児童相談所における児童虐待関連の統計資料についてのまとめです。
「児童虐待の統計」と一口に言っても、
- 児童相談所における児童虐待相談件数
- 児童養護施設等入所児童の虐待経験
- 児童養護施設等における虐待
等があり、それぞれ傾向が違うので、よく理解し、注意して学習する必要があります。
今回は、1の児童相談所における児童虐待相談件数について、「福祉行政報告例」という統計資料から、抜粋してまとめます☆
児童相談所における児童虐待相談
児童相談所には、「障害相談」「養護相談」「育成相談」「非行相談」「保健相談」などの相談が日々寄せられています。(「児童虐待」は「養護相談」に分類されています。)
児童虐待の相談種別
また、それぞれどんな割合でしょうか?
まずは、考えてみてくださいね☆
☆児童養護施設等における虐待経験のある児童の統計とは、全く別の統計なので、注意してください。結果が全然違います(・。・;
最新統計は平成28年度のものなので、上記のグラフは平成28年度の統計資料から引用します。(H30前期試験を受ける方は「H27」の結果、H30後期を受ける方は「H28」の結果を見てください。)
このグラフで注目すべきは、数値をきっちり覚えることではなく、「傾向を知ること」。
どの年度も、
- 心理的虐待(約半数)
- 身体的虐待
- ネグレクト
- 性的虐待(約1%)
となっています。
「ここからだね、ねぐせ(*_*)」とでも覚えておきましょう。
相談件数の増加
ところで、「心理的虐待」以外は、年々減っているように見えますが、
実は、
特に心理的虐待の相談数が増えたので、他のものは割合として減っているだけです。
総数は、平成27年は約10万件、平成28年は12万件と、ぐんぐんアップ!
ちなみに、児童虐待防止法の成立した平成12年度の相談件数は2万件弱。
もっとさかのぼって、統計を取りはじめた平成2年は1千件ほどなので、ここ25年間で相談件数は100倍に増えていることが分かります。
これは、単に「虐待の数が増えている」のではなく、「虐待とは何か」が広く認知され、「虐待の相談をする人が増えている」ということですね。(この「虐待の相談」は、「私虐待しているのですが・・・。」だけでなく、「近所の子、虐待されているんじゃないかしら?」「うちの園の子、最近衣服も乱れているし、食事も家ではまともにとれていないみたい」といった、外部からの相談も含まれます。)
ここ5年で「心理的虐待」が劇的増加
「心理的虐待」は、以前は「身体的虐待」「ネグレクト」よりも少なかったのですが、平成24年→25年に逆転しました。
さらに、ここ5年間(H24→H28)で、その数は倍以上になっています(>_<) なので、「心理的虐待が一番多い!」は大事☆覚えておきましょう。
過去問
平成29年度後期試験 児童家庭福祉 問13
次の図は、「平成27年度福祉行政報告例」において報告された、児童相談所における児童虐待相談の相談種別の割合を示したものである。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。図
(選択肢省略)
正答:A心理的虐待 B身体的虐待 Cネグレクト D性的虐待
正答:○
虐待を受けた子の年齢
0~2歳+3~6歳をすると、7~12歳より多くなるのですが・・・。統計マジック(゜o゜)◎
この割合は、過去15年さかのぼってもほとんど変化はありません。
正答:×
虐待は、父から?母から?
そういえば、シンデレラも原作では、「継母(実母以外の母親)」ではなく、「実母」に虐待されていたらしいですね。
注目すべきは「実父」の追い上げ。
しています。平成20年ごろまでは、2割程度だったのですが、ぐんぐんアップして、4割に届く勢いです。
この統計は、どうみるべきなんだろうか・・・?日本社会の余裕の無さ?それとも、父親の虐待に対しても、SOSを発しやすくなったってことなのかな?
ミニテスト
↓なんか、デザイン変わりました♪
→うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)
「市町村における児童虐待相談の対応件数」については、次回解説します。
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