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ビタミン(栄養素の種類と働き)は、欠乏症もチェック!

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「栄養素の種類と働き」の中でも、出題は多くないですが、働き・欠乏症を覚えておくことで得点に結びつきやすいのが「ビタミン」です。

ビタミンいっぱいのフルーツ

「食事摂取基準」や「妊産婦の食事」など、他の分野とも関連があるので、しっかり押さえておきましょう。

ビタミンの主な働き

ビタミンは、体の中で働く酵素の働きを助けます。
ビタミンは、体の中で作ることができないので、食べ物から摂取する必要があります。
(ちなみに、ある物質がビタミンか、ビタミンでないかは、その生物がその物質を体内で作り出せるかどうかによるそうです。「体内で作り出せる→ビタミンではない」となります。)

水溶性と脂溶性

脂溶性ビタミンは、「ビタミンD」「ビタミンA」「ビタミンK」「ビタミンE」です。「脂溶性ビタミンはこれDAKE!」と覚えましょう。
それ以外は水溶性ビタミンです。

水溶性ビタミン

「水溶性」は、水に溶けやすいビタミン。ゆでたりしたときに、お湯の中に栄養素が溶け出てしまって、失われやすいビタミンですが、茹で汁をスープにするなど工夫次第で取りやすくなります。取り過ぎた分は、吸収されずに、排出されます。
ビタミンBとは、ビタミンCの錠剤を飲んだ後に、尿が黄色くなるのはこのためです。

体内に蓄えておくことができないので、足りなくならないように常に摂取を心がける必要があります。

脂溶性ビタミン

「脂溶性」は、油に溶けやすいビタミン。調理のときに油を使うことで吸収率がアップします。体の中では、脂質とともに吸収され、肝臓に蓄えられるので、取り過ぎには注意が必要です。

それぞれのビタミンの役割と欠乏症

ビタミンが足りないと、酵素がうまく働けなくなり、主に代謝に関するトラブルが起こってきます。これを「欠乏症」といいます。ビタミンの役割と欠乏症はセットで覚えておきましょう。

試験でよく出題されるのは、箇条書きの部分です。

日ごろの食生活で「この食品には、このビタミンが入っていて・・・」と意識することで学習効率が高まると思うので、具体的な食品名も載せておきます。

ビタミンA

  • 脂溶性ビタミン
  • βカロテン(プロビタミンA)が、体内でビタミンAに変化
  • 欠乏症:夜盲症

ビタミンA豊富なにんじんを豚肉と一緒に
ビタミンAは、動物性食品から「レチノール」として取る方法と、植物性食品から「βカロテン」として取る方法があります。

レチノールは肝やレバーに多く含まれているため、妊娠中の方は特にこれらの食品への注意が必要です。
一方、植物性食品(ホウレン草、小松菜、春菊、ニンジン、ミカンなど)から取ることのできるβカロテンは、体内でビタミンAが不足しているときのみビタミンAに変換されるので、妊婦さんにも安心です。

ちなみに「カロテン」は、「carrot」からきています。きゃろてん・・・

ビタミンB1

  • 水溶性ビタミン
  • 糖のエネルギー代謝に関与
  • 欠乏症:脚気

ビタミンB1豊富なウナギで糖の代謝アップ
米が主食の日本人に大事な栄養素です。炭水化物(糖)をエネルギーに変えるときに使われます。
糖は脳のエネルギーにもなるので、脳にエネルギーを送るのにもつかわれます。

不足すると、疲れやすくなったり、集中力が落ちたりします。

豚肉やウナギ、納豆に豊富です。

「土用の丑の日」にウナギを食べるのは、昔は肉を食べる習慣がなくビタミンB1が日常的に不足していたからで、欧米の肉食文化の根付いた現代ではビタミンB1が著しく不足することがはないため、ウナギを食べても特別な効果はないそうです。だから最近は「ウのつくものなら何でもいい。うどんでもいい。」と言われてるんですね・・・

最近疲れやすいな~とか、ダイエットをしている人とかは意識して取ると良さそうですね!

