さて、3回に分けて解説してきた保育実習理論第3問で出題される和音問題の解説も、今回が最後です。
↓ ↓ ↓ 今回の記事、自分で読んでも分かりにくい部分があったので、書き直しました。
図をたくさん入れたので、まずこちら↑ ↑ ↑から読んでみてください。
和音問題は、4つの和音について、それぞれ使う鍵盤の位置を答えていくのですが、先に学習した「メジャーコード」「マイナーコード」「オーギュメントコード」「ディミニッシュコード」の他に、「セブンスコード」が出題されます。
他の3つについて、答えが分かったとしても、セブンスコード問題が解けなかったことで、不正解になってしまうことも・・・
なので、セブンスコードは、和音問題最後の砦。
他の和音を学習していても、セブンスコードを学習しないのであれば、問3の和音問題で点を落とすことは大いにあり得ます。
音楽問題では、とっても重要な知識なのです。
最後の最後で、音楽問題で泣きを見ないために、しっかり勉強しておきましょうね❀
セブンスコードとは?
「7」がつく和音です。
「G7」や「A7」など、楽譜でも見たことがあるのではないでしょうか。
普段はなんとなく、指で位置を覚えて引いている方も多いと思います。
セブンスコードも、「作り方」を知り、実際に自分で作ってみることで、理解が深まりますよ♪
これまで学習した和音
その前に、これまで学習して生きた和音について復習しておきましょう。
「ドミソ」「レファラ」など、「根音から一個飛ばしに3つの音」でできていましたね。
で、第1音―第3音の音程(音の幅)と、第3音―第5音の音程(音の幅)によって、
マイナーコード(m):短3度+長3度
ディミニッシュコード(dim):短3度+短3度
オーギュメントコード(aug):長3度+長3度
の4つに分類できました。
この和音に4つ目の音が加わったのが「セブンスコード」
もちろん1個飛ばしですよ!
つまり
「ドミソ」→「ドミソシ」
「レファラ」→「レファラド」
「ファラド」→「ファラドミ」
となるわけですね。
セブンスコードにもあるメジャーとマイナー
これまでの学習をしてきた方ならば、
「第5音―第7音の間にも短3度とか長3度とかあるんでしょ?」
「それによってまたコードの名前が変わるんでしょ?」
「めんどくさそう~」
ってなるはず。
かのソクラテスは、「問う」ことを重視し、「問いには答えが含まれる」と考えていたそうですが、上のような問いを持った方ならば、すでに答えは目の前です☆
その通り!第5音―第7音が短3度か長3度かによって、コードネームが変わってきますよ!
マイナー→「ドミナントセブンス」
ざっくり言うと、よく出題されるのが
(○には、Cなどの根音が入ります。)
です。「〇7」は、「属七和音(ドミナントセブンス)」とも呼ばれています。
※「メジャーコード」に「短3度」を足しているので、「マイナー」になりますが、「m」は書きません。
その他のセブンスコード
その他、ときどき出題されるのが
マイナーコード+短3度→○マイナーセブン(○m7)
メジャーコード+長3度→○メジャーセブン(○M7)
マイナーコード+長3度→○マイナーメジャーセブン(○mM7)
分かりにくい?こんがらがる?
私もそう思います(笑)
もう少しわかりやすく言うと
長3度+短3度+短3度
(根音から数えて、長3度・完全5度・短7度)○マイナーセブン(○m7):
短3度+長3度+短3度
(根音から数えて、短3度・完全5度・短7度)○メジャーセブン(○M7):
長3度+短3度+長3度
(根音から数えて、長3度・完全5度・長7度)○マイナーメジャーセブン(○mM7)
短3度+長3度+長3度
(根音から数えて、短3度・完全5度・長7度)
ってところでしょうか。
え?まだまだわかりにくい?
