すごく地味な問題ですが、保育実習理論音楽の6問目に必ず出題されています。
音階と移調の理解が必要な問題です。
次の文のうち、適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- 「思い出のアルバム」(作曲 本多鉄麿)は、8分の6拍子の曲である。
- ベートーベン(Beethoven, L.V.)は、ドイツの作曲家である。
- 雅楽は、古くから日本の宮廷で演奏されてきた音楽である。
- 二長調の階名「ファ」は、音名「嬰ト」である。
(選択肢省略)
1 A○ B○ C○ D×
Dだけできても、他ができなければ正答にならないかもしれません。
でも、Dが分かれば、選択肢を半分に減らすことができます。
せっかく、音階や移調をここまで頑張って勉強してきたのだから、自信を持って○か×か判断できるようにしておきたいところです。
階名と音名とは?
この問題の挫折ポイントは、ずばり「階名と音名の違いが分からない」ことではないでしょうか。
移調をするとき、「ド」の位置を動かします。「ド」がどこに動いたかで、たとえば「レ」なら、「二長調」と調が決まります。
二長調の場合、「レ」を「ド」と見立てて、そこから「全音(レ)・全音(ミ)・半音(ファ)・全音(ソ)・全音(ラ)・全音(シ)・半音(ド)」と上がっていくような階段を作ってあげると、ちょっと高いながらも「ドレミファソラシド」に聞こえるんでしたよね。
この時の「ミ」とか「ファ」とかが「階名」です。
でも、二長調の「ミ」や「ファ」は、「レ」からスタートした場合の階名なので、実際に弾く音とは異なりますよね。
- 二長調の「ミ」は、実際にはファ♯(嬰へ)
- 二長調の「ファ」は、実際にはソ(ト)
この時、実際にキーボード上で弾く音を和風な言い方で言ったものを「音名」といいます。
二長調の階名「ファ」は、音名「嬰ト」である。の解き方
いくつか解き方を紹介するので、しっくりきた方法で解いてみてください。
今度こそ⑪で使った図で解く
で使った、白鍵と黒鍵を一列に並べた図を使用します。
上で解説したようなこういう図になります。
一緒に書いてみましょう♪
①ドレミを書いていきます。黒鍵の部分は1マス使います。
②ドレミの下に、「ハニホヘトイロハ」を書きます。
③「二長調」なので、「ニ」の下にドレミをずらして書きます。
④「二長調」の階名「ファ」は、「音名」では・・・?
「ト」と分かります。
鍵盤の図を見ながら解く
慣れてきたら、こちらの方が速いです。
鍵盤の絵を使います。
試験本番では、鍵盤の絵は、問3や問4の問題に載っているものを使ってもいいし、時間はたっぷりあるので自分でちゃちゃっと描いてしまってもいいと思います。
①ドレミの下にハニホヘトイロハを書きます。
音名ですね。
②「二長調」なので、「レ」の鍵盤に「ド」を書きます。
ド○レ○ミファ○ソ○ラ○シド・・・(○のところは空ける)と、階名を書いていきます。
③「二長調」の階名「ファ」は、音名では・・・?
「ト」と分かります。
過去問で練習♪
ト長調の階名「ミ」は、音名「変ロ」である。
(平成29年度前期試験より)
「変ロ」とは、「♭シ」のことです。
解き方1
「ト長調」なので、主音は「ソ」です。
さて、「ト長調」の「ミ」は・・・?
「シ(ロ)」なので、×です。
解き方2
「ト長調」なので、主音は「ソ」です。
続きのドレミはどこの鍵盤でしょうか?
やってみてくださいね!
さて、「ト長調」の「ミ」は・・・?
「シ(ロ)」なので、×です。
へ長調の階名「ラ」は、音名「変ロ」である。
(平成28年度後期試験)
解き方1
「へ長調」なので、主音は「ファ」です。
さて、「へ長調」の階名「ラ」は・・・?
音名「ニ」なので、×です。
解き方2
「へ長調」なので、主音は「ファ」です。
さて、「へ長調」の階名「ラ」は・・・?
音名「ニ」なので、×です。
イ長調の階名「ラ」は、音名「へ」である。
(平成27年度地域限定試験)
イ長調の主音は「ラ」。音名の「ラ」とごっちゃにならないようにしましょう。
解き方1
「イ長調」なので、主音は「ラ」です。
さて、「イ長調」の階名「ラ」は・・・?