ビタミンB2

  • 水溶性ビタミン
  • 脂質のエネルギー代謝に関与
  • 目や口、消化器系など体内の粘液を正常な状態に保つ
  • 成長ホルモンを合成
  • 欠乏症:口角炎、口唇炎、舌炎

魚の皮まで食べてビタミンB2
レバーや魚の皮に多く含まれています。キノコや野菜、果物にも豊富です。

熱に弱いので、加熱しすぎると壊れてしまいます。調理の際には注意が必要です。

不足すると、目の充血や、成長障害が起こることもあります。

ナイアシン

  • 水溶性ビタミン
  • エネルギー代謝に関与
  • 欠乏症:ペラグラ

レバーに含まれるナイアシンは過熱に強い
レバー、魚、肉などに多く含まれています。
体内で合成することもできます。体内で合成する際には、必須アミノ酸の一つ「トリプトファン」から合成されます。

ナイアシンは、ビタミンB群のひとつです。熱に強く、加熱調理をしても壊れません。

アルコールの分解もたすけてくれますが、アルコールの分解に使われるので、アルコールをよく摂取する方は不足しがちです。不足すると、倦怠感が出ます。

極度に欠乏した場合、ペラグラ(ニコチン酸欠乏症)になります。ペラグラの症状は、皮膚炎、下痢、認知症などです。

ビタミンB6

  • 水溶性ビタミン
  • たんぱく質・脂質の代謝に関与
  • 欠乏症:皮膚炎、口角炎

不足すると他にも、ニキビになりやすい、動脈硬化・脂肪肝の要因、免疫力の低下などが起こります。
過剰に取った場合、しびれなどの神経症状があらわれることがあります。

ニンニクやマグロの赤身に豊富に含まれています。

ビタミンC

  • 水溶性ビタミン
  • 抗酸化作用
  • 鉄の吸収を促進
  • コラーゲンの生成
  • 欠乏症:壊血病

ビタミンCといえば、レモン
ビタミンCは、レモンなどの果物に豊富に含まれることでおなじみです。果物の中でも柑橘系の果物に多く、アセロラにはレモンの20倍近いビタミンCが含まれています。他にも、野菜やイモにも多く含まれています。

ストレスや病気などへの抵抗力を高めるので、風邪予防にビタミンCを意識して取る方も多いのではないでしょうか。

抗酸化作用があるので、カットしたリンゴにかけて変色の予防に使ったり、食品に添加されていることもあります。

ビタミンD

  • 脂溶性ビタミン
  • エルゴステロール(プロビタミンD)が紫外線によってビタミンDに変化
  • カルシウムの吸収沈着に関与
  • 欠乏症(子ども):くる病(骨の形成異常)
    欠乏症(大人):骨粗鬆症

キノコのエルゴステロールからできるビタミンDで骨粗鬆症予防
きのこ、魚介類、卵に含まれています。日光を浴びることで体内で作り出すことができます。

最近は幼児のくる病が増えているのだとか。母乳栄養の赤ちゃんや、アレルギーなどで食事制限をしている赤ちゃんは、ビタミンDが不足しがちです。1日15分程度、適度な日差しを当たることが効果的です。紫外線に当たり続けるのは避けたいので、日差しの強い10~14時の外出は避けたり、帽子や日よけを利用したりしましょう。

※2010年版「食事摂取基準」では、適度な日照を受ける乳児より、その機会の少ない乳児の方が、目安量が高く設定されていましたが、2015年版は適度な日照を受けない乳児の数値に統一されました。

ビタミンE

  • 脂溶性ビタミン
  • 細胞膜の過酸化防止作用

ナッツで手軽にビタミンE
抗酸化作用があり、生活習慣病やろうかと関連する疾患を予防します。

アーモンドなどのナッツ類や、魚介類、アボカドなどに多く含まれています。

ビタミンK

  • 脂溶性ビタミン
  • 血液凝固因子(プロトロビン)の産生を調節
  • 欠乏症(新生児):新生児頭蓋内出血症・新生児メレナ(消化管からの出血)