ですよね~私もそう思います(笑)
でもここは我慢して、4つのセブンスコード和音の違いを考えながら、とりあえず具体例で練習してみましょう。
4つのセブンスコードの覚え方は、最後に紹介しますよ~
練習
理論だけでは分かりにくいので、実際にセブンスコードの和音を作ってみましょう。
C7
まずは、過去問でよく出題されている和音「C7」について考えてみましょう。
「C」はドを根音とするメジャーコード(長3度+短3度)、「ドミソ」でしたね。
では、その後ろに「シ」を付けてみましょう。
「ドミソシ」になりますね。
で、第5音―第7音の間、ここではソとシの間が、「短3度か長3度か」考えます。
ソ●ラ●シ
と●(黒鍵)が二つ入るので、「長3度」となります。
(このままでは、CM7になってしまいますね。)
第5音ー第7音の間を「短3度」にしたいので、第7音=「シ」を半音下げて、「シ♭」にします。
「ドミソシ♭」になれば完成です。
ただし!
というか、省略されます!
和音って、ほとんどの場合片手で弾くので、4つも音を押さえるのは大変ですよね。
なので、下(根音)から数えて3番目の音は省略されてしまうのです。
ということで、改めまして、「ドミシ♭」で完成です。
もちろん転回後の形「ミシ♭ド」や「シ♭ドミ」も「C7」です。
D7
ちょっとコツがつかめてきましたか?
では次は、「D7」。
Cのお隣なので、根音は「レ」ですね。
まず、Dのメジャーコードを作ります。
レ●ミファ→短3度
ファ●ソ●ラ→長3度
なので、Dm(マイナーコード)です。
メジャーコードにするために、「ファ」を半音上げます。
レ●ミファ●→長3度
●ソ●ラ→短3度
D(メジャーコード)になりましたね。
ラの後ろに、シを飛ばして「ド」を付けます。
「レファ♯ラド」
ラとドの間は、短3度なので、D7は「レファ♯ラド」のままでOKです。
第5音を省略して、「レファ♯ド」が正解です。
もちろん、転回して「ファ♯ドレ」「ドレファ♯」も正解ですよ。
ちょこっとまとめ
セブンスコードの出題は、○セブン(メジャーコード+短3度)が多いので、とにかく、A7からG7まで作ることができるように練習をしておきましょう。
「○7」を作ることができれば、9割!
「○m7」「○M7」「○mM7」を作ることができれば、どんな問題が出ようとも確実に点数をとれるはずです。
で、「○m7」「○M7」「○mM7」の違いですが、
☆m(マイナー)は、根音―第3音が短3度のときにつける。
☆M(メジャー)は、根音―第7音が長7度のときにつける。
と覚えておくといいですよ。
素朴な疑問
これは私が思った問いです。
- なんで、根音―第3音は「短3度」のときに印を付けて、根音―第7音は「長7度」のときに印をつけるの?両方とも「短3度」のときでいいじゃない?
- 「オーギュメントコード+第7音」「ディミニッシュコード+第7音」のセブンスコードはないの?
音楽関係の偉い人に喧嘩を売っている?!わけではなく、素朴な疑問です。
一応解決策を考えてみました。
解決策を読んでみると、「あ~なるほど」とよりセブンスコードの知識が深まると思います。
①なんで、根音―第3音は「短3度」のときに印を付けて、根音―第7音は「長7度」のときに印をつけるの?両方とも「短3度」のときでいいじゃない?
思いますよね(笑)
せっかく「マイナーでmつける」って覚えたのに、今度は「メジャーでMつける」の?と私も最初は混乱しました。
でもよく考えてみると
「短3度」のときだけしるしをつけたら、
「Gmm7」はともかく、
「Gm7」のときに困ります。
第3音はどこ?第7音はどこ?と大パニックです。
なので、根音―第3音は「短3度」のとき、根音―第7音は「長7度」のとき、それぞれ別の印をつけるのだと思います。
②「aug+第7音」「dim+第7音」のセブンスコードはないの?
うぱみの音楽理論解説を真剣に読んでくれている方なら、そう思いますよね(;’∀’)
保育士試験学習を通して、オーギュメントコードやディミニッシュコードのファンになった方は、セブンスコードも作ってみたいはず!?
