子どもの「精神医学的問題」のミニテストです。
子どもの精神疾患は、保育士試験「子どもの保健」での出題率は7.1%。1~3問出題されます。
また、「保育の心理学」での出題率は5%。1問程度出題されます。
範囲は広いですが、ぜひ、攻略しておきたい分野です。
ミニテスト(基本)
文章短め、キーワードを抑えるためのミニテストです。
全24問から6問ずつランダムに出題されます。
「子どもの保健」「保育の心理学」の学習をすでに始めている方は、腕試しにやってみてくださいね☆
この分野の学習に不安のある人は、↓の「解説」を読んでからやってみましょう。
「完全攻略モード」では、一度も正答していない問題が出題されます。
「徹底復習モード」では、不正解の問題が優先して出題されます。←おすすめ☆
解説
出題例
平成27年度地域限定試験「保育の心理学」問13
次の文は、習癖異常に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を× とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A 習癖異常の症状には、指しゃぶり、爪かみ、鼻ほじり、抜毛などがある。
B 幼児期にみられる習癖異常の多くは、成長とともに減少する。
C 保育士が習癖を心配する親から相談を受けたときは、すぐにその行動を止めさせるように助言する。
D 心理的要因だけでなく、脳の器質的要因も考えられている。(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ×
5 × × × ○正答:2
○×のポイント
- チックや吃音などでも「本人に意識させるとよい」「すぐにやめさせる」といった選択肢が出てくるのですが、障害について意識させることは逆効果です。そういった選択肢があったら、迷わず「×」ですね。
- ×の選択肢にされやすいのは、「男子に多い」「女子に多い」といった文章です。発達障害や精神疾患では、男女に障害の発現率の差があることがあるので、注意しましょう。
- 精神疾患によっては、幼児期に発症し大人になってから発症しないもの、学童期以降に発症するものなど、発病する期間が決まっているものがあります。これも出題されやすいポイントです。
- 精神疾患発症の原因は「ストレス」が多いのですが、ストレスが原因でないものもあります。精神疾患の原因がストレスではない場合、「ストレスだ!」「虐待があるんじゃないか?」と間違って疑うことによって、苦しんでいる子どもや親を、さらに苦しめてしまうことがあります。原因についてもしっかりと把握しておきましょう。
幼児期に発症しやすい精神医学的問題
◆反応性愛着障害
- 主に幼児期に発症します。
- 幼いころに虐待やネグレクトなど不適切な養育によって愛着形成ができなかった場合などに起こりえます。
- 誰にでもなれなれしい「脱抑制型」と、誰にでも警戒心をあらわにする「抑制型」に分けられます。
→育て方を改善することで、症状も改善していきます。
◆吃音
- 2~3歳の文章を話し始めるようになったころの男児に多く、成長とともに消えていきます。
- 言葉の初めや、音節を繰り返すので、「こ、こ、これは、な、な、な、なんですか。」と、どもるように話し、言葉の流暢さを欠きます。
- 障害について本人に意識させるのは逆効果です。しかし大人が気をつけていても、小学校に入る頃になると周りの子に「しゃべり方変」と言われてしまうことがあるかもしれません。周りの子への配慮も大切です。
◆選択性緘黙
- 3~8歳ごろ発症しますが、成人期以降も続くことがあります。
- 親しい人には普通に話しますが、学校など慣れない場所や知らない人の前では、話ができなくなってしまいます。精神的な問題があると考えられます。
◆レット症候群
- 生後7カ月~2歳ごろ、女児のみに発生します。
- 少なくとも6ヶ月の正常な発達の後、目的を持った手の動きの喪失、知的機能の退行、運動障害が出て、80%は自閉的傾向を示します。
- 以前は広汎性発達障害(自閉症などの仲間)の一つと考えられてきましたが、原因が明確(x染色体の異常)で、他の広汎性発達障害では知的機能・運動機能の退行は見られないため、2013年からは広汎性発達障害とは別の精神疾患とする動きがあります。
学童期に発症しやすい精神医学的問題
◆チック/ドゥ・ラ・トゥレット障害
- 6~7歳の男子に多く見られます。
- 自分の意志とは関係なく、突然顔の筋肉が動いたり、声が出てしまったりを繰り返す症状を「チック」と言います。
- 音声チック単純型:咳払い、甲高い奇声など
- 音声チック複雑型:汚言、同語反復など
- 運動チック単純型:瞬き、口を曲げる、首をひねる、肩をすくめるなど
- 運動チック複雑型:臭いを嗅ぐ、人まね、奇妙な仕草、自分をたたくなど
- 多種類の運動チックと音声チックが1年以上続くと「ドゥ・ラ・トゥレット障害(トゥレット症候群)」と呼ばれます。
◆抜毛症
- 5~8歳を中心に思春期前の子どもたちによく見られます。ストレスや欲求不満により、自分の体毛などを引き抜くことが癖になります。
- 抜毛対象は、絨毯やセーター、ぬいぐるみの毛などに及ぶことがあります。
◆遺糞症
- 7~8歳の、すでに排便調節のできるようになった子が、わざとパンツや部屋の中などしてはいけないところで排便したり、便を壁などになすりつけてしまう、排泄障害です。
- 保育園児の場合、3歳ぐらいまではパンツ(おむつ)に排便してしまうことがありますが、その場合は排便調節はできるようになっていないとみなされるので、遺糞症ではありません。
- ストレスや情緒的な発達の問題があると考えられています。
◆強迫性障害
- 発症は主に10~12歳ごろですが、成人期以降も発症する可能性はあります。
思春期以降発症しやすい精神医学的問題
◆摂食障害
- 13~20歳の思春期に発病します。
- 圧倒的に女性に多く、太ることへの恐怖から、食事を極端に控えたり(拒食症)、むちゃ食いをした後、おう吐や下剤で排泄しようとしたり(過食症)します。拒食と過食を繰り返す人もおり、だんだんと空腹感・満腹感をつかさどる中枢神経が麻痺してきます。
- ひどくなると、月経が止まり、脱水や栄養失調で、命を落とすこともあります。
◆統合失調症
- 妄想や幻覚など多様な症状を示す精神疾患の一つです。感情のコントロールが苦手で、対人関係にも障害が見られます。
- 主な発症は思春期から青年期です。
- 10歳未満の子の場合、妄想や幻覚などを判断することが難しいので、表情や異常行動の有無から推定します。
- 原因は未だにわかっていません。
ミニテスト2
文章長め、応用編です。全17問から6問ずつランダムに出題されます。
「完全攻略モード」では、一度も正答していない問題が出題されます。
「徹底復習モード」では、不正解の問題が優先して出題されます。←おすすめ☆
コメント
こんにちは!
過去問として記載されていらっしゃる、平成27年度の地域限定の問13の回答は2ではないでしょうか、、??
さしでがましいコメントですみません(>__<)ご確認よろしくお願い致します!
リサさん、コメントありとうございます!
2です。ご指摘どうもありがとうございます(>_<) 訂正しました。ご迷惑おかけしました