授乳婦も取りたいビタミンKは、納豆から
納豆や緑黄色野菜に豊富に含まれています。

体内の腸内細菌でも作ることのできるビタミンです。抗生物質を長期間飲むと、体内の腸内細菌の働きが弱まり、ビタミンKが不足することがあります。

ミニテストで確認

問題を作り過ぎてしまったので(笑)、二つに分けました。

試験に出る割に、一問一答問題集の中では問題が少なくて、練習しにくい分野だと思ったので、似ている問題も含めて、全59問です!

基本編・・・3択問題です。ビタミンB群あたりはちょっと難しいかもですが、やりながらコツをつかみましょう♪

うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)

応用編・・・としましたが、基本編とあまり難易度は変わりません。○×クイズです。

うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)

ビタミンによっては、同じような働きをするようなもの、同じような欠乏症が起こるもの、色々な欠乏症があるものなど、様々です。よく整理しておきましょう。

日ごろ、食事を取る際に、栄養素に注目してみるといいですよ。

過去問

平成26年度再試験 子どもの食と栄養問17
次の文は、栄養摂取不足が原因の疾病に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

( A )は、子どもの骨の形成異常(骨格異常)を主とする疾患であり、原因のひとつとして、( B )ビタミンである( C )の不足があげられる。( C )は、皮膚で前駆体から紫外線により生成されるため、( A )は適度な日照を受ける機会が少ないと発症する可能性が高くなる。( D )は、( C )を豊富に含んでおり、補給源として優れている。

(選択肢省略)
Aくる病 B脂溶性 CビタミンD D魚介類

「ビタミンD→くる病」はセットで覚えておきましょう。

まず、「水溶性」「脂溶性」で見当を付けます。

平成24度本試験 小児栄養問5
次の【Ⅰ群】のビタミンと、【Ⅱ群】の内容を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A ビタミンB1
B ビタミンB2
C ビタミンC
D ビタミンE
E ナイアシン

【Ⅱ群】
ア 水溶性ビタミン。エネルギー代謝に関与するビタミンであり、欠乏症としてペラグラが知られている。
イ 脂溶性ビタミン。細胞膜の酸化防止作用をもつ。
ウ 水溶性ビタミン。糖質のエネルギー代謝に関与し、代表的な欠乏症は脚気である。
エ 水溶性ビタミン。体内ではコラーゲンの生成と維持に関与する。
オ 水溶性ビタミン。エネルギー代謝に関与し、代表的な欠乏症として、口唇炎、舌炎、口角炎などがある。

(選択肢省略)
Aウ Bオ Cエ Dイ Eア

欠乏症をバッチリ覚えてあれば、正解できますね。
ビタミンCは、「コラーゲンの生成」もポイントです。

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コメント

  1. あや より:

    ビタミンのミニ試験応用で、ビタミンKは骨粗鬆症の予防に役立つことが期待される◯とありました。
    ビタミンD=骨粗鬆症と覚えていたので、ビタミンKも関係するのでしょうか?

    • うぱみ より:

      あやさん、コメントありがとうございます(*^。^*)

      記事中にはないのですが、ビタミンKには、骨の中のたんぱく質を活性化し、骨の形成を促す働きがあります。

      そのため、骨粗しょう症の予防として期待されています。

  2. ごんた より:

    はじめまして。30年後期の一発合格を目標に頑張っております。
    ビタミンわかりやすくまとめていただきありがとうございます!もし糖類についても同じようにまとめていただいた記事があるとありがたいです(>_<)

    • うぱみ より:

      ごんたさん、コメントありがとうございます!

      糖類ですね!
      7月中にアップできるように頑張ります(^O^)/☆

      • ごんた より:

        糖類まとめて頂き感激です…( ; ; )ありがとうございます!がんばります!

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