重要人物ヴィゴツキーと「発達の最近接領域」。「外言から内言へ」

ヴィゴツキーについては、保育の心理学と教育原理でよく出題されています。保育士試験では「発達の最近接領域」「外言から内言へ」の2つがキーワードです。

過去問チェック→ミニテストでしっかり定着させていきましょう♪

発達の最近接領域

「発達の最近接領域」という言葉が出てきたら、ほぼ間違いなく「ヴィゴツキー」です。

平成26年度本試験 保育の心理学問1
ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.)は人の発達が他者との社会的な相互作用によってなされると考え、発達の最近接領域という概念を唱えた。
正答:○
平成25年度本試験 保育の心理学
能動性だけでなく、人とのかかわりを通した学びも重視し、発達の最近接領域への働きかけによって認知的発達がなされるとした。
正答:ヴィゴツキー

↑ざっと読んだ感じ、文章の内容はよくわかりません(T_T)が、「発達の最近接領域」とあるので、ヴィゴツキーです。

平成27年度本試験 教育原理問4
次の文の著者として正しいものを一つ選びなさい。

教授-学習の問題に関する心理学研究は、これまでふつう子どもの知的発達の水準の解明に限られてきた。だが、子どもの発達状態をこの水準だけで決定するのでは不十分である。この水準はふつうどのように決定されているか? この決定の手段とされるものは、子どもが自主的に解いた問題である。これによって、子どもが今日できること、知っていることが分かる。なぜなら、そこでは子どもにより自主的に解かれた問題だけが考慮されているからである。明らかに、この方法によるとき、われわれは、今日子どもにすでに成熟しているものだけを明らかにすることができる。われわれは、子どもの現下の発達水準だけを決定する。だが、発達状態というものは、その成熟した部分だけで決定されるものでは決してない。自分の果樹園の状態を明らかにしようと思う園丁が、成熟した、実を結んでいるりんごの木だけでそれを評価しようと考えるのは間違っているのと同じように、心理学者も、発達状態を評価するときには、成熟した機能だけでなく、成熟しつつある機能を、現下の水準だけでなく、発達の最近接領域を考慮しなければならない。

(選択肢省略)
正答:ヴィゴツキー

↑文章をはじめからていねいに読んでいくと心が折れそうになりますが、最後の方に「発達の最近接領域」とあるので、ヴィゴツキーです。

発達の最近接領域」とは、次に発達する所。発達の準備ができている状態のときに、学習することによって、身につきやすくなります。「レディネス」とほぼ同じです。

ヴィゴツキーは、すでにできること(成熟した機能)よりも、これからできるようになりそうなこと(成熟しつつある機能=発達の最近接領域)に焦点を当てて教育するのがいいと考えました。

平成30年度後期試験 保育の心理学 問 11

教育と心的機能の発達の相互作用に関する理論の中で、( A )は、2つの発達水準を区別することができると提唱した。すなわち、問題解決の場面で子どもが自力で解決できる既に( B )水準と、大人の援助や指導によって解決が可能となる( C )水準である。この2つの発達水準の差の範囲を( D )と呼んだ。( E )はこの範囲に対してなされなければ子どもの発達に貢献できないし、また、教育は( D )をつくりだすように配慮しなければならない。

正答:
Aヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.)
B完成した
C成熟しつつある
D発達の最近接領域
E教育的働きかけ

平成28年度前期試験 保育の心理学問11
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

Kちゃんはスプーンで食べ物をすくうことができず、かんしゃくを起こしてしまう。

これに対し保育士は、Kちゃん自身が「スプーンで食べた」という喜びや達成感を味わい、さらに、自分でスプーンを使って食べようとする意欲を育てたいと考えた。そこで、あらかじめ食べ物をスプーンの上にのせ、そのあとはKちゃんが自分でやるようにした。

また、保育士は、すくいやすい器にするなどの工夫も行った。

こうした保育士の配慮に支えられて、Kちゃんはスプーンを使う経験を積み重ね、上手に食べ物を食べられるようになっていった。

【設問】

保育士が行ったこの対応の根拠となる発達心理学の用語として、最も適切なものを一つ選びなさい。

  1. 発達段階
  2. 発達の連続性
  3. 発達課題
  4. 発達の最近接領域
  5. 発達過程

正答:4 発達の最近接領域

保育士の仕事って、それぞれの子どもの「発達の最近接領域」を見極めて、それぞれの発達にあった支援をしていくことですよね(●^o^●)そのために、子どもの心や体の発達を理解しおくこと、目の前の子どもの様子を観察することがとても大事です。

外言から内言へ

声に出さずに、心の中でおしゃべりすること、できますよね?

でも、子どもが遊んでいる時って、心の中でしゃべる(考える)ようなことが、口から出ちゃっていることがあります。

このことからヴィゴツキーは、外言(社会的言語)がやがて内言(個人内言語)になっていくと考えました。

平成25年度本試験 保育の心理学
ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.)によると、活動に熱中している時に発する子どもの「ひとりごと」は、思考のための言葉、つまり( C )への移行途中のものである。

正答:内言

平成29年度前期試験 保育の心理学問3
次の記述に該当する人物として正しいものを一つ選びなさい。

  • 人間の発達では、初めに社会的関係があり、それが内面化すると考えた。
  • 他者とのコミュニケーションに用いる言葉を外言とした。
  • 子どもの独語は、自分の思考のための言葉になる移行過程であると捉えた。

(選択肢省略)
正答:ヴィゴツキー

ミニテスト

上記で紹介したヴィゴツキーに関する過去問&オリジナル問題のミニテストです。これでヴィゴツキーはばっちり☆


うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)

ヴィゴツキーの問題と見せかけて、モンテッソーリブルーム、ブルーナーなどの問題も混ざってます♪

ちょこっとまとめ

AとDがなぜ×なのか、今なら自信を持って答えられるはずです!

平成26年度再試験 保育の心理学問1
次の文は、ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.)の理論についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. 教育は、子どもの成熟しつつある機能よりも、成熟した機能に対して行うべきだと提唱した。
  2. 発達過程と教育の可能性を規定する二つの発達水準を提唱した。
  3. 人間の発達は、初めに社会的な相互関係があり、それが内面化して心的機能に転化するとした。
  4. 言語発達においては、個人的言語から社会的言語への発達過程を示した。

(選択肢省略)
正答:A× B○ C○ D×

A:ヴィゴツキーが重視したのは、「発達の最近接領域」=子どもの成熟しつつある機能!
D:「外言(社会的言語)から内言(個人内言語)へ」ですね(●^^●)