「児童家庭福祉」では、「児童福祉法関連」の出題が多めです。
「児童福祉法関連」とは、「児童福祉法」の条文そのものを使った問題と、「児童福祉法」改正の歴史に関する問題とに大きく分けられます。
ここでは、分野ごとに問題を作ってみました。
「児童福祉法」条文からの出題
「児童福祉法」条文からの出題は、「児童家庭福祉」のみならず、他の科目でもあります。条文の穴埋めは、割とよく出題されています。
「児童家庭福祉」で特に多いのが、「児童」の定義についての出題です。
「児童福祉法」条文クイズ
どんな形式のクイズにしたらいいか悩んだのですが、とりあえず、「○×式」と「選択式」の問題を置いておきます。
→うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)
※条文は古い児童福祉法を元にしたミニテストとなっています。ご注意ください。あたらしいミニテスト、作成中です。
解説
よく出題されるので、「児童の定義」の部分を引用しておきます。(読みやすいように、一部修正しています。)もとの文章はこちら
第4条 この法律で、児童とは、満18歳に満たない者をいい、児童を左のように分ける。
一 乳児 満1歳に満たない者
二 幼児 満1歳から、小学校就学の始期に達するまでの者
三 少年 小学校就学の始期から、満18歳に達するまでの者
○2 この法律で、障害児とは、身体に障害のある児童、知的障害のある児童、精神に障害のある児童(発達障害児を含む。)又は治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であつて障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第4条第1項 の政令で定めるものによる障害の程度が同項 の厚生労働大臣が定める程度である児童をいう。
「支弁」について
児童福祉関連の事業に置いて、誰が、どこにお金を出すのか、ということが、児童福祉法第50条、51条に書いてあります。(第50条は都道府県の支弁、第51条は市町村の支弁です)
都道府県の支弁(児童福祉法第50条)
- 都道府県児童福祉審議会に要する費用
- 児童福祉司及び児童委員に要する費用
- 児童相談所に要する費用(第9号の費用を除く。)
- 小児慢性特定疾病医療費の支給に要する費用
- 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業に要する費用
- 都道府県の設置する助産施設又は母子生活支援施設において市町村が行う助産の実施又は母子保護の実施に要する費用
都道府県が行う助産の実施又は母子保護の実施に要する費用 - 障害児入所給付費、高額障害児入所給付費若しくは特定入所障害児食費等給付費又は障害児入所医療費(以下「障害児入所給付費等」という。)の支給に要する費用
- 都道府県が行う児童自立生活援助(満20歳未満義務教育終了児童等に係るものに限る。)の実施に要する費用
- 一時保護に要する費用
- 児童相談所の設備並びに都道府県の設置する児童福祉施設の設備及び職員の養成施設に要する費用
市町村の支弁(児童福祉法第51条)
- 障害児通所給付費、特例障害児通所給付費若しくは高額障害児通所給付費又は肢体不自由児通所医療費の支給に要する費用
- 市町村が行う助産の実施又は母子保護の実施に要する費用(都道府県の設置する助産施設又は母子生活支援施設に係るものを除く。)
- 都道府県若しくは市町村の設置する保育所若しくは幼保連携型認定こども園又は都道府県若しくは市町村の行う家庭的保育事業等に要する費用
- 都道府県及び市町村以外の者の設置する保育所若しくは幼保連携型認定こども園又は都道府県及び市町村以外の者の行う家庭的保育事業等に要する費用
- 障害児相談支援給付費又は特例障害児相談支援給付費の支給に要する費用
- 市町村の設置する児童福祉施設の設備及び職員の養成施設に要する費用
- 市町村児童福祉審議会に要する費用
多い(゜o゜) 覚えきれない・・・
ざっくり書くと
→「入所施設」、「一時保護」「児童相談所」など都道府県の業務、小児慢性特定疾病医療費の支給市町村の支弁
→「通所」、「相談」「子育て支援」など市町村の業務
って感じです。
ちなみに息子は生まれつきの病気があるので「小児慢性特定疾病医療費」の給付を受けています。手術費など医療費の大部分を県が出してくれます。(これを使わない場合、「こども医療費受給者証」を使えば、どの道私の手出しは無いのですが、市が数百万の医療費を負担することに・・・。)
コメント
うぱみさんの勉強法、参考書をつかって勉強しています。
2018年版保育士合格テキスト 上
4.児童家庭福士 8.障害児施策
障害者総合支援法についてなのですが、「サービスにかかった費用の1割自己負担(応能負担)」と記載があるのですが、1割負担は応益負担のことではないのでしょうか?
