保育士試験・子どもの食と栄養の要「食事摂取基準」
数字がいっぱい並んだ表を見て、「こんな表覚えられないよ~!」と諦め・・・るのはまだ早い!
- 全ての栄養素に目を通さなければいけない?
- 全ての年齢の数値を覚えなければ解けない?
- 推定平均必要量・推奨量・目安量・目標量を覚えなければいけない?
そんなことないですよ!
実は、出題される栄養素はほぼ決まっているんです。
なので、とりあえず出題される物からおさえていきましょう(^o^)/
食事摂取基準学習のポイント
推定平均必要量の数値が出題されたことは、過去5年間ありません。
とりあえず、「推奨量」を見ましょう。
「推奨量」がない物は「目安量」が書かれています。乳児は、「推奨量」ではなく「目安量」が示されています。
めったやたらに出題されているわけではないんです。
出題の意図があります。
- 乳児・幼児・学童期についての出題
- 男女の数値が同じ・女性のほうが多い
この辺は要チェック☆
食事摂取基準②エネルギー・たんぱく質・カルシウム・鉄は必ずチェック!
ポイントをおさえて、「食事摂取基準」を得意にしていきましょう(●^o^●)
今回は、「推奨量」「推定平均必要量」「耐容上限量」「目安量」「目標量」と、年齢の区分など、食事摂取基準の表を見る時の基本的な事柄について解説します。
推定平均必要量・推奨量などの違い
ほとんどの栄養素では、「推定平均必要量」と「推奨量」の2つが設定されています。まずは、この二つの違いをおさえておきましょう。
- 推定平均必要量
・・・半数の人が必要量を満たす量 - 推奨量
・・・ほとんどの人(97~98%)の人が充足している量
ちなみに、「推定平均必要量」と「推奨量」はどっちが数値的に多いと思いますか?
上の説明を読んで、私は直感で「推定平均必要量のほうが多そう!」とずっと思っていたのですが・・・
たんぱく質(女性) | 推定平均必要量 | 推奨量 |
18~29歳 | 40 | 50 |
30~49歳 | 40 | 50 |
正解は「推奨量」です。
「推定平均必要量」と思った人は、私と同じ間違いをしているかも!
- 推定平均必要量
・・・この数値を下回ると半数の人が欠乏症に(半数の人はこれで足りてるのかも) - 推奨量
・・・この数値を上回ればほとんどの人はOK
↑実際は、こういう意味です。
もちろん、保育園の給食は、「推定平均必要量」ではなく、「推奨量」をこえるように計算されているはずです(^^) なので、私たち保育士が気にかけるべきなのも「推定平均必要量」ではなく、「推奨量」です☆
では、過去問を見てみましょう。
推奨量とは、ある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団に属するほとんどの人(97~98%)が充足している量をさす。(H27地「子どもの食と栄養」問3より)
正答:○
耐容上限量
では、推奨量をこえていればいくらでも取っていいかというと、栄養が多すぎるとそれはそれで体に負担になります。なので、「耐容上限量」が設定されている物もあります。
目安量
科学的に「推定平均必要量」や「推奨量」が分からない物は、「目安量」が設定されています。「目安量」は、この数値以上を取っていれば不足のリスクはまずない、数値です。
(※ただし「鉄」のみ、「6~11月」は「推奨量」。)
これは大事!
↓ここまでは問われませんが、一応・・・
1歳以降で、「目安量」が示されているもの
- n-6系脂肪酸、n-3系脂肪酸
- ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK
- パントテン酸、ビオチン
- カリウム、リン
- マンガン、クロム
目安量とは、ある母集団における平均必要量の推定値で、ある母集団に属する50%の人が必要量を満たすと推定される 日の摂取量である。(H24再「小児栄養」問2より)
正答:×
「目安量」ではなくて、「推定平均必要量」についての説明です。
目標量
これとは別に、「目標量」が設定されている物もあります。
「目標量」は、生活習慣病の予防のために目指すべき数値です。
「目標量」が示されているもの
- 1歳~
・・・たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム - 3歳~
・・・食物繊維、カリウム、飽和脂肪酸
乳児期における食事摂取基準は、目標量が設定されている。(H28後「子どもの食と栄養」問18より)
正答:×
乳児(0歳児)は、「目安量」が示されています。
目標量とは、生活習慣病の一次予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量である。(H24再「子どもの食と栄養」問2より)
正答:○
上記、説明の通りです。
乳児は基本2区分
ほとんどの栄養素では、乳児期は「0~5月」「6~11月」の2区分に分れて書かれています。
◆脂質
男性 | 目安量 | 目標量 |
0~5月 | 50 | |
6~11月 | 40 | |
1~2歳 | 20~30 | |
3~5歳 | 20~30 | |
6~7歳 | 20~30 |
ただし、「推定エネルギー必要量」と「たんぱく質」だけは、「0~5月」「6~8月」「9~11月」の3区分です。
◆たんぱく質の食事摂取基準
男性 | 推奨量 | 目安量 |
0~5月 | 10 | |
6~8月 | 15 | |
9~11月 | 25 | |
1~2歳 | 20 | |
3~5歳 | 25 | |
6~7歳 | 30 |
6~8か月ごろ寝がえりをするようになって、9~11か月ごろはいはいが始まり、運動量も増えるので、必要なエネルギーやたんぱく質も増えるんですね(^O^)
よく出題されるところなので、チェックしておきましょう!
エネルギーの食事摂取基準は、乳児期では、0~5(月)と6~11(月)として示されている。(H25本)
正答:×
3区分です。
たんぱく質の食事摂取基準は、乳児期では、0~5(月)、6~11(月)の2区分で示されている。(H27本「子どもの食と栄養」問1、H25「子どもの食と栄養」問2)
正答:×
3区分です。
ちなみに学童期は、6~7(歳)、8~9(歳)、10~11(歳)の3区分です。イメージ的には、「1・2年生」「3・4年生」「5・6年生」って感じでしょうか。
身体活動レベルは、乳幼児は1段階
「推定エネルギー必要量」は、ほとんどの年齢区分でⅠ(低い)、Ⅱ(普通)、Ⅲ(高い)の3つのレベルで示されています。
ただし、乳幼児(「3~5歳」まで)は、男女とも1区分です。
◆推定エネルギー必要量
身体活動レベル | |||
男性 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ |
0~5月 | 550 | ||
6~8月 | 650 | ||
9~11月 | 700 | ||
1~2歳 | 950 | ||
3~5歳 | 1300 | ||
6~7歳 | 1350 | 1550 | 1750 |
8~9歳 | 1600 | 1850 | 2100 |
コメント
分かりやすいです!
タンパク質摂取基準の例題
正解は○→❌ではないでしょうか?
2区分ではなく、3区分なので(^_^)/
中野みずきさん、コメントありがとうございます(●^o^●)
その通りです!訂正しました。ご指摘ありがとうございましたm(__)m