音名「嬰へ」なので、×です。
解き方2
「イ長調」なので、主音は「ラ」です。
さて、「イ長調」の階名「ラ」は・・・?
音名「嬰へ」なので、×です。
変ロ長調の階名「ファ」は、音名「変ホ」である。
(平成26年度再試験)
解き方1
「変ロ長調」なので、主音は「シ♭」です。
さて、「変ロ長調」の階名「ファ」は・・・?
「変ホ」なので、○です。
解き方2
「変ロ長調」なので、主音は「シ♭」です。
さて、「変ロ長調」の階名「ファ」は・・・?
ちょこっとまとめ
どちらかの解き方ができれば大丈夫なので、しっくりくる方でやってみてくださいね!
過去問載せておきます。
お時間のある方は、解いてみてください。
(平成27年度本試験)
正答:×
(平成26年度本試験)
正答:○
(平成25年度本試験)
正答:○
☆伴奏(問1)
★楽典用語(問2)
①楽譜の読み方♯♭♮
②音階の基本
③音程2度3度(問3・問4・問5)
④音程5度など(問3・問4・問5)
⑤移調(問4・問5)
⑥和音の根音ABCDEFG(問3)
⑦和音のコードMとm(問3)
⑧和音dim、aug基本形(問3)
⑨和音M、mの転回(問3)
⑩和音セブンスコード(問3)
⑪移調、調号の考え方(問5)
⑫移調前の調の調べ方(問5)
⑬移調後の調の調べ方(問5)
⑭和音の移調(問4)
二長調の階名「ファ」は、音名「嬰ト」である。の解き方(問6)
コメント
うぱみさん、はじめまして!
保育士国家試験のサイトを検索していたところ、こちらのサイトと出会いました。
独学でここまでお勉強されて尊敬しています!
質問なのですが、過去問で
「調号として # が5つついた調は、ロ長調と嬰ト短調である。」
ロ長調は理解できたのですが、嬰ト短調になる理由がわからなくて困っています。
お忙しいところ申し訳ございませんが、教えて頂けたら嬉しいです。
はなはなさん、コメントありがとうございます(*^▽^*)
長調と短調について、記事を書きましたのでご利用ください。
長調と短調の音階
とり急ぎ書いたので、わかりにくかったら気軽に教えてくださいね♪
はじめまして。今春が初試験になります。
周りに音楽問題に詳しい人がおらずお金をかけて通信にしようか迷ってたところ、こちらのサイトを見つけました。可愛いイラストと共にわかりやすく解説されており、最初は「ん??」と思っても時間をかけて読めばちゃんと理解できて、ひたすら暗記の他の科目よりも勉強が楽しく感じたほどです。
今日、サイトの13項目すべて終わったので、明日から過去問を解き、
再確認して更に理解を深めようと思います。
今後も活用させていただきます。ありがとうございます。
Rさん、コメントありがとうございます(^^)
是非、過去問や問題集で、効果を実感してください♪
初めまして。宜しくお願いします、音楽の問題が全然わからず…こちらを見て理解できてきました、ありがとうございます。
質問です。
問題『変ロ長調の階名「ファ」は、音名「変ホ」である。』のところで
「変ロ長調」の階名「ファ」は・・・?
ミ♭で変ホ とありますが、何故『レ♯で嬰ニ』ではだめなんでしょうか。
解き方1がやりやすくて使わせていただいてます、初歩的な質問かもしれませんが宜しくお願いします。
とりさん、コメントありがとうございます✾
○☓問題ですので、今回は「変ホである」で○ですが、問題文が「嬰ニである」だったとしても○で大丈夫だと思います。
うぱみさん、初めまして。
今年の後期試験に向けて勉強中です。
ピアノを習っていましたが、問題集を読んでも音楽理論が全く理解できず頭から煙が出かけていたところ、こちらのサイトを見つけました。
先ほど13項目全て読み終わり、すっきり理解できた喜びでいっぱいです。
その後、問題集を解いたところ、鍵盤や移調のイラストを描きながら全問正解できました。
丸暗記でなく理解して解くことができ、本当にありがたいです。
試験までまだ時間があるので、他の科目も順番に読ませていただきたいと思います。
わかりやすいご説明をどうもありがとうございました。
ぷーこさん、コメントありがとうございます(^^)
音楽理論、苦労して作った解説なので、お役に立てて嬉しいです♡
勉強頑張ってくださいヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。