保育士試験「保育の心理学」の基本中の基本「発達概念」で出題の多いゲゼル、ワトソン、シュテルン、ジェンセン、ブロンフェンブレンナーについて、解説します。理解度チェックにミニテストもご利用ください。 「発達」に必要なのは、遺伝でしょうか?環境でしょうか?人によって、「遺伝でしょ?」「環境でしょ?」といろいろな意見があると思います。 両者の考え方の違いについて、まずは理解していきましょう♪
最後に当サイト愛用者に、「理解が深まる」と好評をいただいている「+αクイズ」つけました♡ブロンフェンブレンナーにやたら詳しくなれますよ~(*´▽`*)
遺伝か環境か
遺伝説(成熟優位説)
ここでいう「遺伝」とは、本人がもともと持っている遺伝子的なもの。 同じ母親から生まれて、同じ環境で育ったのに、お兄ちゃんは勉強がよくできて運動がダメ、妹はやんちゃでスポーツマンタイプ。なんて場合、本人の持っている「遺伝子」というか「能力」が作用したと考えられます。 また、幼い時期に無理していろいろ教えこまなくても、遺伝的なプログラムによって、時期が来ればできるようになる!というのが、「遺伝説(成熟優位説)」の考え方です。 遺伝説(成熟優位説)で有名な人物は、ゲゼルです。 ゲゼルは、学習する為の準備が整っている状態を「レディネス」と呼び、レディネスに見合った学習を与えることが重要と考えました。
環境説(学習優位説)
「遺伝説」が先天的なものを重視するのに対し、「環境説」は後天的なものを重視します。 一卵性の双子や三つ子が、全く違う環境で育ったら、違う人生を歩む。 これは、後天的な環境や経験、学習が影響したと考えられます。(環境説) 逆に、一卵性の双子や三つ子が、違う人間によって、全く違う環境で育ったのに、学校の成績がおんなじくらいとか、おんなじようなタイプの友達と仲良くするとか、そういう場面に遭遇したら、「環境」よりも「遺伝」の方が強いと言えます。(遺伝説)
環境説(学習優位説)で有名なのは、ワトソンです。 ワトソンは、子どもの発達には遺伝は関係なく、環境次第でどうにでもなると考えていました。
遺伝も環境もどっちも大事
ここまで読んで、「遺伝も環境もどっちも、発達には大事なんじゃない?」「人によって遺伝が強い人と、環境の影響を受けやすい人がいるんじゃない?」と考えたあなたは、シュテルンやジェンセンの考えに近いかもしれません。
輻輳説
シュテルンは、遺伝と環境が、加算的に関係すると考えました。これを「輻輳説(ふくそうせつ)」といいます。 ピンクが遺伝。緑が環境です。
相互作用説
ジェンセンは、遺伝と環境は相互に関係しあい、環境要因がある水準(閾値)を超えると、遺伝要因が発揮されるという環境閾値(いきち)説を唱えました。 身長などは、環境の影響より、遺伝の影響のほうが強いので、閾値は低いと考えられます。 勉強は、環境の影響を受けやすいので、閾値は高いと考えられます。
ギブソンのアフォーダンス理論
ギブソンは、環境自体が様々な意味を提供しており、子どもはそれぞれの環境に埋め込まれた意味(アフォーダンス)を見出しながら、行動していると考えました。 椅子は「座る」もの。ハサミは「切る」もの。鉛筆は「書く」もの。といったアフォードを見出し、椅子に座り、ハサミで切り、鉛筆で書くといった行動を起こします。
- 環境自体が人の関わり方の手がかりをもっている、と捉えている。
- 環境を通して行う保育においては、子どもが自然と「~したくなる要素」をもっていることを意味する。
- アメリカの知覚心理学者であるギブソン(Gibson, J.J.)によって提唱された。
「環境」は成長とともに広がる
ブロンフェンブレンナーは、子どもに影響を与える環境は、子どもを中心に同心円状に広がっていくと考えました。
- マイクロシステム:自分。両親や兄弟・姉妹など。直接関わる行動場面でのシステム(microは「ごく小さい」の意味)
- メゾシステム:家庭と保育所の関係、家庭と学校の関係など(mezzoは「中間」の意味)
- エクソシステム:子どもは直接関係していないが、親や兄弟などを介してその子に影響を与えるシステム。「両親の職場」や「兄弟の友人」など。(exoは「外部」の意味)
- マクロシステム:社会全体。マイクロ、メゾ、エクソを貫く一貫性を示すシステム。文化。(macroは「巨視的」の意味)
のちに「クロノシステム」が追加され、5つになりました。
-
- クロノシステム:きょうだいの誕生などのライフイベント(Chronoは「時間」の意味)
