保育所保育指針第4章:保育の計画及び評価 保育過程と指導計画は別物?

1度の試験で、2~3問は保育所保育指針第4章「保育の計画及び評価」から出題されています。

保育所保育指針第4章 保育の計画及び評価

保育原理での出題が主ですが、保育の心理学、保育実習理論、社会福祉でも出題されることが多いです。

出題形式としては、穴埋めがほとんどですが、○×組み合わせや、文章の組み合わせといった形式で出題されることも多いです。

量は多いですが、しっかり対策をして、得意な分野にしておきましょう✿

オレンジの部分がよく出題されている文章。
太字の部分が、穴埋めで問われやすい部分です。
オレンジの上に太字のところ、ちょっと読みにくいですが、重要な所と思って見てやって下さいm(__)m

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1保育の計画

第4章では、「保育課程」と「指導計画」は全く別のものとして書かれています。

保育の目標(第1章総則
↓達成するため
保育課程
↓具体化
指導計画

保育

評価
↓改善
保育の質の向上

まず、この流れを頭に入れておきましょう。

(1)保育課程

ア 保育課程は、各保育所の保育の方針や目標に基づき、第2章(子どもの発達)に示された子どもの発達過程を踏まえ、前章(保育の内容)に示されたねらい及び内容が保育所生活の全体を通して、総合的に展開されるよう、編成されなければならない。

イ 保育課程は、地域の実態、子どもや家庭の状況、保育時間などを考慮し、子どもの育ちに関する長期的見通しを持って適切に編成されなければならない。

ウ 保育課程は、子どもの生活の連続性や発達の連続性に留意し、各保育所が創意工夫して保育できるよう、編成されなければならない。

「生活の連続性」「発達の連続性」という言葉、この章にはよく出てきます。

しっかり計画をたてておかないと、その場その場の活動・保育になりがちです。
「長期的見通し」「連続性に留意」こういった視点は常に持っておきたいものです。

  1. 保育課程は、各保育所の保育の方針や目標に基づき、第2章(子どもの発達)に示された子どもの発達過程を踏まえ、前章(保育の内容)に示されたねらい及び内容が保育所生活の( A )を通して、( B )展開されるよう、編成されなければならない。(H27地域限定試験 保育原理)
  2. 保育課程は、子どもの生活の連続性や発達の連続性に留意し、各保育所が創意工夫して保育できるよう、編成されるものである。(H28後期試験 保育原理)
  1. A全体 B総合的に
  2. ○ ウの内容より。

(2)指導計画

「保育課程」の内容を具体的にしたものが「指導計画」ですが、「指導計画」にも「長期的指導計画」「短期的指導計画」の2種類があります。

ア 指導計画の作成

指導計画の作成に当たっては、次の事項に留意しなければならない。

(ア)保育課程に基づき、子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成して、保育が適切に展開されるようにすること。

(イ)子ども一人一人の発達過程や状況を十分に踏まえること。

(ウ)保育所の生活における子どもの発達過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を設定すること。

(エ)具体的なねらいが達成されるよう、子どもの生活する姿や発想を大切にして適切な環境を構成し、子どもが主体的に活動できるようにすること。

まぁ、当たり前ですが、何か計画を立てる時って、いきなり「今日はこれ!明日はこれ!」じゃなくて、「1年間の計画」「1ヶ月の計画」「1週間の計画」「今日の計画」というように長期的→短期的に立てていきますよね。

  • 子ども一人一人の発達の状況を踏まえる
  • 保育所の生活における子どもの発達過程を見通す
  • 生活の連続性、季節の変化などを考慮
  • 適切な環境の構成→主体的な活動

配慮すべきことは多いですが、これらを無視して、たとえば「去年の担任の先生が作った1歳児クラスの年間計画を、2歳児クラスでもそのまま使おう!」としても、上手くいかないものですし、それでは保育士の専門性が疑われてしまいますね(・・;)

保育所の生活における子どもの発達過程を見通し、( A )の連続性、季節の変化などを考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を設定すること。(H28後期試験 保育原理)

