「おしゃぶり」といえば、赤ちゃんのマストアイテムのような存在ですが、
って文章が、○×問題にあったら、答えは「×」です。
また、
昔は常識のように言われてきましたが、今はこれも「×」です。
というのも、「母乳育児を成功させるための十か条」というユニセフとWHOが出している共同声明があります。
母乳育児を成功させるための十か条
開発途上国において、母乳だけで育てられた子どもは、人工乳や混合乳で育てられた子どもよりも、1歳まで生き伸びる可能性が約3倍も高いことを、2006年にユニセフが発表しました。
ユニセフ・WHOは、
- 少なくとも生後6か月間は母乳だけで子どもを育てること
- 生後6か月間の完全母乳育児を続けた後、適切な補完食(離乳食)を食べさせながら、母乳育児を2年以上続けること
が、子どもの成長にとって最も適切な方法としています。
- 母乳育児の方針を全ての( ① )に関わっている人に、常に知らせること
- 全ての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること
- 全ての妊婦に母乳育児の良い点とその方法をよく知らせること
- 母親が分娩後、( ② )に母乳を飲ませられるように援助すること
- 母親に授乳の指導を十分にし、もし、赤ちゃんから離れることがあっても母乳の分泌を維持する方法を教えること
- 医学的な必要がないのに母乳以外のもの、水分、糖水、( ③ )を与えないこと
- ( ④ )にする。赤ちゃんと母親が一日中24時間、一緒にいられるようにすること
- 赤ちゃんが欲しがるときに、( ⑤ )の授乳を進めること
- 母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首や( ⑥ )を与えないこと
- 母乳育児のための支援グループを作りを援助し、退院する母親に、このようなグループを紹介すること
①医療 ②30分以内 ③人工乳 ④母子同室 ⑤欲しがるまま ⑥おしゃぶり
過去問
平成26年度再試験 子どもの食と栄養問5
次の文は、「母乳育児を成功させるための十か条」(WHO/UNICEF 共同発表)の内容に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を× とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
- すべての妊婦さんに母乳で育てる利点とその方法を教えるようにするとしている。
- 母乳で育てている赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないようにするとしている。
- 医学的に必要でないかぎり、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにするとしている。
- お母さんと赤ちゃんが一緒にいられるように、終日、母子同室を実施するようにするとしている。
(選択肢省略)
正答: ○ ○ ○ ○
おしゃぶりはいけないの?
「母乳育児を進めるためにおしゃぶりをしない」というのが、ユニセフ・WHOの声明ですが、赤ちゃんの泣き声がご近所さんに迷惑にならないか心配・・・って人にとっては、おしゃぶりは便利なアイテムです。
ですが、日本小児歯科学会の提言では、おしゃぶりを使った育児について、次のようなメリット・デメリットを示しています。
☆メリット
- 精神安定
- 簡単に泣きやみ、静かになる
- 入眠がスムーズ
- 母親の子育てストレスが減る
★デメリット
- 習慣性になりやすい
- 3歳過ぎまで常用すると、噛み合わせが悪くなる
- 5・6か月頃から行われる目と手の協調運動の学習の機会が減る
- 発声が遅くなる
- 親があやすことが減る
- 親子の触れ合い、言葉掛けが減る
おしゃぶりは、なるべく使用しない方がいいのですが、育児ノイローゼになるなど事情によっては使用することもあるでしょう・・・。ですが、その場合でも、おしゃぶり頼りにせず、なるべく使用しないでいる時間を増やすよう心がけることが大切です。
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