • 保育原理
    →「保育所保育指針第5章」の穴埋め、○×
    →「児童福法第18条」の○×
  • 児童家庭福祉
    →「全国保育士会倫理綱領」の穴埋め
    →「児童福祉法第18条」の○×
  • 社会福祉
    →「全国保育士会倫理綱領」の穴埋め

過去問をみると、上記のような出題傾向ですが、明確に分かれているわけではないようなので、どの科目を勉強する方も「保育所保育指針第5章」「児童福祉法第18条」「全国保育士会倫理綱領」はざっと目を通しておきましょう。

児童福祉法第18条

どんな人が保育士になれるか?(どんな人は保育士になれないか?)と、保育士として守らなければならないことが書いてあります。

  • 第18条の4
    この法律で、保育士とは、第18条の18第1項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。
  • 第18条の5
    次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となることができない。
    1  成年被後見人又は被保佐人
    2  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
  • 第18条の6
    次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となる資格を有する。
    1  都道府県知事の指定する保育士を養成する学校その他の施設(以下「指定保育士養成施設」という。)を卒業した者
    2  保育士試験に合格した者
  • 第18条の18
    保育士となる資格を有する者が保育士となるには、保育士登録簿に、氏名、生年月日その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。
    ○2 保育士登録簿は、都道府県に備える。
    ○3 都道府県知事は、保育士の登録をしたときは、申請者に第1項に規定する事項を記載した保育士登録証を交付する。
  • 第18条の21
    保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
  • 第18条の22
    保育士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保育士でなくなった後においても、同様とする。
  • 第18条の23
    保育士でない者は、保育士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。

緑マーカーの部分は、穴埋めや○×で問われやすいので、特によく見ておきましょう(^^)

↓過去問↓

平成27年度地域限定試験 児童家庭福祉 問6
次の文は、「児童福祉法」の保育士に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 成年被後見人又は被保佐人は、保育士となることができない。 →
  2. 保育士として勤務している間は、正当な理由なく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならないと定められており、退職後は特に規定されていないが留意しなければならない。 →×
  3. 保育士でない者は、保育又はこれに類する業務を行ってはならない。 →×
  4. 保育士登録簿は、市町村に備えることとしている。 →×
  1. 第18条の5。正しい記述です。
  2. 第18条の22「保育士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保育士でなくなった後においても、同様とする。」退職後も同様に守秘義務があります。
  3. 第18条の23 「保育士でない者は、保育士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。」
    「これに類する業務」だと、ベビーシッターとか、チャイルドマインダーも入ってきてしまいそうですね。
  4. 第18条の18 ○2「保育士登録簿は、都道府県に備える。」

保育所保育指針第5章「職員の資質向上」

1 職員の資質向上に関する基本的事項
職員の資質向上に関しては、次の事項に留意して取り組むよう努めなければならない。

⑴ 保育所職員に求められる専門性
子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した保育を行うためには、職員一人一人の倫理観、人間性並びに保育所職員としての職務及び責任の理解と自覚が基盤となる。
各職員は、自己評価に基づく課題等を踏まえ、保育所内外の研修等を通じて、保育士・看護師・調理員・栄養士等、それぞれの職務内容に応じた専門性を高めるため、必要な知識及び技術の修得、維持及び向上に努めなければならない。

⑵ 保育の質の向上に向けた組織的な取組
保育所においては、保育の内容等に関する自己評価等を通じて把握した、保育の質の向上に向けた課題に組織的に対応するため、保育内容の改善や保育士等の役割分担の見直し等に取り組むとともに、それぞれの職位や職務内容等に応じて、各職員が必要な知識及び技能を身につけられるよう努めなければならない。

3 職員の研修等

⑴ 職場における研修
職員が日々の保育実践を通じて、必要な知識及び技術の修得、維持及び向上を図るとともに、保育の課題等への共通理解協働性を高め、保育所全体としての保育の質の向上を図っていくためには、日常的に職員同士が主体的に学び合う姿勢と環境が重要であり、職場内での研修の充実が図られなければならない。

⑵ 外部研修の活用
各保育所における保育の課題への的確な対応や、保育士等の専門性の向上を図るためには、職場内での研修に加え、関係機関等による研修の活用が有効であることから、必要に応じて、こうした外部研修への参加機会が確保されるよう努めなければならない。

↓過去問↓

平成31年度前期試験 保育原理 問 17
次の文は、「保育所保育指針」第5章「職員の資質向上」の一部である。(A)~(E)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所においては、保育の内容等に関する(A 自己評価)等を通じて把握した、保育の質の向上に向けた課題に(B 組織的に)対応するため、(C 保育内容)の改善や保育士等の役割分担の見直し等に取り組むとともに、それぞれの(D 職位)や職務内容等に応じて、各職員が必要な知識及び(E 技能)を身につけられるよう努めなければならない。

全国保育士会倫理綱領

※読みやすいように少し手を加えています。

 すべての子どもは、豊かな愛情のなかで心身ともに健やかに育てられ、自ら伸びていく無限の可能性を持っています。
私たちは、子どもが現在(いま)を幸せに生活し、未来(あす)を生きる力を育てる保育の仕事に誇りと責任をもって、自らの人間性と専門性の向上に努め、一人ひとりの子どもを心から尊重し、次のことを行います。
私たちは、子どもの育ちを支えます。
私たちは、保護者の子育てを支えます。
私たちは、子どもと子育てにやさしい社会をつくります。