A生活

イ 指導計画の展開

指導計画に基づく保育の実施に当たっては、次の事項に留意しなければならない。

(ア)施設長、保育士などすべての職員による適切な役割分担協力体制を整えること。

(イ)子どもが行う具体的な活動は、生活の中で様々に変化することに留意して、子どもが望ましい方向に向かって自ら活動を展開できるよう必要な援助を行うこと。

(ウ)子どもの主体的な活動を促すためには、保育士等が多様な関わりを持つことが重要であることを踏まえ、子どもの情緒の安定や発達に必要な豊かな体験が得られるよう援助すること。

(エ)保育士等は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化などに即して保育の過程を記録するとともに、これらを踏まえ、指導計画に基づく保育の内容の見直しを行い、改善を図ること。

「保育の過程を記録」→「保育内容の見直し、改善」
これは、常にやっていくべきことです。

この積み重ねが、保育の質の向上につながるんですね(*^_^*)

  1. 子どもが行う具体的な活動は、生活の中で様々に変化することに留意して、ルールや規範にのっとった活動を展開できるよう必要な援助を行うこと。
  2. 子どもの主体的な活動を促すためには、保育士等が多様な関わりを持つことが重要であることを踏まえ、子どもの情緒の安定や発達に必要な豊かな体験が得られるよう援助すること。
  1. × (イ)子どもが行う具体的な活動は、生活の中で様々に変化することに留意して、子どもが望ましい方向に向かって自ら活動を展開できるよう必要な援助を行うこと。
  2. ○ (ウ)の内容です。

(3)指導計画の作成上、特に留意すべき事項

「発達過程に応じた保育」「長時間にわたる保育」「障害のある子どもの保育」「小学校との連携」「家庭及び地域社会との連携」と分けて書いてあります。

特に出題されやすい所なので、しっかり目を通しておきましょう。

ア 発達過程に応じた保育

(ア)3歳未満児については、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成すること

(イ)3歳以上児については、個の成長と、子ども相互の関係や協同的な活動が促されるよう配慮すること。

(ウ)異年齢で構成される組やグループでの保育においては、一人一人の子どもの生活や経験、発達過程などを把握し、適切な援助や環境構成ができるよう配慮すること。

  • 3歳未満児→「成育歴」「個別的な計画」
  • 3歳以上児→「個の成長」「子ども相互の関係や協同的な活動を促す」

この二つを混同しないようにしましょう。

  1. 3歳未満児については、個の成長と、子ども相互の関係や協同的な活動が促されるよう配慮すること。(H28前期試験 保育実習理論)
  2. 一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、すべての子どもについて個別的な計画を作成しなければならない。(H28前期試験 保育原理)
  3. 異年齢で構成される組やグループでの保育においては、一人一人の子どもの生活や( D )、( E )などを把握し、適切な援助や環境構成ができるよう配慮すること。(H27地域限定試験 保育原理)
  1. × 「3歳以上児」についての内容です。
  2. × 「3歳未満児」についての内容です。
  3. D経験 E発達過程

イ 長時間にわたる保育

保育園の子は、幼稚園の子より、長く保育するのが特徴ですが、保護者の勤務時間8時間+残業+職場までの往復を合わせると、10時間以上も保育園にいるという子も珍しくありません。

長時間にわたる保育については、子どもの発達過程、生活のリズム及び心身の状態に十分配慮して、保育の内容や方法、職員の協力体制、家庭との連携などを指導計画に位置付けること。

最近は、洗濯やります!朝食も夕食も食べさせます!な保育園も都市部にはあるようですね・・・

長時間にわたる保育については、子どもの発達過程、生活のリズム及び心身の状態に十分配慮して、保育の内容や方法、職員の協力体制、家庭との連携などを指導計画に位置付けること。(H28前期試験 保育実習理論)

ウ 障害のある子どもの保育

インクルーシブ教育の観点からも「障害の有無にかかわらず共に生活」することの重要性が言われています。

ただし、それは「障害のある子もない子も、同じことを同じようにする」というのとは違います。

共に生活する中でも、障害の状態を考慮し、個別の支援計画を立て、援助して行くことが大切です。

(ア)障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ること。

(イ)保育の展開に当たっては、その子どもの発達の状況や日々の状態によっては、指導計画にとらわれず、柔軟に保育したり、職員の連携体制の中で個別の関わりが十分行えるようにすること。

