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保育の心理学の最重要人物ピアジェ!出題ポイントや用語まとめ

この記事は約10分で読めます。

ピアジェ無くして、子どもの発達は語れない!

保育士試験「保育の心理学」では、エリクソンと並ぶ最重要人物です。

キーワードはたくさんありますが、よく出題されるポイント&子どもの発達の理解に必要なポイントから、学習していきましょう。

ピアジェ 学習のポイント

保育士試験での「ピアジェ」の出題は・・・

保育の心理学・・・○(1問程度出題)

です!

ピアジェだけで、丸々1問使われることも少なくないので、かなり重要な人物と言えます。

学習のポイント
  1. 乳児期、幼児期の認知発達に関する心理用語は、「感覚運動期」「前操作期」といった発達段階を表す言葉と一緒にチェック
  2. とくに「具体的操作期」「形式的操作期」の違いをチェック
  3. 余裕があったら、道徳判断の発達段階や認知発達論(シェマや同化など)についての理解を深めましょう

1がとにかく重要です。時間のない方は、とりあえず1だけでも押さえておきましょう!

 

うぱみ
うぱみ

ピアジェは、「道徳判断の発達段階」や「認知発達論(同化と調整)」についてもよく出題されています。

こちらは、理解が少し難しいので、発達段階についての理解が十分進んでから、挑戦してみましょう♪

 

 

内容が多いからこそ、一度で理解しようとはせず、少しずつ理解できる部分を広げていくのがポイントです☆

ピアジェの考えた発達段階

Piaget, J.
Piaget, J.
子どもは発達の速さや発達度合いに個人差はあるが、どの子も感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期の4つの段階を経て、段階的に発達する!

まずは、発達段階の順番と、年齢を頭に入れておきましょう。

  1. 感覚運動期 0〜2歳  ←乳児期
  2. 前操作期 2〜7歳   ←幼児期
  3. 具体的操作期 7〜12歳 ←小学生
  4. 形式的操作期 12歳〜 ←中学生

保育園に通う子どもたちは、「感覚運動期」「前操作期」にあたります。

平成26年度再試験 保育の心理学問7 質的に異なる発達段階、すなわち、感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期に区分され、その順序で発達する。 正答:

乳幼児期(感覚運動期・前操作期)のポイント

ピアジェが考えた認知発達理論について、乳幼児期(感覚運動期・前操作期)のポイントを確認していきましょう♪

  • 感覚運動期 0〜2歳
  • 前操作期 2〜7歳

感覚運動期

0〜2視覚、触覚などの感覚を通して、自分の外にあるものをとらえます。触る、舐めるなど、その物に直接的に働きかけることで、外界を認識する時期です。 6つの段階に分かれていますが、これについてはあまり詳しく問われないので、気になる方はお手持ちのテキストを見てください。

対象物の永続性の理解

この時期、大事なのは「物の永続性の理解」。

うぱみ
うぱみ
「いないいないばあ」が成立するのは、手で隠したところに顔があるはずだ!と思う→実際に手をどけると顔があるということがわかるということ。すなわち、「物の永続性の理解」があるからこそです。

「物の永続性の理解」が成立するのは、生後8ヶ月頃と言われています。 目の前にあるおもちゃを、布で隠したとき、そのおもちゃを探そうとするかどうかでわかります。 ※その後の研究で、生後3ヶ月ぐらいの子でも「物の永続性の理解」があるのではないかと考えられています。小さなお子さんのいる方は、観察してみてくださいね!

平成25年度本試験 保育の心理学 乳児が自分のおもちゃなどの、見えなくなった物を探したりするようになる背景の一つには、( 物の永続性 )の理解がある。

前操作期

2〜7歳。幼児期です。 「具体的操作期」「形式的操作期」に入る前段階です。 特に出題が多いので、しっかり頭に入れておきましょう。

アニミズム

物に魂が宿っている、という考え方です。 「そんなことしたら、机さんイタイイタイだよ〜」 「車さん、お家帰りたいって〜」 「トマトさん、○○くんに食べてほしいって」 など、幼児さんに声掛けするときに、何気なく使ってしまう言葉ですが、実はアニミズムというこの時期の子どもの思考の特徴に基づいているんですね。

平成25年度本試験 保育の心理学 子どもが、雷が鳴っているのを「空が怒っている」と表現したりすることを( A )とよび、これをピアジェ(Piaget, J.)は自他が未分化なためであるとした。 正答:アニミズム

