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施設の小規模化~家庭養護(里親)と施設養護(児童養護施設)の間

この記事は約5分で読めます。

社会的養護の必要な児童を、できるだけ、家庭的な雰囲気の中で育てたい。そのような願いから、現在里親委託の推進とともに、児童養護施設と里親家庭の中間にあたる小規模施設の充実も進められています。

小規模グループケア」「グループホーム」「ファミリーホーム」といった言葉が出てきます。

児童養護施設・乳児院の小規模化

似ている言葉でちょっとこんがらがってきますね。

児童養護施設・乳児院を大舎から中舎・小舎へ、さらに小規模な施設へ、という動きがあります。
そこで出てくる言葉が、小規模グループケアグループホームです。

小規模グループケアグループホームは、児童養護施設・乳児院を小規模化したものです。「家庭養護」に分類されています。

どちらも法律的な位置づけとしては、「第1種社会福祉事業である児童養護施設の一部(法人形態)」です。

小規模グループケア

小規模グループケア

  • 本体施設や地域で、小規模な家庭的養護を行う
  • 1グループ6~8人
    乳児院は4~6人
  • 平成25年度:943か所

将来的には、児童養護施設の本体施設は、すべて小規模グループケアへ移行することが、考えられています。

地域小規模児童養護施設(グループホーム)

地域小規模児童養護施設(グループホーム)

  • 本体施設の支援のもと、地域の民間住宅などを活用して家庭的養護を行う
  • 定員6人
  • 平成25年度:269か所
    →26年度目標300か所

小規模グループケアグループホームで働いている人は「職員」や「管理宿直」の人です。

よく出る統計資料

統計資料もチェックしておきましょう。

最新の資料は、平成24年3月のものです。
児童養護施設小規模化の推移H24

(調査解答施設数552)

次の文の○×を判断してみましょう。

  1. 児童養護施設の6割以上が大舎制である。
  2. 児童養護施設の半数以上が小規模グループケアを導入している。
  3. 地域小規模児童養護施設を導入しているのは、全施設の5割を超えている。

1は×。

2は、平成28年度前期社会的養護問7からで、○。

3は、平成24年度本試験社会的養護問3からです。平成24年度は、平成20年度の資料(下の図)についての出題なのですが、平成20年度を見ても×。平成24年度についてみても×ですね。

前回調査(平成20年3月)と比較して出題されることもあります。
児童養護施設小規模化の推移H20

(調査解答施設数489)

上のグラフと比較して見てみてくださいね。

  1. 平成24年3月現在、児童養護施設の7割が大舎制で、平成20年3月と比べても小規模化が進んでいない。
  2. 平成24年3月現在、地域小規模児童養護施設(グループホーム)を有する児童養護施設数は、平成20年3月時点に比べて約2倍に増加している。
  3. 児童養護施設の小舎形態は、平成20年3月時点で約2割であったが、平成24年3月現在では約4割となっている。

1は、平成26年度再試験児童家庭福祉問19からです。
正答は×。平成24年3月現在の児童養護施設の5割が大舎制。平成20年3月は児童養護施設の7割が大舎制だったので、小規模化が進んでいるといえます。

2・3は、平成28年度前期試験社会的養護問7からです。
正答は、2は×、3は○です。

ちなみに、地域小規模児童養護施設(グループホーム)の数は、

  • 平成20年→111か所(22.7%)
  • 平成24年→136か所(24.6%)

で、20か所程度しか増えていません。

ファミリーホーム

ファミリーホームは、里親の規模を大きくしたものです。

養育者の住居で、子どもを養育します。

法律的な位置づけとしては、「第2種社会福祉事業(主に個人、法人も可)」です。

小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)

  • 養育者の住居で養護を行う
  • 1グループ5~6人
  • 平成25年度:218か所
    →将来像1000か所

里親の規模を大きくしたものなので、養育者・補助者によって運営されています。

個人で行う場合、

  1. 養育里親の経験者が専業で行うもの
  2. 児童養護施設・乳児院の経験者が施設から独立して行うもの

があります。2の場合は、グループホームとの違いははっきりしないものもあるようです。

養育者は3人以上で
養育経験のある夫婦2人(専業)+補助者1人(非常勤で雇用)
というのが一般的なようです。

その他のパターンとしては、

  • 養育経験のある夫婦(専業+兼業)+補助者1~2人(非常勤)
  • 養育経験のある単身者+補助者2人(非常勤)

というのが挙げられています。

養育者は、小規模住居型児童養育事業を行う住居(ファミリーホーム)に生活の本拠を置く必要があります。

また、法人による運営も可能です。
その場合は、養育者に当たる夫婦や個人、補助者(非常勤)を雇用します。

平成28年度前期試験児童家庭福祉問2
 次の文は、小規模住居型児童養育事業に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A 小規模住居型児童養育事業を行う住居をファミリーホームという。
B 小規模住居型児童養育事業の養育者は、養育里親として3年以上の養育経験を有していなければならない。
C 養育者等は、養育を行うに当たっては、児童及び保護者の意向を把握し、懇切を旨としなければならない。
D 小規模住居型児童養育事業を行う住居は、平成25年10月1日現在300 か所を超えている。

(選択肢省略)
正答: A C

施設の小規模化の将来像

施設の将来像について、「社会的養護の現状」という資料には、

将来像は、本体施設、グループホーム、里親等を各概ね3分の1

児童養護施設の本体施設は、全て小規模グループケアに

と書いてあります。

図にするとこんな感じです。

施設の小規模化将来像

ポイントとなるのは以下の点

  • 児童養護施設・乳児院はすべて小規模グループケア
  • 小規模グループケアグループホーム:里親等=1:1:1に
  • ファミリーホームを1000か所へ

「里親等」には、ファミリーホームが含まれています。
平成25年度末で、里親等に委託されている児童数は、全体の15%程度。これを全体の1/3まで引き上げる。

グループホームを増やして、これも全体の1/3へ引き上げる。

現在、多くの児童の受け皿が児童養護施設や乳児院になっていますが、児童養護施設や乳児院はすべて小規模グループケアへ移行し、1/3へ引き下げる。

というのが、社会的養護の将来像のようです。

ただ、この資料、「将来像」であって、「いつまでに達成」というのが書いてないんですよね・・・。

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コメント

  1. E より:

    おかげさまで、7月から独学で始め、全ての科目で8割以上取ることができました。仕事と育児で時間がとれず、細切れの時間にこのサイトをよく見ていました。特にこの記事は本番でばっちり出たので、読んでてよかった!!と思いました。
    ミニテストも良かったですが、何より解説が分かりやすく、すんなり頭に入りました。
    早速二次の準備を始めます。ありがとうございました。

    • うぱみ より:

      Eさん、コメントありがとうございます(*^▽^*)

      すべての科目で8割以上!すごいですね\(^o^)/

      2次も頑張ってください❀

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