(ウ)家庭との連携を密にし、保護者との相互理解を図りながら、適切に対応すること。

(エ)専門機関との連携を図り、必要に応じて助言等を得ること。

障害の有無にかかわらず、「指導計画」は一度立てたら何がなんでもその通りにやらなければいけない!というものではないですね。子どもの実態に合わせて、柔軟に保育して行くという姿勢も求められています。

障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や( A )を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、( B )の中に位置付けること。

また、( C )保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を( D )に作成するなど適切な対応を図ること。(H26再試験 保育の心理学)

A障害の状態 B指導計画 C子どもの状況に応じた D個別

平成26年度本試験 保育原理
問 13 次の文は、障害のある子どもの保育の計画についての記述である。「保育所保育
指針」第4章「保育の計画及び評価」のウ「障害のある子どもの保育」に照らして考え
た場合、正しいものを一つ選びなさい。

  1. 障害のある子どもの保育については、療育を最優先に考えて、計画する。
  2. 障害のある子どもの保育は、他の子どもと一緒に行動することが難しいので、他の子
    どもとは別に保育するよう計画する。
  3. 集団保育しているのだから、みんなと同じことを一緒にできるように障害のある子ど
    もに合わせた保育を考え計画する。
  4. 障害のある子どもの保育は、クラスの指導計画には位置付けず、別に計画する。
  5. 障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して成長していけるように、また、子ど
    もの状況に応じて保育する観点から支援のための計画を個別に計画する。

正答:5

1~4は、冷たいというか、明らかにおかしいですね・・・。

エ 小学校との連携

「小1ギャップ」なんてことも最近はよく言われるようになりました。
保育園では調子がよかったのに、小学校に上がったらついていけない\(-o-)/ってことがないように、小学校と連携をとることについても書かれています。

(ア)子どもの生活や発達の連続性を踏まえ、保育の内容の工夫を図るとともに、就学に向けて、保育所の子どもと小学校の児童との交流、職員同士の交流情報共有や相互理解など小学校との積極的な連携を図るよう配慮すること。

(イ)子どもに関する情報共有に関して、保育所に入所している子どもの就学に際し、市町村の支援の下に、子どもの育ちを支えるための資料が保育所から小学校へ送付されるようにすること。

この「連携」というのは、ただ単に年長さんの後半はお昼寝をしないとか、「子どもの育ちを支えるための資料(保育所児童保育要録)」を送るというだけでなく、幼児と小学生との交流や、職員同士の交流も含まれています。

ちなみに、小学校学習指導要領には

第4 指導計画の作成に等に当たって配慮すべき事項
1 各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫を生かし,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。
(12) 学校がその目的を達成するため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,小学校間,幼稚園や保育所,中学校及び特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習や高齢者などとの交流の機会を設けること。

とありますよ。

  1. 子どもの生活や発達の(A 重要性)を踏まえ、保育の内容の工夫を図るとともに、就学に向けて、保育所の子どもと小学校の児童との交流、(B 職員同士)の交流、情報共有や相互理解など小学校との積極的な(C 交流)を図るよう配慮すること。(H26再試験 保育実習理論)
  2. 子どもに関する情報共有に関して、保育所に入所している子どもの就学に際し、( D )の下に、( E )の資料が保育所から小学校へ送付されるようにすること。(H27本試験 保育原理)
  1. A×連続性 B○ C×連携
  2. D市町村の支援 E子どもの育ちを支えるため

オ 家庭及び地域社会との連携

子どもの生活の連続性を踏まえ、家庭及び地域社会と連携して保育が展開されるよう配慮すること。その際、家庭や地域の機関及び団体の協力を得て、地域の自然、人材、行事、施設等の資源を積極的に活用し、豊かな生活体験を始め保育内容の充実が図られるよう配慮すること。