自己中心性

自分の立場から、物を捉えます。 客観的に自分を見ることは、まだまだ難しい時期です。

平成26年度再試験 保育の心理学問7 C 感覚運動期の子どもが活動に熱中すると、しばしば独語を発するのは自己中心性の表れであり、それは「自己中心語」とよばれる。 正答:

↑「前操作期」についての記述です。 ちなみにこの「独語」について、ヴィゴツキーは「内言になる前の外言」と言っています。

象徴機能

ままごとやごっこ遊びをするために必要な機能です。 葉っぱをお皿に見立てたり、石を食べ物に見立てたり、棒を剣に見立てたりと、想像力が発達する時期です。

R7前期 保育の心理学 前操作期には、目の前にない事柄を心の中でイメージとして思い浮かべ、考えたり行動したりすることができる。 →

数の保存

「数える」というのは、この時期の子どもたちが好きなことの一つですが、実は奥が深い。 「1、2、3」と数字を唱えることができても(数唱)、目の前にいる子どもの数を「3人」(集合数)と答えられるかは別の話です。 5個のおはじきの感覚を広げると、直感的に「増えた」と感じる子もいます。これは、「数の保存」が成立していないからです。※この実験については、賛否あります。下記参照

うぱみ
うぱみ
小学1年生の算数で、足し算引き算を勉強する前に、イラストやおはじき、ブロックなどを使って「いくつ」というのを徹底的に学習するのは、「数の保存」が成立していることが大事だからです。
平成27年度本試験 保育の心理学問5 次の文は、子どもの認知発達についての記述である。下線部(a)~(d)に関連の深い語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。お風呂で(a)「いち、にぃ、さん…」と 10 まで数えたり、例えば 13個のおはじきを(b)一つ一つ指さして数えることができても、必ずしもいくつあるかが分かっているとは言いきれない。数を数えたあと、(c)「全部でいくつ?」と数を聞かれたら「13」と最後の数を言えるようになるなどの過程で数概念が育っていく。ピアジェ(Piaget, J.)は、並べたおはじきの間隔を広げ(d)見かけを変化させると幼児は数の正しい判断ができなくなることを示した。正答:a 数唱 b 1体1対応 c 集合の理解 d 数の保存概念
ピアジェの「数の保存」実験は批判されている?

※「数の保存」などの「保存概念」の実験をするときに、ピアジェは

Piaget, J.
Piaget, J.
「2列のおはじきは、同じかな?違うかな?」

という質問を用いました。 おはじきの間隔を開けたあと、もう一度同じ質問をされたら、あなただったらどう答えますか?

うぱみ
うぱみ
「同じ」が正解ですが、同じ質問をするってことは違うってことなのかな?見かけが変わったから、違うかな?と「違う」と答えてしまった子もいるはずです。

ピアジェは、前操作期の子どもは、見かけにだまされ、論理的思考ができないと考えていたようですが、「保存概念」の課題に成功しない=論理的思考ができない、とは言えないのではないか、とピアジェの考えは批判されています。

平成26年度再試験 保育の心理学問7 ピアジェが用いた実課題は、子どもの日常生活とはかけ離れた課題であったことが、正答する年齢に影響しているという批判もある。 正答:○

批判はされていますが、完全にピアジェは間違っている!ってわけではないですよ。ピアジェが提唱した発達概念や保存概念は、今日の教育現場で多く取り入れられています。

学童期(具体的操作期と形式的操作期)

学童期の知的発達(具体的操作期・形式的操作期)についてポイントを確認していきましょう♪

  • 具体的操作期 7〜12歳
  • 形式的操作期 12歳〜
学童期は、「具体的操作期」「形式的操作期」と変化していきます。
うぱみ
うぱみ

ちなみに「7歳になった日から具体的操作期」ではなく、だんだんと移行していきます。早い子は6歳、遅い子は7歳半など、個人差があります。

小学1年生は、「前操作期」の子と「具体的操作期」の子が混ざっている時期と言えます。

具体的操作期

7〜12歳。小学生の頃です。 具体物を使って、論理的な思考します。

うぱみ
うぱみ
足し算、引き算を学習するときに、「りんごが3つ、みかんが2つあります。合わせていくつですか。」など、具体物から入るのもそのためです。

特に小学校低学年は「前操作期」の子と「具体的操作期」の子が混ざっているので、具体物を使って、丁寧に概念を確認していきます(*^-^*)

「具体的なものを提示→おはじきやブロックに直す」というのを、学童期にやるのは「具体的操作期」だから!

