10年前の調査と比べ、大きな変化が見られた授乳期の栄養方法。
ポイントは、
ことです。
その背景として
があげられます。
今回は、
- 授乳期の栄養方法の変化
- 母乳栄養児増加の背景
この2点について学習します。
授乳期の栄養方法の変化
生後1ヶ月、生後3か月共に変化が見られます。
生後1ヶ月(2人に1人が母乳のみ)
- 母乳栄養 → 母乳のみ
- 混合栄養 → 母乳とミルク
- 人工栄養 → ミルクのみ
これまで、調査のたびに減り続けていた「母乳栄養」の割合が、42.4%→51.3%と回復し、2人に1人以上が母乳栄養。
混合栄養も含めると、母乳を与えている割合は、96.5%にもなります。
生後3か月(母乳のみの人増加!)
S60、H7、H17とほぼ横ばいで推移していた母乳栄養の割合が大幅アップ!
2人に1人以上が母乳のみです。
また、人工栄養(ミルクのみ)の割合は、H17調査の半分以下になりました。
平成17年度調査では、一番多いのは「混合栄養」なので「○」ですが、
平成27年度調査では、最も多いのは「母乳栄養」なので、「×」です。
生後1ヶ月→3か月
注目すべきは、今までの調査では、生後1か月から3か月にかけて、母乳栄養の子は減っていたのですが、平成27年度は増えているということです。
生後1か月の時点で、母乳が足りないなど事情があって混合栄養で育てていたママさんの中で、あきらめずに努力して生後3か月には完母になったって方が増えているんですね!
では、次は、母乳栄養児が増加した背景について調べていきましょう。
母乳栄養児増加の背景
「母乳で育てたい」ママと「ミルクで育てたい」ママ
出産前、「母乳で育てたい」と考えていた人と、特にそう考えていなかった人では、出産後の栄養方法に差はあったのでしょうか。
↑この割合は、H17調査とほとんど変わりはないです。
出産前は、9割以上の人が「母乳で育てたい」と考えています。
実際に出産後、どのような栄養方法で育てているかを見てみると
「母乳で育てたい」と強く願っていた人ほど、母乳で育てている割合が高くなっているのがわかります。
ただ、こちらはH17の資料が見つからないので、H17も同じくらい母乳で育てたいという人がいたのですが、どのようにH27は実際に母乳で育てている人が変化したのか…まではわかりません。
産院での支援と「母乳育児を成功させるための10カ条」
医療従事者向けに、「母乳育児を充実させる十か条」というものが出されています。
その中で注目すべきは、この3つの文!
4.お母さんを助けて、分娩後30分以内に赤ちゃんに母乳をあげられるようにしましょう。
7.お母さんと赤ちゃんが一緒にいられるように、終日、母子同室を実施しましょう。
8.赤ちゃんが欲しがるときは、いつでもお母さんが母乳を飲ませてあげられるようにしましょう。
う~ん、でも実際これって努力目標でしょ?
本当に守られているの?
実際この通りにしたら、母乳育児は成功するの?
出産を経験された方、どうでしたか?
ちなみに、私が出産した病院は
4→授乳は、出産した次の日から
7→母子同室は、出産した次の次の日から
(出産で疲れているので、まずは母体を休ませる)
8→授乳は3時間おき
ということで、この3つに関しては全く守られていませんでした。
そもそも、分娩後30分ってまだ母乳出ないよね(;一_一)
・・・とりあえず、くわえさせればいいのか?
ちなみに、二人目は別の病院で
4→初回吸畷(きゅうてつ)は、出産2時間後
7→母子同室は、出産した次の日から
8→母子同室中は、赤ちゃんが欲しがった時
まぁまぁ守られていましたが、「自宅に帰ったら、一日中赤ちゃんの世話をしなきゃだから、入院中は無理しないで休んでね。」という方針で、母子同室を希望しない人も多かったです。
10カ条は、本当に守られているの?
4人に1人以上が「7.出産直後から母子同室」なんですね\(◎o◎)/!
出産は「富士山2往復分の体力を使う」ともいいますし、あの壮絶な陣痛&出産を乗り越えて、休む間もなく母子同室って・・・すごいなぁと思うのですが・・・新生児は寝ている時間が長いからいいのか・・・?
「欲しがる時はいつでも母乳をあげていい」が現在の子育てです。一昔前はNGだったらしいです。なので、おばあちゃん(自分の母や義母など)から「泣いてもすぐに母乳あげちゃダメ!」といわれて悩むママもいるみたいです。
実際10カ条の通りにしたら、母乳育児は成功する?
劇的に改善するという訳ではないですが、この3つを実践した方が、生後1ヶ月の時点で、母乳育児をしているママは多いので、それなりに役に立っているみたいですね。
そもそも、なぜ母乳がいいの?
なんか、ここまで母乳!母乳!といわれると、ミルクで育てるのは悪いことみたいな、気もしなくもないですが、どうなんでしょう?
「母乳育児を成功させるための十か条」というのは、開発途上国において、「母乳だけで育てられた子どもは、人工乳や混合乳で育てられた子どもよりも、1歳まで生き伸びる可能性が約3倍も高い」というユニセフの発表を受けて、母乳育児ママを増やそう!と作られたものです。
日本では人工乳や混合乳で育てられた子も、母乳だけで育てられた子と同様、元気に大きくなりますからね。事情があって、ミルクで育てているママさんが、責められるべきではないです。
母乳育児は成功した方がもちろんいいけど(経済的にも楽だし)、日本の粉ミルクは衛生的で栄養価も高いですし、ミルクで育てているママさんが肩身の狭い思いをしないようにしたいですね(●^o^●)
・・・余談ですが、ミルク育児って楽じゃないですよ。夜中の授乳で、ミルク作って、さまして、飲ませて、洗って、消毒してって・・・しかも作ったのに飲まないこともあるし。母乳なら、飲ませてすぐ一緒に寝られるのに、ミルクって哺乳瓶洗わなきゃなんで、睡眠時間削られます(>_<)
母乳?ミルク?ちょこっとまとめ
- 生後1か月・3か月ともに最も多いのは「母乳栄養」(2人に1人以上)
- 生後1か月→3か月にかけて、母乳栄養が増加
その背景とは・・・。
- 母乳で育てたい人は、9割以上
- 「母乳育児を成功させるための十か条」より
「出産後30分以内に母乳を飲ませた」→増加
「出産直後から母子同室だった」→増加
「赤ちゃんが欲しがる時はいつでも母乳を飲ませた」→増加 - 「出産後30分以内に母乳を飲ませた」「出産直後から母子同室だった」「赤ちゃんが欲しがる時はいつでも母乳を飲ませた」に「はい」と答えた人ほど、母乳栄養の割合が高い
コメント
[…] 出典:平成27年度乳幼児栄養調査①授乳:母乳とミルクどっちが多い? […]