令和5年4月1日に施行された「こども基本法」。
施行されたばかりの法律のため、保育士試験ではまだまだ出題が少ないですが、今後「保育原理」「子ども家庭福祉」「社会福祉」等での出題が増えていくことが予想されます。
ポイントとなる部分を確認していきましょう。
令和5年4月1日施行「こども基本法」とは?
「こども基本法」とはどのような法律なのでしょうか。
「こども基本法」は、2023年4月1日に施行された法律です。 2023年4月1日には、こども家庭庁が設置されています。
「こども基本法」保育士試験での出題傾向
「こども基本法」は、2023年4月1日に施行されました。
そのため、「保育士試験」で出題されるのは、令和5年後期試験からです。 実際に出題された問題がこちら!
R6前期試験 社会福祉 問 20
次の文は、「こども基本法」第3条の一部である。
- 全てのこどもについて、個人として尊重され、その基本的人権が保障されるとともに、(A 差別)的取扱いを受けることがないようにすること。
- 全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に(B 参画)する機会が確保されること。
- 全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、その(C 意見)が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されること。
さっそく、令和6年度前期試験で出題されていますね!
出題傾向としては、これまでの条約や法律などと同様に、「こども基本法」の内容についての穴埋めや正誤問題が主になると考えられます。
科目については、令和6年度前期試験は「社会福祉」での出題でした。
「こども基本法」の性質を考えると、今後、福祉系科目「社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」の他、「保育原理」「教育原理」でも出題があると考えられます。
「こども基本法」第1章総則 内容のポイント
「穴埋め」問題や「正誤」問題に対応するためには、しっかりと内容を読み込んでおくことが大切です! ということで、条文の一部を隠してあります♪
こども基本法は、第20条まであります。 まずは、第1条~第3条をしっかり覚えましょう!
第1条 目的 ☆☆☆
第1条(目的)
この法律は、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、社会全体としてこども施策に取り組むことができるよう、こども施策に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及びこども施策の基本となる事項を定めるとともに、こども政策推進会議を設置すること等により、こども施策を総合的に推進することを目的とする。
何といっても第1条のポイントは、「こども基本法」が、「日本国憲法」と「児童の権利に関する条約」にのっとって作られている、ということです。
「児童の権利に関する条約」は、1989年に国際連盟で採択され、日本は1994年に批准しています。
第2条 定義 ☆☆☆
第2条(定義)
この法律において「こども」とは、心身の発達の過程にある者をいう。
「こども基本法」では、「こども」を「心身の発達の過程にある者」としたことも特徴的です。
「こども基本法」では、18歳や20歳といった「年齢」で必要なサポートがなくならないようにするために、心と身体の成長の段階にある人を「こども」としています。
- 新生児期、乳幼児期、学童期及び思春期の各段階を経て、おとなになるまでの心身の発達の過程を通じて切れ目なく行われるこどもの健やかな成長に対する支援
- 子育てに伴う喜びを実感できる社会の実現に資するため、就労、結婚、妊娠、出産、育児等の各段階に応じて行われる支援
- 家庭における養育環境その他のこどもの養育環境の整備
第3条 基本理念 ☆☆☆
第3条(基本理念)
こども施策は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。
基本理念として、6つの事項があげられています。 それぞれ大切な考え方ですので、しっかり理解しておきましょう♪
「家庭や子育てに夢を持ち、喜びを感じられる社会をつくること」について、書かれています。
「こども基本法」ミニテスト
「こども基本法」で出題可能性の高い第1条~第3条の穴埋めミニテストです! →うまく表示されない方はこちら(別ウインドウで開く)
「こども基本法」第2章基本施策 内容のポイント
第2章では、「こども基本法」って具体的に何をするの?ってことが書かれています。
第9条 こども施策に関する大綱 ☆
第9条(こども施策に関する大綱)
政府は、こども施策を総合的に推進するため、こども施策に関する大綱(こども大綱)を定めなければならない。
「こども大綱」を定めることが、「こども基本法」に記されています。
第10条 都道府県こども計画等 ☆
第10条(都道府県こども計画等)
都道府県は、こども大綱を勘案して、当該都道府県におけるこども施策についての計画(都道府県こども計画)を定めるよう努めるものとする。
2市町村は、こども大綱(都道府県こども計画が定められているときは、こども大綱及び都道府県こども計画)を勘案して、当該市町村におけるこども施策についての計画(市町村こども計画)を定めるよう努めるものとする。
都道府県や市町村は、「こども大綱」をもとに「こども計画」を定めることが「努力義務」となっています。
第11条 こども施策に対するこども等の意見の反映 ☆
第11条(こども施策に対するこども等の意見の反映)
国及び地方公共団体は、こども施策を策定し、実施し、及び評価するに当たっては、当該こども施策の対象となるこども又はこどもを養育する者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
こども施策は、「大人が作って終わり♪」ではなく、こどもの意見や、子育てをしている人の意見を反映させる仕組みづくりの必要性について書かれています。
「こども基本法」+αミニテスト
「こども基本法」について、さらに理解を深めたい人向けのミニテストです!
コメント