  1. 【子どもの最善の利益の尊重】
    私たちは、一人ひとりの子どもの最善の利益を第一に考え、保育を通してその福祉を積極的に増進するよう努めます。
  2. 【子どもの発達保障】
    私たちは、養護教育が一体となった保育を通して、一人ひとりの子どもが心身ともに健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境を用意し、生きる喜びを育むことを基本として、その健やかな育ちを支えます。
  3. 【保護者との協力】
    私たちは、子どもと保護者のおかれた状況や意向を受けとめ、保護者とより良い協力関係を築きながら、子どもの育ち子育てを支えます。
  4. 【プライバシーの保護】
    私たちは、一人ひとりのプライバシーを保護するため、保育を通して知り得た個人の情報や秘密を守ります。
  5. 【チームワークと自己評価】
    私たちは、職場におけるチームワークや、関係する他の専門機関との連携を大切にします。
    また、自らの行う保育について、常に子どもの視点に立って自己評価を行い、保育の質の向上を図ります。
  6. 【利用者の代弁】
    私たちは、日々の保育や子育て支援の活動を通して子どものニーズを受けとめ、子どもの立場に立ってそれを代弁します。
    また、子育てをしているすべての保護者のニーズを受けとめ、それを代弁していくことも重要な役割と考え、行動します。
  7. 【地域の子育て支援】
    私たちは、地域の人々や関係機関とともに子育てを支援し、そのネットワークにより、地域で子どもを育てる環境づくりに努めます。
  8. 【専門職としての責務】
    私たちは、研修や自己研鑽を通して、常に自らの人間性と専門性の向上に努め、専門職としての責務を果たします。

「子どもの最善の利益」「養護と教育が一体となった保育」といった言葉は、もうおなじみですね。

これも、穴埋めでの出題が多いです。

↓過去問↓

平成28年度後期試験 児童家庭福祉 問4

  1. 私たちは、一人ひとりの子どもの最善の利益を第一に考え、保育を通してその(A 福祉)を積極的に増進するよう努めます。
  2. (略)
  3. (略)
  4. 私たちは、一人ひとりのプライバシーを保護するため、保育を通して知り得た個人の情報や(B 秘密)を守ります。
  5. (略)
  6. 私たちは、日々の保育や子育て支援の活動を通して子どものニーズを受けとめ、子どもの立場に立ってそれを(C 代弁)します。また、子育てをしているすべての保護者のニーズを受けとめ、それを(C 代弁)していくことも重要な役割と考え、行動します。
  7. (略)
  8. 私たちは、研修や自己研鑽を通して、常に自らの(D 人間性)と専門性の向上に努め、専門職としての責務を果たします。

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コメント

  1. かわこ より:

    はじめまして。かわこと申します。
    先月から、保育士資格の勉強を始めました。
    仕事をしているため、学校に通うのではなくテキストで自主勉しています。
    勉強はしているのですが、暗記が苦手&どこを重点的に覚えたら良いのかが分からず四苦八苦していました。
    そんな時にこちらのサイトを見つけました。
    ミニテスト、とても良く覚えられます!間違えた問題も、何度も繰り返す事で覚えられるようになりました。ありがとうございます!

    感謝を伝えずにはいられなくなり、コメントさせていただきました。今後も利用させていただきます!

    • うぱみ より:

      かわこさん、コメントありがとうございます✿

      まだまだ未熟なサイトですが、お役にたててうれしいです!

      試験勉強一緒に頑張りましょう(^o^)/

  2. annie より:

    いつもこちらのテストを活用させていただいております。
    大変わかりやすく、感謝しております。
    テストの選択肢の正解が違っているのではないかと思いご連絡いたします。

    児童家庭福祉
    保育所保育指針第7章ミニテスト

    (2)保育所全体の保育の質の向上を図るため、職員一人一人が、保育実践や研修などを通じて保育の専門性などを高めるとともに、保育実践や保育の内容に関する職員の(A)を図り、(B)を高めていくこと。

    選択肢 A 共通理解 B協同性⇒正しくは協働性

    ではないでしょうか。お手数ですがご確認をお願いいたします。

    • うぱみ より:

      annieさん、コメントありがとうございます(*^▽^*)

      訂正しました!助かります♡

      ありがとうございましたm(__)m

  3. のりさん より:

    こんにちは。

    うぱみさんの情報整理がきれいで、私の記憶時に使う情報の格納方法に好都合な形態なので、このサイトを愛用させていただいております。ありがとうございます。

    さて、ひとつ、気づいたことがありましたので、お知らせしておきます。

    児童福祉法第18条に関するミニテストの設問の中に、選択肢の中に正答が無いものがありました。
    選択肢には、「罰金の刑に処せられ・・・・2年を経過・・・・」
          「罰金の刑に処せられ・・・・3年を経過・・・・」が準備されています。

    日本の刑罰には、刑法規定により、刑の重さには序列が決められています。
    18条の規定は、禁固以上の刑・・・・と規定されていますが、罰金は禁固よりも軽い刑であるため、正答がありません。

    • うぱみ より:

      のりさん、コメントありがとうございます!

      罰金になっていましたね(=_=)申し訳ないです。
      こちらのミニテストは、元のデータが残っていなくて、すぐに新しいものを作れないので、せめてもと重要箇所をマーカーしてみました。

      保育所保育指針も現行第5章に書き換えましたので、ぜひお役立てくださいm(__)m

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