
保育士試験・子どもの食と栄養で出題される「糖」 。
「糖」は多くの食品に含まれており、私たちの身体のエネルギーになる一方で、摂りすぎや摂り方に注意したい食品でもあります。
今回は、「糖の種類」を理解するうえで重要な「ブドウ糖」「果糖」「麦芽糖」「ショ糖」「でんぷん」などについてまとめました!
最後まで読むと、「糖」の問題を解きたくて仕方がない状態になるくらい、「糖」に詳しくなりますよ!
「糖」の出題傾向
保育士試験・子どもの食と栄養での「糖」についての出題の傾向はこちら!
- 糖質とは?
- 糖類の種類
- 糖類の消化
- アレルギー、先天性代謝異常
の4タイプに別れます。
「子どもの食と栄養」では「糖」についての問題が1問程度出題があります。
「4.アレルギー、先天性代謝異常」については、「子どもの保健」でも出題されることがあります。

「2.糖質の種類」は、覚えることが多い上に、似ている名前がいっぱい出てくるので挫折しがちですが、ここをきちっと理解しておけば、3・4もよくわかるようになりますよ!
糖質の種類
糖は、種類が多く、言葉が似ているので、苦手意識を持ちやすいです。
「ガラクトース&ラクトース」と「それ以外」を分けて学習すると、効率がいいですよ☆
| 単糖類 | ブドウ糖(グルコース) |
| 果糖(フルクトース) | |
| ガラクトース | |
| 二糖類 | 麦芽糖(マルトース) |
| ショ糖(スクロース) | |
| 乳糖(ラクトース) | |
| 多糖類 | でんぷん(植物) |
| デキストリン | |
| グリコーゲン(動物) |

と言うことで、今回は「ブドウ糖」「果糖」「麦芽糖」「ショ糖」「でんぷん」「デキストリン」「グリコーゲン」について解説をします。
動画でチェック☆
今回は2「糖質の種類」について解説します☆
※「覚え方」と書きましたが、語呂合わせ的なものではなく、興味を持ちやすいように&理解しやすいように書いています。
↓動画でチェックしたい方はこちら♪
単糖類
まずは、単糖類(ブドウ糖・果糖)から、理解していきましょう♪
| 単糖類 | ブドウ糖(グルコース) |
| 果糖(フルクトース) | |
| ガラクトース |
グルコース(ブドウ糖)
「glucose」。語源は、ギリシャ語の「glykys(グリキス)」=「甘い」より。
さて、ここでクイズです!
- ぶどうの中から発見されたから
- 顕微鏡で見ると、ぶどうみたいな形をしているから
- 紫色だから
私は2だと思ってましたが、正解は「1」!
18世紀にドイツの科学者が、干しぶどう(レーズン)の中から見つけたらしいです。
なので「grape suger(ブドウ糖)」なのですね!
※最初に一文字しかあっていませんが、ブドウ糖→grapesugar→glucose(グルコース)と覚えておきましょう。
動物や植物の中にある糖
ブドウ糖は、植物も動物も栄養源にしています。生命にとって大事なもの。

動物の場合、血糖として血液中にあり、その濃度はインスリンなどのホルモンの働きによって一定(約0.1%)に保たれます。余剰分は、「グリコーゲン」として、肝臓や筋肉に蓄えられます。 「糖質」というと、砂糖や炭水化物に含まれているイメージが強いかもしれませんが、実は「野菜」や「肉」にも糖類がいっぱいなのです。
フルクトース(果糖)
「fructose」。名前の通り、フルーツの中にいっぱいある単糖類の糖です。 
果糖→fruitsugar→fructose
果糖は、ショ糖(砂糖の主成分)の1.73倍の甘みがある一方で、血糖値を上げにくいという性質があるので、血糖値が心配な人は「ブドウ糖より果糖がいい」とされています。
※血糖値は血液中のブドウ糖濃度。果糖を食べたとき「血糖値が上がらない」ではなく「上げにくい」としているのは、果糖の一部は、体内でブドウ糖に変換されるためです。残りの果糖は、肝臓で代謝されるため、とりすぎはアルコールなどと同様に、肝臓に負担をかけると言われています。脂肪肝の原因になることもあります。