子どもの生活の( A )を踏まえ、家庭及び地域社会と連携して保育が展開されるよう配慮すること。その際、家庭や地域の機関及び団体の協力を得て、地域の自然、人材、行事、施設等の( B )を積極的に活用

し、豊かな生活体験を始め保育内容の充実が図られるよう配慮すること。

A連続性 B資源

ミニテスト

「1保育の計画」の、穴埋めや○×問題のミニテストです。

うまく表示されない方はこちら(別ウィンドウで開く)

2保育の内容等の自己評価

「自己評価」と一口に言っても、「保育士自らが行う自己評価」と「保育所が行う自己評価」とがあります。

(1)保育士等の自己評価

「保育の記録」は書いてお終い!ではありません。

自分の保育実践を振り返り、改善する、そのための記録です。

ア 保育士等は、保育の計画や保育の記録を通して、自らの保育実践を振り返り、自己評価することを通して、その専門性の向上保育実践の改善に努めなければならない。

じゃぁ、どんな風に自己評価すればいいか?というと・・・

イ 保育士等による自己評価に当たっては、次の事項に留意しなければならない。

(ア)子どもの活動内容やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などに十分配慮すること。

(イ)自らの保育実践の振り返りや職員相互の話し合い等を通じて、専門性の向上及び保育の質の向上のための課題を明確にするとともに、保育所全体の保育の内容に関する認識を深めること。

結果だけではなく、過程も重視!「子どもの心の育ちや意欲」にも注目!

なかなか自分の「課題」と向きあうのって、難しいですよね。本当の課題と向きあわず、表面上の課題を追ってしまったり・・・。日々の保育で精いっぱいになってしまったり。

そんなときこそ、スーパービジョンの出番かもしれないですね。

  1. 保育士等は、保育の計画や保育の( A )を通して、自らの保育実践を振り返り、自己評価することを通して、その( B )の向上や保育実践の改善に努めなければならない。(H27本試験 保育原理)
  2. 保育士等による自己評価に当たっては、次の事項に留意しなければならない。

    (ア)子どもの活動内容やその( C )だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、( D )などに十分配慮すること。

    (イ)自らの保育実践の振り返りや職員相互の話し合い等を通じて、専門性の向上及び保育の質の向上のための課題を明確にするとともに、( E )の保育の内容に関する認識を深めること。(H28前期試験 保育実習理論)

  1. A記録 B専門性
  2. C結果 D取り組む過程 E保育所全体

(2)保育所の自己評価

保育士が自分の保育実践について自己評価するだけでなく、保育所も自己評価をすることが求められています。

ア 保育所は、保育の質の向上を図るため、保育の計画の展開や保育士等の自己評価を踏まえ、当該保育所の保育の内容等について、自ら評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならない。

公表」については、「努めなければならない」なので、「努力義務」ですね。
公表しなくても、罰則はないけど、できるだけ公表してね、みたいな。

イ 保育所の自己評価を行うに当たっては、次の事項に留意しなければならない。

(ア)地域の実情や保育所の実態に即して、適切に評価の観点や項目等を設定し、全職員による共通理解を持って取り組むとともに、評価の結果を踏まえ、当該保育所の保育の内容等の改善を図ること。

(イ)児童福祉施設最低基準第36条の趣旨を踏まえ、保育の内容等の評価に関し、保護者及び地域住民等の意見を聴くことが望ましいこと。

  1. 保育所の自己評価は、保育の質の向上を図るために保育士等の自己評価を踏まえて、保育所の保育の内容等について自ら評価を行い、その結果を公表しなければならない。
  2. 保育所は、保育内容等の評価に関して、保護者や地域住民等の意見を聴くことが望ましい。
  1. × 「公表するよう努めなければならない」です。
  2. ○ イ(イ)児童福祉施設最低基準第36条の趣旨を踏まえ、保育の内容等の評価に関し、保護者及び地域住民等の意見を聴くことが望ましいこと。より。

ミニテスト

「2保育の内容等の自己評価」のミニテストです。


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ミニテスト

「1保育の計画」「2保育の内容等の自己評価」の総合問題です。

上の2つのミニテストをマスターしたら、こちらにも挑戦してみてください✿

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