〇aug7、〇augM7、〇dim7も存在
調べてみると、「Gaug7」「GaugM7」「Gdim7」といったセブンスコードもあるようです。
ただし、保育士試験・保育実習理論・音楽分野の問題では、第5音が省略されるので、
G7→ソ、シ、レ、ファ→ソ、シ、ファGaugM7→ソ、シ、レ♯、ファ♯→ソ、シ、ファ♯
GM7→ソ、シ、レ、ファ♯→ソ、シ、ファ♯
となりますが、オーギュメントコード(aug)は、第5音の位置が変わってくる(増5度になる)のですが、実際セブンスコードでは第5音が省略されることが多いので、出題されないのだと思います。
〇dim7も存在するが…
「dim7」のときには、第7音は半音下がって、減7度になるそうです。
チャイコフスキーが好んで使っていた和音だそうですが、保育士試験の問題を作る人が良心的なら、ここまでは出題されないでしょう。
なので、とりあえず、和音は、3つの音の和音と、基本のセブンスコードを押さえ、転回後でも鍵盤の位置が分かるように練習して、合格に一歩近づきましょう。
コメント
音楽理論がテキストを見てもまったく理解できず、半ば諦めかけていました。
知人にすすめられこちらを見てみると、とても丁寧な解説でようやく理解できて安心しました。
ありがとうございました。
ポチ丸さん、コメントありがとうございます。
お役にたててうれしいです(^▽^)♡
保育士試験の勉強頑張ってくださいね!
うぱみ様
何度もすみません。私は、もううぱみさまのサイトなしでは、学習がなりたたない程、かなり活用させて頂いています。いつもありがとうございます。
セブンスコードは、もう○7だけ理解していれば良いかと半ば山勘状態なのですが、ここで解説付きで教えて頂いたC7、D7以外のA7,B7,E7,F7,G7の答えだけでも良いので、アップしていただけないでしょうか?自分で解いてみたものの果たして合っているのか?が不安でして。。。お手間とらせますが、時間のある時で結構ですので、よろしくお願いします。
五十嵐さん、コメントありがとうございます。
新しく書き直したセブンスコードの記事の下の方に、追加しましたので、参考にしてください(^O^)/
すみません、コードネームと移調はこちらで学習してなんとか分かった気でいるのですが、後、「曲の伴奏」の問題の解き方はこちらで学習した和音などを使って、解読が出来る物なんでしょうか?問題を見ても、どこから?何から考えたら良いのか、分からずにいます。ただ、時間がもう限られているので、ピアノをひけない人には難しいようでしたら、こちらは捨てる覚悟でいます(^_^;)難易度高いでしょうか?
五十嵐さん、コメントありがとうございます。
他のセブンスコードについては、後ほどアップしますね。
伴奏は、私も超苦手な問題です(>_<) やり方としては、 ①調(ハ長調など)を見極める←問5の知識 ②調に合った和音を選ぶ ③右手の音に合った和音を選ぶ (コード進行には、決まりがあるらしく、進行の順序に合わないコードは使えない) といった手順でやっていくのですが、正直、この問題の解き方をマスターするのに時間を割くくらいなら、正解率20%にかけて問1はあてずっぽう、他の科目や分野に時間をかけて、保育所保育指針の文言を少しでも多く覚えたほうが、確実に合格に近付けると思います。 と思って、私はこの問題は運に任せました・・・。 解説できないものかと勉強したこともありましたが、自信がないので、多分ここではしません。お役にたてず、すみません。
五十嵐さん、こんにちは。
伴奏についての解説を書いてみました。
前回コメントで書いた、やり方①②の部分は、すでにいくつかの和音が選択肢にあるので、深く考えなくてもいいみたいです。
③の部分で、右手の音に合った和音を選ぶときに、左手の音を読み間違えないことが大切です。
直前の解説になってしまい申し訳ないです。どうか、合格に一歩近づけますように(*^^)/~*☆保育実習理論問1 伴奏問題でつまずいている人はここをチェック!
17年の後期保育士試験を受験する予定の井田と申します。
この度は、お礼を言いたくてコメントを書かせていただきました。
このサイトを見つけるまでは、保育実習の音楽を捨てるつもりでいました。
ですが、このサイトに出会い、テキストでは理解できなかったものがだんだんクリアになり、今では問題を解ける程にまで成長しました。
それもこれも、全部このサイトのおかげです。
わかりやすい説明と図で大変有難く思っています。
試験も音楽は捨てずに頑張れそうです。
井田さん、コメントありがとうございます(*^^*)
お役に立てて嬉しいです♡
音楽はコツコツ勉強すれば、確実に点数が取れるので、ぜひ得点源にしてくださいね!
応援していますヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。