「掛け算5の段の学習で桜の絵をいっぱい描いた」、とか、「円周を求めるのに円を切り刻んで丁寧に並べた」、とか、「正三角形をセロテープでつなげて、立体を作った」、とか 印象に残る授業って、具体操作と結びついた授業だな〜と感じるのですが、どうでしょう?

逆に、算数苦手な子って、形式的(数字だけ)で考えていて、具体的に物を動かす経験が少ない→イメージができていない子が多いように思います。

保存概念の成立

「前操作期」には「の保存」の概念が発達していました。

「具体的操作期」に成立するのが、「の保存」→「重さの保存」→「体積の保存」です。

☆「りょう」→「もさ」→「いせき」の順なので「りょ」と覚えておきましょう(*´▽`*)

例を挙げるならば

  • 量の保存 コップの水をビーカーに移す →はじめにコップに入っていた水の量と、ビーカーに移した後の水の量は同じ、とわかる
  • 重さの保存 2つの同じ重さの粘土の玉 →片方の玉を、細長く伸ばす →両方の粘土の重さは変わらない(同じ)とわかる
  • 体積の保存 水を張ったコップにおもちゃを入れて、水をこぼれさせる →減った分の水の体積=おもちゃの体積とわかる

小学生のお子さんをお持ちの方は、算数の教科書を見てみてくださいね✾

あ!これはこの保存の概念が成立していないと先へ進めない!ってのがあるはずです。  

(R5前期 保育の心理学 問9 )認知発達において、6~7歳前後にピアジェ(Piaget, J.)のいう(A 前操作期)から次の発達段階に移行する。この時期には、自己中心性をぬけだし(B  脱中心化)が可能となり、子どもは具体物の助けを借りながら論理的に一貫性を持った思考ができるようになり、(C 保存の概念)が成立する。

形式的操作期

「形式的操作期」は、12歳〜。小学校高学年や中学生くらいからですね(*^-^*)

具体物を直接操作しなくても、抽象的な思考ができるようになってきます。

中学生(小学校高学年でも出てきますが)になると、数学で 「X+Y=5」というように、XやYなどの記号が出てきますね。

XやYといった抽象的な記号を用いて、計算ができるようになるのも、抽象的な思考が発達しているからです。

実は、小学1年生でも「○+△=5」とすれば、できるのですが、「〇+△=5」ができる子でも、「X+Y=5」だとつまずく子がいます。

うぱみ
うぱみ
中学生になったからと言って、みんながみんな一斉に形式的操作期に入るわけではないので、「X+Y=5」で躓いていたら、あ〜この子はまだ具体的操作期なのだな、と思って「○+△=5」って置き換えてあげれば、解けることも♪

ミニテスト

ミニテストで、ピアジェの認知心理学についての理解度を確認しましょう☆ うまく表示されない方はこちら(別ウインドウで開く)

+αミニテスト

ピアジェの認知心理学について、さらに多くの問題を解けるミニテストを作りました(*´Д`)

☆保育士試験受験体験談☆

試験勉強の合間に♪

保育士試験受験体験談

みんなの勉強の仕方や、試験の雰囲気がわかる!

コメント

  1. さきいか より:

    うぱみ様
    本日、実技の合格通知が来ました(*^^*)
    筆記も実技も一回で合格できたのは、本当にうぱみ様と家族の協力のおかげです。
    頭の良くない私が、うぱみ様のサイトで苦手な所も克服できました。
    片手間に覗けるサイトがあり、すごく、勉強になりました。
    とても分かりやすく要点をついたサイトでした。
    感謝とご報告を申し上げたく、書き込ませて頂きました。
    ありがとうございます(*^^*)

    • うぱみ より:

      さきいかさん、コメントありがとうございます☆

      一発合格おめでとうございます(。>﹏<。)
      努力が実ってよかったですね!

      お役に立てて嬉しいです(*´∀`)

  2. ぽぽ より:

    うぱみさん
    無事合格できました。
    本当にこのブログのおかげで何度も演習してとても参考になりました。
    私がごちゃごちゃになるといっていたら学校教育法と教育基本法の違いを記事にしてくださったり本当に感謝しています。
    実技はかなり緊張してしまいミスタッチしてしまったピアノでしたがなんとか合格できました。
    お忙しい中こうして記事を書いてくれてこれをみて勉強している方も多くいらっしゃると思います。
    今までも保育園で補助として働いているのですが資格がとれてやれることも増えるので
    うれしいです。
    ありがとうございました。

    • うぱみ より:

      ぽぽさん、コメントありがとうございます♡

      実技も合格おめでとうございます(。>﹏<。) 保育士のお仕事、楽しんでくださいね♪

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