記事についてのコメントでなく申し訳ありません。
みきさん、コメントありがとうございます(●^o^●)
この部分、テキストの書き方、わかりづらいですね。
『福祉教科書 保育士完全合格テキスト』では、
・2006年障害者自立支援法制定により、利用者は費用の1割を負担することになった。
・これについては批判が多く、2012年の障害者総合支援法で「応能負担」に変わった。
とあります。
つまり、現在の制度では「応能負担」ということです。
じゃぁ、1割ってなんなの?って話ですが・・・
・サービスをあまり利用しなかった場合(自己負担額の上限に達しなかった場合)は、利用料の費用の1割を負担。
・サービスをたくさん利用して、「利用料の1割」が「自己負担額の上限」をこえてしまった場合は、「自己負担額の上限」までしか請求されない。
・「自己負担額の上限」は、所得によって決められている。 →「応能負担」ということになります。
お忙しい中お返事本当にありがとうございます!
うぱみさんのサイトがなければ独学の勉強をあきらめていました。
4月の試験に向けてがんばります!
支弁の問題について質問です!
次うち市町村の支弁となるものはどれか?の4択問題で、正答が障害児通所給付費。の下に、都道府県の支弁です。と書いてあるのですが、市町村の支弁の間違いでしょうか?
宜しく御願い致します(^^)
こーえーさん、コメントありがとうございます!
「障害児通所給付」以外(誤答)を選んだ際に「都道府県の支弁です」と解説が表示されるように設定していたのですが、分かりにくかったですね(・。・;
作り直します(^^)
はじめてコメントします。H30後期試験を受験するものです。
3回目の受験で1次試験あと児童家庭福祉のみです。支弁のミニテスト大変よいです。ぜんぜん理解できていなくてあてすっぽうのようだったのが理解できました。ありがとうございました。
55あがきさん。コメントありがとうございます☆
お役に立ててうれしいです~(*^▽^*)
うぱみさんこんにちは!
法律問題がやはり苦手で、自分で問題作ってみようとしたのですが(同じサイトで)私には難しく(涙)それに時間を費やすなら勉強した方がよいかと断念しました。。
そこで相談なのですが、児童福祉法、児童憲章、日本国憲法、教育基本法、学校教育法などの穴埋め、もしくは記述式の問題を作っていただけませんでしょうか、、
お忙しいだろうし大変恐縮です。無理にとは言いません。難しければスルーしてください^_^
ゆうさん、コメントありがとうございます✿
過去問分析しながら、出題の多いところを中心に作りたいので、更新は2月以降になってしまいそうですが、いくつか作らせていただきますね(*^^*)
ゆうさん
作りかけの日本国憲法があったので、アップしてみました。
ミニテストは試験的にすべて穴埋め(記述的)にしてみたのですが、自分でやってみてもクリアが難しくて、やる気が削がれるので(¯―¯٥)、○☓式、穴埋めタップ式を混ぜたミニテストを後日アップしようかと思います。
こんにちは。H31前期試験に向けて勉強をしています。こちらのサイトはとても分かりやすくありがたいです^ ^
支弁については、負担割合まで細かく出題されることは少ないでしょうか?
参考書に載っていたので気になりました。
よろしくお願いいたします。
ふぐさん、コメントありがとうございます✿
遅くなってすみません。
支弁の出題自体はあまり多くなはイのですが、過去には割合まで出題されたこともあるみたいです(>_<)
はじめまして!
いつもうぱみさんの解説を参考に2022年度4月の保育士試験を目指して頑張っています。
今年4月から改正民法で成人年齢が18歳に引き下げされます。それにより、保育士試験でより年齢に関する問題がだされるのではと焦っています。
児童福祉法は記載通り「20歳まで」ですか?
障害児福祉手当、特別児童扶養手当や
児童養護施設の20歳まで延長利用も18歳に変更されるのでしょうか??
がーひーさん、コメントありがとうございます。
児童福祉法で「少年」とは「小学校就学の始期から満18歳に達するまでの者」です。
障害児福祉手当・特別児童扶養手当は20歳未満。
児童福祉施設の措置延長は20歳までですが、その後も支援の必要があれば、大学在学中の場合22歳になる年度の末日まで必要な支援が受けられます(社会的養護自立支援事業等の実施についてH29.3.31)。今回の試験には出ませんが、上限撤廃する動きがあり、児童福祉法改正案が今後国会で審議されるようです。
年齢のところ、ごちゃごちゃして難しいですね(; ・`д・´)試験勉強頑張ってください!