ここ数年の傾向では、保育実習理論(楽典問題)問5は、移調後の調の調号を選ぶ問題になっています。
問4(移調)はできるけど、問5がさっぱり分からない!って人は、「調って何?」「♯2つはニ長調とかって、いちいち覚えなきゃならないの?」とかなりパニックになっているんじゃないかと思います。
問5の解き方としては、
- 調号から、移調前の調を見きわめる
- 決められた音程で移調する
- 移調後の調の調号を答える
という手順です。
問5の解き方については、
で、階段の図を使って説明したのですが、ややこしくて簡単じゃない!
特に、移調前の調を見きわめるのに、頭を悩ませる必要があるという・・・
ということで、今回は図はもちろんですが、「移調前の調を見きわめる方法」を音楽が苦手な人でもなるべく簡単に解けるように、全面的に見直しました。
⑪調って何? ←今回
⑫移調前の調の見きわめ方
⑬移調と移調後の調
の3回に分けて解説します。一人でも多くの方が、問5を正解できるように☆解説しますので、お付き合いください。
※今回は理論的な話になります。試験前で、とにかく簡単な方法だけ知りたい!って方は、今回は飛ばして、⑫の真ん中あたりから読んでください。
動画で学習♪
「調」って何?
「ハ長調」や「ヘ長調」などのことを「調」といいます。
「長調」「短調」があり、テキストなどではどちらも解説されていますが、保育士試験に出るのは基本的に「長調」です。
また、長調でも短調でも、移調した後の調号のつき方の法則は同じなので、とりあえず、「長調」として話を進めていきましょう。
問4(移調)の解き方で、「かえるの歌」の例を出しました。
長2度上に移調した時、
- ド →長2度上→ レ
- レ →長2度上→ ミ
- ミ →長2度上→ ファ♯
と、ファとドの時はいつでも♯をつけることになります。
そうすると調号は、こうなります。
「レ・ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド♯・レ」
と弾くと、「ドレミファソラシド」よりちょっと高いけど、まぁまぁ「ドレミファソラシド」のように聞こえるのです。
「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」と上がっていくのがポイントです。
この時、「ド」に当たる最初の音を「主音」といいます。
「レ・ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド♯・レ」の場合は、「レ」です。
この「レ」の音のことを和風な言い方で「二」といいます。
- ラ → イ
- シ → ロ
- ド → ハ
- レ → 二
- ミ → ホ
- ファ → へ
- ソ → ト
「いろはにほへと」または「はにほへといろは」です。
ちなみに、「ト音記号」や「ヘ音記号」の「ト」や「へ」も、この和風な言い方からきています。
主音に、♯や♭がついていた場合、「嬰(えい)」や「変(へん)」を付けます。
- ファ♯ → 嬰(えい)へ
- シ♭ → 変ロ
♯や♭の数って覚えなきゃいけないの?
♯や♭のつき方には法則があります。
法則はあるのですが、覚えなければならないですし、応用がきかないので、初心者の方は、まず「ニ長調」「ホ長調」など、それぞれの調に「♯」や「♭」を付けるところからやってみましょう。
調や移調をイメージしやすいように、PDFを作ってみたので、まずはこちらをプリントアウトしてください。
→ワークシート① 調と調号
下の水色の枠で囲んである部分を切り取ります。
「ニ長調(レを主音とする音階)」を作ってみましょう。
①二(レ)をドレミファ・・・の「ド」の下に合わせます。
②上のド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドに対応する音を読んでいきましょう。
ファ♯かソ♭か迷うところですが、
「ミ」と「ソ」の間なので「ファ♯」です。
同じく、「シ」と「レ」の間は「ド♯」です。
ということで、ファとドに♯がつくことが分かりました。
ハ長調から、ロ長調まで作ってみよう!
作り方が分からなければ、必死に覚えるしかないのですが、作り方や法則が分かれば、いざという時問題用紙の隅っこに自分でそれぞれの調の調号を書き、それと見比べることで答えを出すことができます。
ということで、ワークシート② ○長調と調号升目のあるノートに練習してみるのもいいですよ◎
まず、それぞれの調の主音をばばば~と書きましょう。
次に、先ほどの復習で、ニ長調をやってみましょう。
他の調もやってみましょう。
♯や♭がどの音についたのか、調べます。
♯や♭がついているところに色を付けると分かりやすいですよ。
さて、これは何長調でしょうか?
♯が一個だけついているので「ト長調」と分かりますね。
ちょこっとまとめ
いかがでしたでしょうか?
無事に♯や♭のつく仕組みは理解できましたか?
階段の図より解りやすいと思うのですが、
「いやいや、全然分かりやすくないじゃん!」
「やっぱり挫折した!」
「問5のためだけに、試験時間(私の労力)をそんなに割けない!」
って方、ごもっともですm(__)m
実際の試験では、♯や♭が5個も6個もついたものはまず出ません。
試験に出るのだけ、ささっと調号を付けられるようになればいいのです。
ということで、次回は実際の試験で問題を解くための方法を解説します。
☆伴奏(問1)
★楽典用語(問2)
①楽譜の読み方♯♭♮
②音階の基本
③音程2度3度(問3・問4・問5)
④音程5度など(問3・問4・問5)
⑤移調(問4・問5)
⑥和音の根音ABCDEFG(問3)
⑦和音のコードMとm(問3)
⑧和音dim、aug基本形(問3)
⑨和音M、mの転回(問3)
⑩和音セブンスコード(問3)
⑪移調、調号の考え方(問5)
⑫移調前の調の調べ方(問5)
⑬移調後の調の調べ方(問5)
⑭和音の移調(問4)
♪二長調の階名「ファ」は、音名「嬰ト」である。の解き方(問6)
コメント
うぱみさん、わからないこともいつもお世話になって大変助かってます!
なのですが、⑦辺りからチンプンカンプンです…
わからなさ過ぎて、質問もわからないくらいです。
りほさん、コメントありがとうございます!
遅くなってごめんなさい。
その後、いかがでしょうか?
どうしてもわからない場合、とりあえず、⑫、⑬をやってみてください。これだけでも、点数に結び付くと思います。
その後は音楽理論に固執せず、他の科目の暗記を完璧になるよう、頑張ってください(^o^)/