果物に入っているのはぶどう糖?フルクトース?
さてここでも問題!
- グルコース
- フルクトース
- ガラクトース
フルーツだから「2」?
でもさっき、「ぶどうからブドウ糖が見つかった」って言ってたから「1」??
正解は「1と2」です! 何が言いたいかというと
ということ。
- ブドウ糖の多い果物 →キウイ、アンズ、サクランボなど
- ブドウ糖・果糖が同じくらい含まれている果物 →ベリー系(ブルーバリー、イチゴなど)、柿など
- 果糖の多い果物 →リンゴ、メロン、マンゴー、ぶどう、スイカ、びわなど
- ショ糖の多い果物 →シトラス系(レモン、オレンジ、グレープフルーツなど) もも、バナナ、メロンなど
ミニテスト
グルコースとフルクトースに的を絞ったミニテスト! →うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)
二糖類
単糖類が二個くっついたもの(二分子結合)を「二糖類」といいます。
テキストによっては「少糖類(オリゴ糖)」となっているものもあります。

「少糖類」は、「単糖類」が2~10個程度くっついたものを言います。 「二糖類」と「三糖類以上の少糖類(オリゴ糖)」とは性質が違うので、分けて考えた方がいい!と私は思います(後述)。
| 単糖類 | ブドウ糖(グルコース) | |
| 果糖(フルクトース) | ||
| ガラクトース | ||
| 二糖類 | 麦芽糖(マルトース) | ブドウ糖+ブドウ糖 |
| ショ糖(スクロース) | ブドウ糖+果糖 | |
| 乳糖(ラクトース) | ブドウ糖+ガラクトース |
マルトース(麦芽糖)
ブドウ糖が二分子結合した物。
発芽した大麦から作られます。
つまり「malt」。
お酒好きな人はピンと来るかも?!
サツマイモをゆでる時、一気にゆでるよりも、ゆっくりことことゆでたほうが甘くなるのですが、これはゆっくりゆでることでサツマイモのでんぷんが麦芽糖に変わるかららしいですよ♪
水あめの主成分で、蜂蜜にも含まれています。
- 麦芽糖
- ブドウ糖
- デキストリン
- ブドウ糖
- 果糖
- 麦芽糖
スクロース(ショ糖)
ブドウ糖と果糖が一個ずつつながったもの。砂糖の主成分です。 
↑ なんか、勘ぐられてる?怖いー!!
ショ糖を結晶化させたものは「氷砂糖」としておなじみ♪
加熱すると茶色くなります(カラメル)。
ちなみに砂糖は英語で「sugar」ですが、フランス語だと「sucre」(スゥークフ)。フランス語の方が、「スクロース」に似ている気がします。
- ブドウ糖(グルコース)は、ショ糖、乳糖、麦芽糖などの構成成分である。 →〇(H30前 子どもの食と栄養)
- 果糖(フルクトース)は、ショ糖の構成成分である。 →〇(H30前 子どもの食と栄養)
ミニテスト
※気合を入れて、集中してやらないと、なかなかクリアできないので注意! →うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)
多糖類
「ブドウ糖」がたくさんつながったものです。
「ブドウ糖(グルコース)」は、植物にとっても、動物にとっても、生きるために重要なものです。
なので、いつでも使えるように、植物は「でんぷん」、動物は「グリコーゲン」の形で、体の中に蓄えています。
| 単糖類 | ブドウ糖(グルコース) | |
| 果糖(フルクトース) | ||
| ガラクトース | ||
| 二糖類 | 麦芽糖(マルトース) | ブドウ糖+ブドウ糖 |
| ショ糖(スクロース) | ブドウ糖+果糖 | |
| 乳糖(ラクトース) | ブドウ糖+ガラクトース | |
| 多糖類 | でんぷん(植物) | ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖・・・・・・・ |
| デキストリン(でんぷんを加水分解) | ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖・・・・・・・ | |
| グリコーゲン(動物) | ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖+ブドウ糖・・・・・・・ |
でんぷん
お米やじゃがいも、でんぷんのりのイメージが強いでしょうか? 
「ブドウ糖(グルコース)」がたくさんつながったもので、そのつながり方によって「アミロース」と「アミロペクチン」に分かれます。
- アミロース・・・直鎖状
- アミロペクチン・・・分岐状
アミロペクチンの方がもちもちしています。
もち米は、アミロペクチン100%です。
デキストリン
↑とにかく呪文のように繰り返して覚えてください。
グリコーゲン
動物の肝臓や筋肉の中に蓄えられています。 
ミニテスト
- 二糖類 →グルコース(ブドウ糖)+○○
- 多糖類 →グルコース(ブドウ糖)がいっぱいくっついたもの
- 植物→でんぷん
- 動物→グリコーゲン
頭の中を整理しながら、頑張ってくださいね! →うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)
おまけ
保育士試験にはほとんど出ないけど、気になった人のために♪
少糖類(オリゴ糖)
「少糖類」は英語にすると「oligosaccharide」。
でんぷんやグリコーゲンより小さいので、分解できそうな気がしますが・・・ 人の体はオリゴ糖を分解してエネルギーとして利用することができません。
よく、「便秘にはオリゴ糖」と言われますが、それは、「分解されずに腸まで届いて、ビフィズス菌のえさになるから」なんだそうです。
希少糖(プシコース)
「少糖類」と似ていますが、別物です。
私の好きなゼリーには「希少糖入り」とよく書いてあります。