発達概念と重要人物ミニテスト
ゲゼル・ワトソンを中心にした、発達概念に完成する人物、用語のミニテストです。 →うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)
過去問
保育士試験対策+αクイズ
もっと本番に近い文章で練習したい!という方向けのちょっと難し目のミニテストです。それぞれの人物について、もっと深く理解できるように、工夫しました(*´▽`*)上のミニテストがラクラク解けるようになった方は、チャレンジしてみてください♪
コメント
お世話になっております。別件でも質問させて頂いた者です。
ミニテスト1問目の回答はワトソンではないのでしょうか?環境とあったのでワトソンに飛びついてしまったのですが…見分け方があったらご教示頂きたく…よろしくお願い致しますm(__)m
追伸:私が回答した問題は、答えがギブソンのアフォーダンス理論が正解で、ワトソンだと不正解となりました。…わかりづらくてすみません;
ゆきさん、コメントありがとうございます♡
ギブソンのアフォーダンス理論について、説明がないままミニテストに出してしまいました。すみません。
ご指摘の文章は、平成26年度保育の心理学の過去問からの引用です。文章自体、何が言いたいんだ〜?とわかりにくい文章ですね。
「環境」だけに注目してしまうと、ワトソンに行ってしまいそうですが。
ギブソンのキーワードは「環境」と「意味」だと思ってください。
詳しくは後日このページに追記しますねm(_ _)m
早速のご返信ありがとうございます!
引っかけで出したのでしょうか?少々わかりづらい問題ですね(;>_<;)
環境と意味ですね!ありがとうございますm(__)m
追記のけん、お手数おかけしますが、どうぞ宜しくお願い致します(*´ω`*)
追記しました。
ギブソンのアフォーダンス理論は、ゲゼルやワトソンほどではありませんが、よく出題されますし、問題集にも出てくるので、保育士試験ではそれなりに重要な理論なんだと思います。
ただどれも、文章はイマイチ(ーー;)わかりやすくないような・・・説明が難しい理論です。
「環境自体が提供する意味」が何なのか、イメージできるようになっていると、問題を解きやすいかと思います。
お手持ちのテキストや問題集で、どんなふうに書かれているか、確認してみてくださいね!
はじめまして。子育てしながら、保育士を目指して勉強中で、とってもとってもお世話になっています。コメントなど見ていると同じように夜の授乳のお供にうぱみさんにお世話になっている方がいてとで励まされています。
さて、説明文の青マーカー(タップすると見れる部分)について質問です。
このページをはじめ日本国憲法などタップしても見れないんです(T_T)
教育基本法のページは見られました。何か設定に違いがありますか?
ちなみにスマホから見ています。
もし設定変更でスマホでも見られるようになると大変ありがたいです!
みのりさん、コメントありがとうございます
不具合の報告助かります!
設定ですが、教育基本法のページも、日本国憲法のページも、こちらのページも青マーカー部分の設定は同じなんです。ただ、編集した時期の遅いものが見れないようなので、私の編集画面では確認できない部分で違いのかもしれないです(~_~;)
少しcssを変えてみました。
キャッシュが残っていると、変わらないかもなので
❶使っているブラウザアプリを完全に閉じてから再起動してみる
❷別のブラウザアプリで閲覧してみる(Chrome、サファリ、FireFoxなど)
❸端末を完全にシャットダウンしてから再起動してみる
を試してみてください。
ちなみにお使いのスマホはAndroidですか?iPhoneですか?
早速ご対応くださりありがとうございました。
今までSafariで見ていたのですが、Chromにしたら見れました〜!
Safariは一旦ブラウザを閉じてみたのですが、ダメでした。何でしょうね。。?
本当に毎日お世話になってます。(ドキドキサボるけど)
合格報告できるよう頑張ります(^^)
みのりさん、ありがとうございます。
色々調べた中で、青マーカー部分の「タッチしたときに色を変える」という動作命令が、iPhoneだと読み取れないことがあるということがわかり、対策をしてみたのですが、Safariだとやっぱり読み取れないんですね(TдT)
Chromeでうまく動作できたようで、良かったです!