発達に影響するのは、遺伝か環境か。発達概念(ゲゼル・ワトソンなど)

「発達」に必要なのは、遺伝でしょうか?環境でしょうか?

ジャンプする子ども

人によって、「遺伝でしょ?」「環境でしょ?」といろいろな意見があると思います。

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遺伝か環境か

遺伝説(成熟優位説)

ここでいう「遺伝」とは、本人がもともと持っている遺伝子的なもの。

同じ母親から生まれて、同じ環境で育ったのに、お兄ちゃんは勉強がよくできて運動がダメ、妹はやんちゃでスポーツマンタイプ。なんて場合、本人の持っている「遺伝子」というか「能力」が作用したと考えられます。

また、幼い時期に無理していろいろ教えこまなくても、遺伝的なプログラムによって、時期が来ればできるようになる!というのが、「遺伝説(成熟優位説)」の考え方です。

遺伝説(成熟優位説)で有名な人物は、ゲゼルです。

ゲゼルは、学習する為の準備が整っている状態を「レディネス」と呼び、レディネスに見合った学習を与えることが重要と考えました。

環境説(学習優位説)

「遺伝説」が先天的なものを重視するのに対し、「環境説」は後天的なものを重視します。

一卵性の双子や三つ子が、全く違う環境で育ったら、違う人生を歩む。
これは、後天的な環境や経験、学習が影響したと考えられます。(環境説)

逆に、一卵性の双子や三つ子が、違う人間によって、全く違う環境で育ったのに、学校の成績がおんなじくらいとか、おんなじようなタイプの友達と仲良くするとか、そういう場面に遭遇したら、「環境」よりも「遺伝」の方が強いと言えます。(遺伝説)

双子に関わらず、教え方のうまい先生に教わったら、勉強が得意になったとか、スポーツが得意になったというのは「環境説(学習優位説)」ですね。

環境説(学習優位説)で有名なのは、ワトソンです。

ワトソンは、子どもの発達には遺伝は関係なく、環境次第でどうにでもなると考えていました。

遺伝も環境もどっちも大事

ここまで読んで、「遺伝も環境もどっちも、発達には大事なんじゃない?」「人によって遺伝が強い人と、環境の影響を受けやすい人がいるんじゃない?」と考えたあなたは、シュテルンやジェンセンの考えに近いかもしれません。

輻輳説

シュテルンは、遺伝と環境が、加算的に関係すると考えました。これを「輻輳説(ふくそうせつ)」といいます。

ピンクが遺伝。緑が環境です。

相互作用説

ジェンセンは、遺伝と環境は相互に関係しあい、環境要因がある水準(閾値)を超えると、遺伝要因が発揮されるという環境閾値(いきち)説を唱えました。

身長などは、環境の影響より、遺伝の影響のほうが強いので、閾値は低いと考えられます。

勉強は、環境の影響を受けやすいので、閾値は高いと考えられます。

ギブソンのアフォーダンス理論

ギブソンは、環境自体が様々な意味を、提供しており、子どもはそれぞれの環境に埋め込まれた意味(アフォーダンス)を見出しながら、行動していると考えました。

椅子は「座る」もの。ハサミは「切る」もの。鉛筆は「書く」もの。といったアフォードを見出し、椅子に座り、ハサミで切り、鉛筆で書くといった行動を起こします。

平成29年度 試験 保育の心理学問13 
次の記述に該当する用語として正しいものを一つ選びなさい。

  • 環境自体が人の関わり方の手がかりをもっている、と捉えている。
  • 環境を通して行う保育においては、子どもが自然と「~したくなる要素」をもっていることを意味する。
  • アメリカの知覚心理学者であるギブソン(Gibson, J.J.)によって提唱された。

・ 
1 アルゴリズム
2 インクルージョン
3 エンパワメント
4 アドボカシー
5 アフォーダンス

正答:5 アフォーダンス

「環境」は成長とともに広がる

ブロンフェンブレンナーは、子どもに影響を与える環境は、子どもを中心に同心円状に広がっていくと考えました。

  1. マイクロシステム:両親や兄弟・姉妹
  2. メゾシステム:家庭や学校の友達
  3. エクソシステム:両親の職場や兄弟の友人
  4. マクロシステム:社会全体

マイクロ・メゾでは、身近な人
そこからだんだん世界が広がっていって、最終的には社会全体(文化全体)になっています。

過去問

平成27年度地域限定試験「保育の心理学」問9
 次の文は、子どもの発達についての考え方に関する記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

( A )とは、ある学習を受け入れるための心身の準備性のことである。( B )では、( A )のできていない子どもに無用な学習をおしつけない保育が必要であるとされている。そのためには、現在の子どもの発達過程を正しく把握することが必要である。

一方、( C )では、子どもはいわば白紙の状態で生まれてくるとみなすため、子どもにさまざまな学習をさせるような保育が必要であるとされている。

代表的な学者として、( B )では( D )、( C )では( E )があげられる。

ア トレランス  
イ ワトソン(Watson, J.B.)  
ウ 環境説 
エ 相互作用説  
オ 成熟説         
カ 輻輳説  
キ レディネス  
ク ゲゼル(Gesell, A.L.)

(選択肢省略)
解答:
A:キ(レディネス)
B:オ(成熟説)
C:ウ(環境説)
D:ク(ゲゼル)
E:イ(ワトソン)

発達概念と重要人物ミニテスト

ゲゼル・ワトソンを中心にした、発達概念に完成する人物、用語のミニテストです。

うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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うぱみ

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コメント

  1. ゆき より:

    お世話になっております。別件でも質問させて頂いた者です。
    ミニテスト1問目の回答はワトソンではないのでしょうか?環境とあったのでワトソンに飛びついてしまったのですが…見分け方があったらご教示頂きたく…よろしくお願い致しますm(__)m

  2. ゆき より:

    追伸:私が回答した問題は、答えがギブソンのアフォーダンス理論が正解で、ワトソンだと不正解となりました。…わかりづらくてすみません;

    • うぱみ より:

      ゆきさん、コメントありがとうございます♡

      ギブソンのアフォーダンス理論について、説明がないままミニテストに出してしまいました。すみません。

      ご指摘の文章は、平成26年度保育の心理学の過去問からの引用です。文章自体、何が言いたいんだ〜?とわかりにくい文章ですね。

      「環境」だけに注目してしまうと、ワトソンに行ってしまいそうですが。

      ギブソンのキーワードは「環境」と「意味」だと思ってください。

      詳しくは後日このページに追記しますねm(_ _)m

      • ゆき より:

        早速のご返信ありがとうございます!

        引っかけで出したのでしょうか?少々わかりづらい問題ですね(;>_<;)

        環境と意味ですね!ありがとうございますm(__)m

        追記のけん、お手数おかけしますが、どうぞ宜しくお願い致します(*´ω`*)

        • うぱみ より:

          追記しました。

          ギブソンのアフォーダンス理論は、ゲゼルやワトソンほどではありませんが、よく出題されますし、問題集にも出てくるので、保育士試験ではそれなりに重要な理論なんだと思います。
          ただどれも、文章はイマイチ(ーー;)わかりやすくないような・・・説明が難しい理論です。

          「環境自体が提供する意味」が何なのか、イメージできるようになっていると、問題を解きやすいかと思います。

          お手持ちのテキストや問題集で、どんなふうに書かれているか、確認してみてくださいね!