「なんか珍しいものが入ってる!(その割には大量生産で安いな・・・。)」と思って調べてみたのですが、「希少糖」は「自然界にはほぼ存在しない単糖類」なのだそう。
つまり、工場で作られる糖。
主なものは「プシコース」と言って、「ショ糖の0.3%しかエネルギーとして使われない」「甘さはショ糖の7割。」とのこと。
「ヘルシーな糖」だけれども、体にとっていいのかは謎(*´Д`)
糖の種類 +αミニテスト
単糖類・二糖類・多糖類をごちゃまぜにしたミニテストです(*^-^*)



コメント
10月の試験に向けて勉強しています。家事育児仕事しながらは大変ですが、昔から福祉の仕事に興味があり、どうにか一回で受かりたいと必死です…!一問一答やテキストだけだと眠くなってしまうので、集中できなくなったときにこちらを見させていただいてます。うぱみさんの解説は分かりやすく覚えやすくて、とても助かります。子育て支援関連法の語呂合わせは特に秀逸だと思います。これからもよろしいお願いします((*’ω’*))
ぱんこさん、コメントありがとうございます♪
お役に立てて嬉しいです!
育児しながらの学習、一緒に頑張りましょう(^o^)/
本日、これから試験です。最後のみなおしでスタバでミニテストやってます。前期は独学で9学科中、子どもの食と栄養だけ落としてくやしかったので今回は絶対とりたい!
ほんとに役に立ってありがたいブログでした。神。
こんな私は現役サラリーマンの兼業ママ、子供は今年の春まで保育園生。授乳も離乳食もひととおりやって来たけど保育士側から必要になる知識との乖離に驚きました。じゃ頑張ってきます。ありがとうございました。
メイアンさん、コメントありがとうございます!
どうかお力を発揮できていますように(>_<)~☆
こんにちは、高3受験生です!
生物の勉強をしておりまして、単糖類や多糖類の良い覚え方ないかな。。。と探していたところ、こちらのサイトを見つけました。
覚え方などとても参考になり、大学受験に使える知識が詰まっていて本当に助かりました!
分かりやすいまとめをありがとうございます。
苫さん、コメントありがとうございます!
お役に立ててうれしいです(*’▽’)
大学受験頑張ってください♪